第4話 戦いに備えよ
ぼちぼちキャラも固まりつつある。
「一式自動小銃。
こいつは平征元年に国防隊で正式採用された緋ノ本でもっとも流通しとる銃じゃ。
口径は7.8mm装弾数は30発ここにあるのはバレル前方のハンドガード4方向にマウントレールが取り付けられた最新モデルで用途に応じてアタッチメントを付け替えることで多様な任務に対応できる信頼の一品でまあここに来たばかりで分からんことも多いと思うが迷ったらこれ選んどきゃ間違いないわ」
さて、
僕らは宴会中に舞い込んだ次のクエストに備えて絶賛準備中だった。
頼んでもないのに付いてきたドワーフ顔の少佐は頼んでもないのに武器屋に同伴して頼んでもないのにオタク特有の早口で武器の解説を始めて非常にうざい。
ていうかこの国ホームセンターに銃が売ってあるってどれだけ治安悪いんだ。
緋ノ本の人間は日本人に似ているのは顔だけで中身は開拓時代のピルグリムファザーズとかそのへんの人種だと思ったほうが良さそうだ。
ドワーフ顔が見せびらかしてる銃の値段は・・・
10500縁。
安いな!?
今の僕のポケットマネーの10万+臨時収入100万縁で余裕で買えるぞ。
他の銃は、
10万、20万、50万、似たような形なのになんでこんなに値段が違うんだ?
「それはライン生産による量産効果によるもんじゃ自動化されたラインで部品を大量に生産することで一挺あたりの単価を薄めることができるんじゃ更に規格を統一することで弾薬も大量生産できそれにより弾薬の入手性も格段に向上するつまり銃に関しては価格が安いものほど使い勝手がいいということなんじゃ」
いやほんと暑苦しいなこのおっさん。誰か黙らせろよ。
「ふむ、後装式・・・それも旋条式銃身ですか・・・緋ノ本の技術は大したものですね・・・」
「大先生殿の世界では一般的ではなかったのですか?」
おお、ちっこいおっさんがヘイト管理してくれた!走ればすぐバテるし戦闘では全く役にたたないけどデコイとしてはかなり優秀だ。
「私の世界では旋条式は連邦軍の精鋭部隊に一部配備されているのみでした。私が従軍していた頃の州軍では触ることすらできない宝物でしたね。後装式については可動部の強度の確保ができず実用化は100年先だと言われていまして・・・」
「実のところ緋ノ本でも強度の課題は解決できていません。なので弾薬の側に細工がされています。可塑性の金属の薬莢に装薬を充填し発射時は内圧で塑性変形した薬莢が隙間を塞ぎ銃身の損傷を防ぎます。そして発射後は変形した薬莢を薬室外に排出することで連射を可能にしているのです」
「そのようなアプローチがあったとは・・・勉強になります」
「いえいえ、小職が力になれるのなら光栄です」
「ではこちらの銃についても教えていただきたい」
「その銃は62式汎用銃ですね。これは可塑性繊維のケースに入った散弾を
「つまり喇叭銃ですね!これも連射が可能なんですか?」
「連射方式は自動小銃と異なっていて直線式と回転式の2つが主流です。直線式は機構が頑丈で伏射や塹壕内での運用に強く回転式は用心金を兼ねる槓杆を支点にして回転させることで片手で次弾装填でき、騎乗した状態での運用が可能です」
「ふむ・・・ではこちらは?」
ああ、おっさんがおっさんを連れてってくれたおかげで静かになってよかった。
「朝陽、ハーピー殿、お二方を頼みます」
しかも代わりに女の子をあてがってくれるなんて・・・。生まれてはじめてこのドワーフ顔を尊敬したね僕は。
「ん・・・」
僕の方に来たのはタレ目で気の利かない尻のでかい朝陽ちゃんだ。
違うそうじゃない。
僕が狙ってた美人で気配りできて優しいハーピーさんはチビのヤンキーの方に行ってしまった。
おいそこのチビ、トレードしようぜ。
シカトかよ・・・。
こうなれば仕方ない。
男というものは時に配られたカードで勝負しなければならない時があるということだ。
「ねえ、朝陽ちゃんはどれがいいと思う?」
僕は気の利かない朝陽ちゃんに知恵を授かることにするぞ。
「それ」
そう言って僕がドワーフ顔に押し付けられたなんとか自動小銃を指差した。
早いな。
「なんでこれがいいと思うのかな?」
「だって教官がええ言うとるもん」
だめだ、この子全く頼りにならない。
まあ、武器に関してはもうこれでいいか。安いし、それも他のやつより一桁近く。
そうなればあとはアタッチメントがつけられるって言ってたな。
せっかくだし色々見てみるか。
「はい」
と思ったら朝陽ちゃんが色々集めてくれてた。
これもあのドワーフ顔のオススメかと訊いたらそうだと言う。
まあ見てみようか。
・タクティカルスリング:4500縁
・バーチカルグリップ:5000縁
・マグネット式ラッチ:150000縁
・予備弾倉入れ:15000縁
・光像式照準器:1500000縁
高っ!?
