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プロローグ〜孤独な守り人〜
「いやぁぁぁ!」
「魔物よぉ!!」
小さな町に突如として現れた巨大な魔物。奴らは人間を見境なく襲い、その血肉を貪る。
恐怖に逃げ惑う人々を庇うように飛び出した少女は、大きな剣を構えていた。
「守らなきゃ......私が!」
少女が腕をのばし、魔法を唱える。その魔法は風となり、風属性が弱点の魔物の身体を容赦なく引き裂いた。
また少女は反対方向へ手をのばす。魔法は水となり、水属性が弱点の魔物の身体を沈め、息の根を止めた。
今正に小さな子供を喰らおうとしていた魔物を大剣で勢いよく切り裂き、かと思えば少し先で襲われていた恋人たちをその剣で救った。
酒に酔い、腰を抜かした男を襲った魔物は、少女の土の魔法により打ち砕かれ、砂と化した。
魔物たちはたった一人の少女に敵わないことを悟り、一匹、また一匹と逃げていった。
少しずつ、町に平穏が戻ってきた。
魔物が完全にいなくなったことを理解すると、家に避難していた人々が飛び出してくる。魔物に襲われ、今正に助かった者の家族は、涙を流し命があることを喜んでいる。
少女は大剣を背負い、歩き出した。
たった一人で町を守った少女を見る者は誰一人としていなかった。




