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第4話 四条園部流と松平氏

 極めて中途半端、打ち切り的な完結になりますが。

 私の知識ではこれが精一杯でした。

 ネット情報を色々と当たっていると、四条流の分かれである四条園部流の園部和泉守が、松平氏に仕えており、そう言った縁から江戸幕府の台所は、四条園部流が司るようになった、という記述が複数、見受けられます。

 しかし、この情報ですが、私の視点から見れば、幾つか不思議な点があります。


 それこそ半ば公知の事実ですが、徳川家康は幼くして父の松平広忠を失っています。

 そして、園部和泉守が松平氏に仕えていた、とは記載があっても、徳川家康(松平元康)に仕えていたのか、それとも、それ以前の松平広忠や松平清康の頃から仕えていたのか、記載が見当たりません。

 何故に、誰の頃から仕えていたのか、がぼかされているのでしょうか。

(最も本多正信の出奔から帰参の時期が不明確等、意外と徳川家の家臣の来歴は不明確な方が多いのも事実なのですが)

 以下、勘繰り過ぎ、とご叱正を受けることを覚悟して、この辺りの推測を私なりにしたいと思います。


 本来から言えば、松平氏が庖丁人を雇おうと考えれば、三河出身である大草氏が伝える大草流の庖丁人を雇うのが筋の筈です。

 それこそ、大草流は足利将軍家の台所を本来は預かる庖丁道であり、武家の庖丁人としての格式は抜群としか言いようが無い存在です。

 更に同じ三河出身という縁もある。

 松平氏が庖丁人を雇おうとすれば、大草流になるのが普通に思われるのです。


 この辺り、室町時代も下る程、大草氏は三河以外、例えば若狭等に根拠を移しており、15世紀後半に至って三河の本拠地を大草氏は失ったことから、松平氏とは縁を失った、という反論がありますが。

 そうはいっても、仮にも足利将軍家の台所を預かっていた大草氏が、完全に三河との縁をそう容易く失うだろうか、という疑念を私は覚えますが、この辺り、松平氏が勃興しだすのは15世紀後半になってからになりますから、そういった時代の流れからすれば、大草氏の没落と松平氏の勃興がすれ違った可能性がありますから、反論の方が正しいのかもしれません。


 そして、次に考えねばならないのが、園部和泉守が松平家の誰に、何時頃から仕え始めたのかです。

 私としては、1560年代後半頃に松平元康から、徳川家康(松平元康から松平家康へ、更に松平家康から徳川家康)へと改名していく中、園部和泉守が徳川家康に仕え始めた公算が高い、と踏んでいます。

 その理由ですが。


 この前後に徳川家康は、朝廷と交渉の上で官位等を授かっていることです。

 既述のように、庖丁道は教養の一つとされていました。

 朝廷と交渉するとなると、教養を整えるのが必要不可欠であるとして、徳川家康は園部和泉守を雇うことにしたのではないでしょうか。

 また、徳川家康の部下も、朝廷との交渉に必要という事情なら、と園部和泉守を雇うことを納得したのではないでしょうか。


 更に言えば、官位等の自称をしていたかもしれませんが、徳川家康の父の松平広忠も、祖父の松平清康も生前は朝廷に認められて官位等を得ていた訳では無く、公式には無位無官でした。

 こういった状況の松平氏が、庖丁道を学んで、朝廷との交渉に役立てようとするとは考えにくく、そういったことからも、園部和泉守は徳川家康から仕え始めた、という公算が高いと私は想うのです。


 更に憶測を重ねれば。

 園部和泉守を徳川家康が家臣としたのは、当時、藤原氏を徳川家は仮冒していたというのもあるか、と思われるのです。

 何しろ、四条流は藤原氏を起こりとする庖丁道になります。

 そういったことからすれば、藤原氏の流れをくむと主張する徳川家にしてみれば、庖丁道としては四条流か、その分家が相当、という発想から、園部和泉守が家臣になったと私には思われるのです。

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