照準器高ッッ!!
なんで銃本体より付属品の方が高いんだ?
「これ、教官が最新型って言っとった」
いや予算オーバーしてるし。
「これはいらない」
こんなに高いのはさすがに手が出ない。朝陽ちゃん悪いけど返してきて。
「あんた教官に文句があるんね!?」
・パッシブスキル:自己防衛。
なんかいきなり朝陽ちゃんがキレた。
自己防衛で床に転がると同時、朝陽ちゃんは背中に背負っていたごつい薙刀でさっき僕がいた場所を床ごと叩き潰した。
うわ、何だこれ一撃で床に大穴が空いたぞ!?
自己防衛なかったら今ので『即座に死亡が確認』レベルの大ダメージだぞ。
キレた朝陽ちゃんは黄色に変化した髪を振り乱して僕を叩き潰そうと襲いかかってきた。
まずい転がってるから次の動きができない。
「朝陽、やめんさい」
ドワーフ顔が制止して凶悪な薙刀が僕の顔面の数ミクロン手前で止まった。あ、あぶねえ。
「すまんのう・・・ありゃどうも人見知りで、俺にしか懐かんのよ」
いや違うだろ、ていうかあの子沸点低すぎだろ!?なんなんだよ!?
「朝陽、少し頭を冷やして来んさい」
ドワーフ顔に叱られてしょげ返った朝陽ちゃんはトボトボと店の外に出ていった。
「チッ」
殺しそこねた僕に怨嗟の舌打ちを忘れずに。
「あ、さっきの照準器以外ください」
さっきは命拾いしたけどこの幸運は2度は続かなそうだ。
さっさと精算してここから逃げよう。
「まいどあり」
剃りこみ入れて眉毛剃った明らかにカタギじゃなさそうな店員が勘定を済ませる。
「まただよ・・・今日は『姫』は暴れないと思ったのに・・・」
店員は威圧感たっぷりの顔で情けない声でぼやく。
床を壊されるのはよくあることなのか・・・。
「修理代は少佐殿が出してくれるけど少佐殿の手を煩わせたとなれば憲兵隊に目ぇつけられるしよぉ・・・勘弁してくれ」
苦労してるな。そりゃ顔つきも悪くなるわな。
さて、自分の買い物が終わったから次はハーピーさんのとこ行って癒やされよう。
そう思ってちょっと歩いてみればなにやらチビのDQNがハーピーさんに突っかかってる。
「ごめんなさい・・・私、銃火器には詳しくなくて・・」
「ケッ、なんだよ使えねえ、ヘブっ!?」
おっと手が滑った。
なめた態度取っていたアホの顔面にさっき買ったなんとか銃の肩当てをフルスイング。
うずくまったDQNの後頭部を鉄板入りの安全靴で押さえつけて強制土下座させる。
「先程はうちのバカが申し訳ありません。彼の装備は僕の方で選定しますのでご安心ください。
この、えっと、なんだ、まあ銃はなんか安くていいらしいですよ」
「そうなんですね」
まあこのチビにハーピーさんを取られたままなのは癪に障るからここで奪還しとかないとな。
まあこのバカには僕が買ったやつと同じの渡しとけばいいだろう。
「こちらも片付きました」
糞、絶妙なタイミングでドワーフ顔が来やがった。おっさんもう少し引き止めてくれよ。
期待をかけてた大先生はなんとか銃の他に色々買ってきてた。
その中から短い銃を一つ見せびらかす。
「散弾銃です。次の仕事は閉所になるので接近戦で有利になると思います。取り回しやすいように銃身を切り詰めているんですよ」
いや別に聞いてない。
「あとは自動小銃用の装備として擲弾筒、投光器、銃剣、二脚を人数分買っています」
「あとはゴーグルもあったほうがええ、目はデリケートじゃけえな。特に『タカの目』が使えるお前は生命線じゃ、絶対に目を失うわけにいかん。『タカの目』があれば暗視装置、赤外線、動体探知の代替ができるが、それは『タカの目』を失えばそれらすべてを喪失するのと同等の損害になりうる」
そう言ってドワーフ顔はゴーグルも勧めてきた。
これはまだ会計してないチビの財布から出そう。
「さて、そろそろ次行くか。朝陽、いい加減戻り」
いや、僕ら結構荷物持ってるんだけど、これ担いで歩くのか!?
