詩全集3 灯の在処 作者: 那須茄子 掲載日:2025/09/08 夕立ち 軒下にひとり 濡れた靴を脱いだ僕に 遠くで誰かが呼ぶような 風が揺れた またひとつ夢を捨てて 心は空っぽになる 踏み出せなかった境界線の先で 君が手を振る 君と目が合って声が重なるたび 胸の奥の奥 誰にも触れさせなかった場所が そっと開いていく どんな言葉でも足りないほどの 無防備な笑顔 全てが僕の灯り 君の瞳が夜を照らす星になる まっすぐでやさしい 僕は導かれていく どうしようもないくらい 自分でも戸惑うくらい もうこの手を離せない