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決着

約束の日、当日、僕は早く目が覚めた。


いや、とういうより全く眠れなかったと言っていいだろう、何故なら今日は岩永涼との決着をつける約束の日だからだ。


決して臆してるわけではなく、僕がボクシングを始めるキッカケをくれた男、僕が手も足も出なかった男、岩永涼に勝つ日が来た。


そう思うと高揚して眠れなかった。


僕はこの荒ぶる感情を落ち着かせるため、ボンジョビのIt's My Lifeを聴きながらロードワークにでかけた。


走りながら僕は何度も何度も何度も涼をマットに沈める事をイメージし走った。


そして足はダッシュジムへと向かい止まった。


今日決着をつける場所だ。


なかに入るとそこにおっちゃんとすでに涼の姿があった。


おっちゃんにはこの事は話しており審判を頼んでいた。


涼が僕に『もうアップは終わってる、いつでもいいぞ』

僕は『分かった。ちょっと待ってろ』


そう言ってバンテージを手に巻いて、リングシューズを履き、リングに入った。


心の中で何度も何度も【勝つ!勝つ!勝つ!勝つ!、、殺す!】そう唱えると、、カーンとゴングがなった。


先ずはお互いに出方を探るため、懐に入らせないためジャブの応酬。


僕はセオリーどうりジャブを出しながら左に回ってストレートを涼の顔面に叩き込む機会を待つ。


すると涼の上下へ打ち分けるストレートがボディに入る、涼は逃がすまいと踏み込みフックを打ち込むが、逆に僕はガラ空きのボディにアッパーをお見舞いする。

すると涼は顔を歪めた。


僕は決めに入った。


右でボディへのフェイントを入れ、左のストレートが涼の顎を撃ち抜く更に返しの右フックが涼のテンプルに直撃する、しかし涼は倒れない。


するとだんだん僕の体が鉛のように重くなり言うことを聞かなくなってきた。

僕は【またか!】そう思った。


僕は以前、体育祭の時に筋肉に異変が起きて入院していたのだがその時と同じ様な症状が出てきたのだ。


僕は焦り勝負を急いだ。


僕のボディアッパー、フック、ストレートが涼を打ち抜く。


僕の体も限界だった。


【早く倒れろ!倒れてくれ!】そう願いながらラッシュをかけていると、おっちゃんが勝負を止めた。


この時、まだ僕は何がなんだか分かっていなかった。


僕の体の異変に気づき止めたのかと思ったが、おっちゃんが、『デコ坊、お前の勝ちや』


、、、僕が勝った、一瞬良く分からなかったが、ひしひしと感情が身体全身に伝わり、

僕は嬉しさのあまり雄叫びをあげた。

『オッシャー!!涼に勝ったぞ!!』


しかし涼が僕に『バカ、卒業祝いに負けてやったんや、やからまたやろう』

と僕と涼はまた勝負の約束をした。


しかしこの時はまだ僕は命に関わる病気だと知らずにいた。







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