と思ったらちっこいおっさんはリヤカーも買ってきていた。
よし、僕は荷物の見張りをするから荷物の運搬はあとの二人に任せた。
「ここにあるのは龍脈整流装置といって人為的に龍脈に鑑賞することで理力の流れを制御し新たな流路を生成する装置、ベルンハルト財団から買い付けた一品じゃ。早い話金払ってこの椅子に座れば新しい奇跡が手に入るぞ何が覚えられるかは個人差はあるがな今回は一回50万縁じゃ」
金とるのかよ。
「その機械、本来なら一回1億縁は下らない設備ですよ?この機械のおかげで昔は10年かかって覚えるような奇跡もお金を払えばすぐ覚えられるというので外人部隊でも借金して使いに来る人がいるんです」
ハーピーさんが補足する。
まじか、このパイプオルガンにマッサージチェアを繋げたような機械がそんな高級品なのか。
「私は手持ちが足りないですね・・・」
おっさんは武器に夢中になってて金が無いみたいだ。
「オレも金ねえよ」
こいつにはドワーフ顔が勧めてきた照準器を買わせたからな。
タレ目デカ尻薙刀女が睨んできたから機嫌取っとかないといつクレーターにされるかわかったもんじゃない。
というわけで財布の管理ができてる僕が1億縁の椅子に座るとするかな。
マッサージチェアに座るとドワーフ顔がオルガンっぽい機械を操作し始めた。
「よし行くぞ、ポチッ」
同時、椅子が急激に僕を締め付けてガッチリホールド。
「いでっででででで!?」
ついで椅子から飛び出したホースっぽいものがハンコ注射の針みたいな先端で僕の全身をつつきまくる。
「痛い痛い痛い」
さらに宇宙服のヘルメットみたいなのが頭にかぶさってなんかよくわからない音と映像をかき鳴らす。
うるさくも静かでもなく快でも不快でもない情報が流れ込み、目の裏側がなにか広げられるような奇妙な感覚。
「よし終わった」
「ぶべ!?」
一通り終わったら拘束が外れ、僕は地面に放り出された。
「いやーうまく行ってよかった。こいつは事故って渡来人5人殺して廃棄処分になったやつを俺が買い取って修理したやつなんよ。ちゃんと動くか不安じゃったがこれで実用の目処が立ったわ」
ちょっと待てよ、それ僕が6人目になる可能性があったってことかよ。
「危なかったら『自己防衛』が発動するけえ心配せんでええぞ」
この野郎・・・。いつか頃してやる。
「お・・おい、大丈夫かよ・・・」
無駄に肩こりが取れた体を起こすとおっさんとチビDQNが近づいてきた。
アクティブスキル:分析
NAME:ジークフリート・ヴィルヘルム・アントニウス・ブルクドルフ・フォン・ケーニヒスベルク8世
SKILL:制地 目印 ???
