目を覚ましたら……
初めまして。
今回小説家になろうで活動を始めました、刻々刻です。
粗末な文が目立つかと思いますが、よろしくお願いします。
「…は?」
俺はしがない大学生だ。地元の大学に今年入学し、一人暮らしをして生活している。
これといった夢はない、パッとしない奴だが、友達はそこそこいるし、一人暮らしのおかげで趣味のゲームを親に注意されることはなく、思う存分に遊べるため、今の生活に満足している。
そんな平凡な俺は、気がついたら森の中にいた。
いつものように布団で寝たら、知らない森の中にいるとかおかしいだろ。
一瞬、夢でも見てるのかと思った。
「いや、夢じゃねえなこれ。降り注ぐ日の光。地面と草の感触。現実だこれ」
しっかりと感じる五感全てから、これが現実であると認識させられる。
というより、こんな所にいるのもおかしいが。
「なんか、俺の声じゃなくね? 服装もこんな…うわっ、厨二臭ぇ服装。それに、刀もあるし」
長袖の黒のコートを着ており、手には穴の空いた黒の手袋をつけている。
腰には鞘が白い、刀が一本ある。声も今までの俺のものとは、全く別物だ。
「……待てよ。この服装、この声。なんか凄く見覚えがある。まさか!」
俺は急いで腰にある刀を抜き、その刀身の反射を利用して自身の姿を確認する。
その顔は俺のものではなく、顔立ちの良い黒髪、黒目の男がいた。
というか、やっぱりそうだ。
「これ、俺のアバターキャラじゃん!」
見覚えがあって当然だ。
これは俺のお気に入りゲーム、『MIDNIGHT』というVR型MMORPGの自分のアバターキャラだ。
プレイヤー名は『イツキ』。
リアルネームから取った。名前を入力するゲームはこれを使ってる。
種族は『人間』。
そして職業は『バトルマスター』。古今東西、あらゆる武器に精通し、極めることができる。
(おいおい、目が覚めたらゲームのキャラになってるなんて……もしかして、異世界転生ってやつか?)
昨日はいつもと変わらない日常を送っていたはずだ。
午前で大学を終え、そこから夜中までずっとゲームをして寝たはず。
異世界転生系の作品のように、神様的な存在とは一切出会ってないはず……いや、最近はそういったものと会わないものもあったような。
「いや、そんなことは置いといて……この姿になったってことは、ここは『MIDNIGHT』の世界なのか?しかし、こんな場所あったか?いや、似たような部分も……」
辺りを見渡すが、木々に囲まれており、森の中のどこかということしかわからない。
そもそも、本当に『MIDNIGHT』の世界なのだろうか。
「まずは定番の確認だよな……『メニュー』」
ゲームと同じように人差し指を右に流す。
すると、ゲーム内と全く同じメニュー画面が表示される。
(いや……僅かに違う)
メニュー画面には、アイテム、ステータス、スキル、マップ、オプションが表示される。
それら全てを覗き、ゲームとの差異をいくつか発見する。
まずアイテム画面には変化がなかった。俺がこの『MIDNIGHT』で得たアイテムは全て揃っており、お金も持っている。
これは正直かなりありがたい。
回復アイテムはもちろん、貨幣は当然大事だし、生活必需品も揃っている。
まぁ、ランプやテントといった現実と比べると生活水準は大きく下がるが、ないよりましだろう。
続いてステータスとスキルだ。
ステータスに表示されるプレイヤー名と種族には変化がなかった。
しかし、この画面にはいくつかの違いがあった。
まず、装備品は最後につけていた装備のまま。効果もそのままだ。
しかし、種族の下には職業が表示されるはずが、何故かその欄ははじめからなかったかのように消えていた。
問題はステータスだ。
まず、LVだ。俺のこのキャラのLVは最大LVの300。
最新バージョンにおける最大LVであり、その際には『LV300/300』といった表示がされる。
左の数字が最大まであげられるLVを指し、右が現在のプレイヤーのLVを表している。
本来はこう表示されるはずが、今は『LV300』となっており、最大LVの表示が消えていた。
ステータスはHPとMP、攻撃、防御、俊敏、知識、幸運に別れており、これらも数字で表示される。
俺はバトルマスター、その中でも特に攻撃に極振りしたステータスにしており、攻撃と俊敏がずば抜けて高いが、それ以外のステータスはあまり高くない。
特にMPと知識はLV300の中ではかなり低い方だ。
しかし、これらのステータスはそもそも数字どころかステータス画面に反映されていなかった。
これではゲーム通りのステータスか確認が取れない。
スキルは戦闘や探索などに役立つ固有の技術であり、これは最大LV10まであげることができる。
これはプレイヤー自らが何を上げるか選ぶことができる、いわゆるスキルタワーになっている。
これも確認すると、ステータスのLV同様、『LV10』と表示されていた。
とりあえず、自分が獲得したスキルは全てそのままだった。
そして問題はマップとオプションだ。マップは現在の自分のいる場所、そして世界の地図を確認し、ファストトラベルに使えるものだ。
オプションはゲームの設定を変えたり、セーブとロード、そしてログアウトができる画面だ。
「ははっ。マップはまだ百歩譲って良いとして、オプション画面も存在しないか……」
オプション画面がないということは、ログアウトを選べない。
つまり……現実世界に戻る術がない、ということになる。
「いよいよこれが、現実のことだって認識させられたな……とりあえずはここから出るか。人と会えるといいけど」
こんな感じで、俺の異世界での生活は始まった。
さーて、果たしてどうなるやら……。