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野風増

卒業式当日、僕は先輩から特攻服を渡されていたが、それを来て行かず、短ランもボンタン着ないであえて久しぶりに基準の学生服に袖をとうした。


僕のなかでボクシングに出会い何かが変わったのかもしれないが【今日を境に僕は大人の一歩を歩む、これからは悪さをしたって何をしても自分の行動に責任をとらなきゃいけない、自分のケツは自分で拭かなければもうこれからは親父はでてこれない。】


そう思うと特攻服など来れなかった。


そして卒業式が終わり皆で記念撮影していると父が僕に『お前ちょっとぐらい酒呑めるんか?』


僕は怒られるかヒヤヒヤしながら『呑めるよ』


そう言うと父は『今日、ちょっと付き合え』


父の声は少し涙声だった。


そして夜、父に大分で1番高い高級クラブに連れて行かれ初めて父と酒を交わした。


しばらく呑んでいると父が『お前が二十歳なったらお前に聞かせたかったが、少し早いけど勘弁せいや。

今から歌う歌にお前に言いたい事全てが詰まってるから良く聞いとけや』。


そう言って入れた曲は河島英五の野風増。


お前が 二十歳(はたちになったら


酒場で二人で 飲みたいものだ

ぶっかき氷に 焼酎入れて

つまみはスルメか エイのひれ

お前が 二十歳になったら

想い出話で 飲みたいものだ

したたか飲んで ダミ声上げて

お前の二十歳を 祝うのさ

いいか 男は生意気ぐらいが丁度いい

いいか 男は大きな夢を持て

野風増、野風増 男は夢を持て


お前が 二十歳になったら

女の話で 飲みたいものだ

惚れて振られた 昔のことを

思い出しては にが笑い

お前が 二十歳になったら

男の遊びで 飲みたいものだ

はしごはしごで 明日を忘れ

お前の二十歳を 祝うのさ

いいか 男は生意気ぐらいが丁度いい

いいか 男は大きな夢を持て

野風増 野風増 男は夢を持て


お前が 二十歳になったら

旅に出るのも いいじゃないか

旅立つ朝は 冷酒干して

お前の門出を 祝うのさ

いいか 男は生意気ぐらいが丁度いい

いいか 男は大きな夢を持て

野風増 野風増 男は夢を持て

野風増 野風増 男は夢を持て


卒業式中、僕は涙を流さなかったがこの時、涙が溢れだした。



親父、本当に今までありがとう。

親父の息子で幸せだ。


この時、心からそう思った。


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