BUFF:炎耐性
なんかステータス画面みたいなのが出てきたな。これが新しい奇跡の効果か。
でも名前と知ってる奇跡しか表示されないのか。
使えそうで使えないな。
「お、おい・・・」
DQNを見る。
NAME:イリーナ・ミハイロヴナ・ガガーリナ
SKILL:調教
BUFF:自動回復 ???
なんだコレ?
「分析は絶対じゃない。使用者が知識として知らん情報は出てこんし、覚えたてじゃ精度もようない。出た情報を信じ過ぎちゃいかんぞ」
ああ、そういうこと。
名前くらいはアテになるかと思ったけどこれじゃほぼ何も信じられないってことじゃん。
「金がありゃまた来るとええで。他の旅団にもあるにはあるが渡来人に貸すんを嫌がるけえな。外人部隊でも導入の予定はないそうじゃ」
ああそうかい。あいにく僕は金払ってまで触手と戯れる趣味はないからこれっきりだな。
「こいつはアルバトロス。チルトローターで回転翼の角度を変化させることで回転翼機の短距離離着陸性能と固定翼機の巡航性能を両立した多用途機で積載重量は従来の兵員輸送回転翼機の2.5倍を誇りつつ中型輸送機に匹敵する行動半径があり緋本原では12機が運用され旅団内の企業で使用しているものを含めると
僕らは今翔んでいた。
ドワーフ顔のおっさんの早口をBGMに下を見るとさっきまでいた緋本原旅団の全景が見えてくる。
石垣を積んだ台形の上に台形を重ねていく昔の日本の城の復元図みたいな作りだ。
そこから外を見れば山と道、そこからだだっ広い荒野が広がる。
僕らが向かうのは荒野を越えたところにある採掘場で、眼下にある線路をたどればたどり着けるそうだ。
その線路にはごつい列車が煙を出しながら進んでいる。
なんだこの世界、電化されてないのか?遅れてんな。
そう思ったらどこから湧いたのかサンドバギーの大群が列車の前に押し寄せてるぞ。
こないだの転売屋かな?
そうかと思ったけどサンドバギー共は列車の進路に脚立を組み立ててカメラをパシャパシャ。
そして列車に撥ねられた。
「何がしたかったんだあいつら」
列車に突っ込んで死んだバカが列車に轢かれたバカを小馬鹿にする。
「護さん、あれは?」
「撮り鉄です」
ハーピーさんの問いにドワーフ顔が特に珍しくないというような平坦な声で答える。
「どこからか湧いてきて列車の写真を撮りつつ破壊工作を行う連中です。鉄道の電化が遅れているのはすべてこいつらが原因ですね電線張ってもこいつらが電線を切るんですよ。
兵隊を貼り付けておくのもコストがかかるので問題になっています」
列車に撥ねられずに済んだ撮り鉄は罵詈雑言を浴びせながら列車に近づくと列車はそれに答えるように停止。
そして小さい窓から飛び出した機関銃が群がった撮り鉄をなぎ倒した。
「旅団の者には撮り鉄は見つけ次第殲滅するように通達しています。生かして返した場合撮られた写真が転売屋や中央政府の間諜の手に渡る危険があるためですね」
撮り鉄共は機関銃の掃射を浴びるのも構わずカメラをパシャパシャしてるが、すぐに弾に当たってパシャパシャしなくなった。
静かになったところで今度は火炎放射器が死体を焼く。
あ、死体の一部が起き上がってヨタヨタ逃げ始めた。
死んだふりしてたのか図々しい奴らだ。
大半はこれで炭になったけどそれでも生き残った撮り鉄はサンドバギーにまたがって逃げようとしている。
線路の上しか走れない列車はこれ以上の追撃はできないと思っていたけど列車はちゃんと対策していた。
貨車の一部が開き中に積まれていたジープが横に滑り落ちて逃げる撮り鉄を追い回す。
乗ってるのは芋ジャージのオバハンだ。
「銀さんが輸送列車の護衛を買って出てくれて助かります」
ああ、このドワーフ顔、芋ジャージをそのまま帰すつもりはなかったのか。
「シルベリーさんには私が頼んだんです。半年前に貸した500万縁をそろそろ返してくれるのか訊いたらすごく目が泳いでて・・・。そしたら来週まで待ってくれって言って」
訊かれるまで忘れてたなあの芋ジャージ。
ていうか500万縁って、どのくらいだ?
