第6話 決着のその後
今回結構短いです。
美咲はこちらに向かって走ってきている。他のメイドや執事、ボディーガードは慌てた様子で美咲について行っている。
そして到着し少し疲れた様子ではあるが俺の肩に手を置き言った。
「流石、海斗ですわね。やっぱり私の勘は当たっていたんですわ」
と言ってきた。勘というのはアレだろう。俺から特別な力を感じるとかどうとか言ってた奴だと思うが俺にそんな力はないと言うと美咲は
「謙遜は良いですわよ〜」
と言ってきた。正直イラッとしたのでわざとらしくため息をつくと、
「なんなんですの?そのため息」
とムスッとした顔で言ってきたので少しスカッとしたのは内緒だ。
そんな話からは変わり、さっきの戦闘の話に切り替わった。
「なんで最後の最後に手を抜いたんですの?」
美咲の目はキリッとしており、さっきとは別人のような気配になっている。玲奈は動揺しており何も言わない。あの時攻撃を止めたことは俺も気になっていた。だって俺はただ睨んだだけ、それなのに急に攻撃を止めた。今思い出すと顔色を悪そうにしていた。だから俺は自分の推測を美咲に言った。
「多分、気分悪くなったんじゃないか?顔色悪かったし。」
「えっ?そうなんですの?」
慌てた様子で玲奈の顔を見ると驚いた顔をした。
「顔真っ青ですわ!働き過ぎかしら。とにかくすぐに休ませてあげないと!!」
「いえ、大丈夫ですよ、お嬢様。」
「大丈夫なわけないですわ!!そんな顔真っ青にして!!じいや。すぐに玲奈の寝室までお願いしますわ!!」
「了解致しました。玲奈、立てますか?」
「は、はい」
そう言って玲奈は竜二さんに運ばれて行った。
玲奈の顔が真っ青だと聞いて周りの従者達は驚いていた。
「あの玲奈さんが……」や「嘘でしょ……」などの声が聞こえた。玲奈はメイド長という役職があるからか周りのメイド達にも慕われていたからか驚愕している人が多くいた。
「えーと、色々とありましたが海斗の部屋に連れていきますわ」
「本当に色々あったがまあ行くよ。」
と言い沢山の従者がそこに残ったまま庭から家に戻り美咲に連れられるのだった。
私は竜二さんに連れられ、私の寝室に到着した時、竜二さん急に口を開いた。
「あの男がそんなに怖かったですか?」
その問いにびっくりし、反射的に身体が飛び跳ねてしまった。
「やはりですか……。あの男、海斗殿は私よりも強いでしょう。」
「……えっ?そこまでですか?アイツの強さは」
私は今驚いている。竜二さんが自分から相手の強さを褒めることなんて滅多にない。私も褒められたことなんて片手で数えるぐらいしかない。だからこそ竜二さんが言った海斗殿は私よりも強いでしょう、その言葉が真実味を帯びる。
「貴方は気づかなかったでしょう?あの方は貴方相手に手加減をしておりました。貴方をなるべく傷つけないように、いや他に目的があったのかもしれませんがとにかく手加減していたのは確実です。所々の攻撃は対処し、ほぼ全ての攻撃をわざとギリギリで避けていたおりました。そして、最後は貴方を威圧し、戦闘は終了致しました。どうです?彼がどれだけ強いのか理解できましたか?」
理解はした。だがそれを信じたくはなかった、いや信じられなかった。あの男の行動が全て演技だったなんて。
「アイツは……何故そんなことを……」
「能ある鷹は爪を隠すって言うじゃないですか。多分そういうことなのだと思いますよ。」
竜二さんが言ったことを聞いて納得した。力は見せつけても意味は無い。ここぞと言う時に使うものだ。それを私も理解しているため余計に納得してしまう。だが信じられないのは本当だ。だから言った。
「それが本当なのかはいつか確かめたいと思います。」
「そうしてみてもいいかもしれませんね。でも今日はもう寝ていた方が良いでしょう。」
「でもまだ掃除や、庭の手入れ、お嬢様のお料理を作らなければならないのですが……」
「それは私がやりましょう。いつも貴方ばかりに任せているので今日は私がやりますよ。ホッホッホ。ではごゆっくり。」
そう言って微笑んでくる竜二さん。私は「ご迷惑をお掛けしてすみません」と言い残し、寝室に入って行った。あの男は本当に何なのだろう……。そんな疑問が私の頭を巡ったのだった。