「旅団の兵卒の一年分ですね。銀さんくらいの実力ならすぐに稼げそうなものですが・・・」
「そうなんですけど、あの人なぜかお金がないんですよ。私の他にもストームさんや他の人からも借りてるみたいで・・・。半年前に外人部隊内でサイクロプスさんとシルベリーさんに金を貸すなという通達が来たんです」
なんて金にだらしない奴らだ。
「それでシルベリーさんは返済終わるまで前線から外されてましたし、サイクロプスさんは返済のためにグレーな依頼も多数受けてましたので、目付として私が補佐につくことになってました」
それで村でのドンパチか・・・。
「小職としてはお二方が来ていただいて助かっていますよ。サイクロプス殿は作業員から慕われているようで、連行した治田の住人も問題を起こしていません。いつもは派閥ができて紛争になることがあるんですが・・・」
「サイクロプスさん、そういうところしっかりしてますから。敵を作らないんですよあの人。生前、傭兵だったときに部隊の仲間同士で殺し合いがあったらしくて・・・」
「そうですか」
ドワーフ顔は何やら思案顔をした。
何か思うところがあるのか?
まあいいか。
地上では逃げ回る撮り鉄を芋ジャージの2台の全自動ジープは手際よく駆逐、最後の一人を機関銃でミンチにし、そして地雷を踏み抜いてジープごと空中に吹っ飛んだ。
「返済は当分先になりそうですね」
「列車が無傷で良かった」
ハーピーさんは呆れたような口調で眼下を見下ろしている。
「ハーピー殿は、釈放後のことは何か考えていますか?」
「いえ
「もしよろしければ、ハーピー殿を我が緋本原旅団の専属として雇用したいと考えていまして・・・。福利、給金については士官相当の待遇を約束しますよ」
このおっさん、ハーピーさんへの下心を隠そうともしないな。
これだからモテない中年は、ああはなりたくないね。
そう思ってハーピーさんを見ると、
「ごめんなさい、少し、考えさせてくれませんか?」
ええ・・・。
なんでそんなまんざらでもなさそうな顔してんの?
「保釈金の支払いが終わるまでには、必ず答えを出しますので」
「返事は急ぎません。待遇に不満があれば交渉に応じる準備があります」
この様子が僕以上に不愉快な人間がいた。
朝陽ちゃんだ。
恐ろしい形相でハーピーさんを睨んでる。
こめかみの辺りには血管がびっしり浮き上がってる。
女の子がしていい顔じゃないな。普通にしてればそれなりに可愛い顔なんだろうけど僕はこの子の普通の顔を命がけで見る気にはならない。
暴れたらドワーフ顔に怒られるとでも思っているのか、ホームセンターのときみたいに暴れないけど、薙刀を持ってる手からも血管が浮き上がり薙刀は床にめり込んでた。
やべえなこれ。無事に地上につくのか?
周りを見ると大先生、ちんまいおっさんはパラシュートを装着してた。
DQNはなんかビビってうろたえてる。何していいかわからないんだろう。
僕もちんまいおっさんにあやかってパラシュートを背負い、脱出経路、機体後ろのパカッと開く出口とその開閉スイッチの位置を確認しておくことにする。
そうして生産性のない緊張を味わってしばらく、緑の中に櫓の林が見えた。
「到着か」
ドワーフ顔がそういうと機体が大きく沈み込んだ。
「アルバトロスの長所はこの短距離離着陸性能にある。回転翼の角度を90度つまり真上に向けることで回転翼が生み出す推力を上下の移動に振り向けることができるこれをりようすることで滑走距離なしで着陸することが可能になるわけだがチルトの過程で一時的に固定翼の揚力を失いこのように機体が下降するため着陸態勢への移行は1000メートル以上の高度を維持して行うことをマニュアル化していて
いやそれもういいから。
To_be_Continued.