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迎撃せよ、異世界防衛戦線  作者: ミネアポリス剣(ブレイド)
Prinz_Eugen
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Prinz_Eugen_3

更新したよ

各キャラの設定として

セシリア:8歳→19歳(現代)

アリシア:13歳

ヴァルター:28歳

お父様:28歳

お父様:28歳

オイゲン:20歳


東城少佐:32歳

楠大尉:30歳

敷島朝陽:16歳


となります。

次回異世界到着になります。


Prinz_Eugen_3




式は予定通り行われた。

純白のドレスは(わたくし)には大きくて手の先が袖の中に埋もれている。

「セシリア、それでは歩きにくいでしょう?」

お姉様がスカートを引きずらないように裾を持ち上げてくれる。

「アリシア!王女のお前がそんなみっともない!」

「別にいいだろ!やりたいようにやらせてやれよ!」

お父様とお義兄様は今日も喧嘩してる。


ーねえ見て、なにあれ、田舎者はやーね。

ー近づいちゃ駄目よ、田舎の匂いが移るわ。


イシュトバーン王国では(わたくし)達は歓迎されていない。精霊達がざわめいて教えてくれる。

「気にしなくていいわよそんなの」

(わたくし)が不安になってると気づいたお姉様が明るく声をかけてくれる。

「そうそう、行き遅れたババアの僻みをいちいち相手にしてたらキリがない。殿下は堂々としていればいい」

ヴァルターお義兄様は不安をかき消すようによく通る声で励ましてくれた。

通路でひそひそ喋っていた侍女達が一瞬静かになり、その後一番年かさの侍女に視線が集まって、年かさの侍女がそれを睨み返して侍女達は速やかに持ち場に戻りひそひそ話をやめた。

「な?俺の言ったとおりだろ?」

「ぷ、くくっ」

お義兄様が年かさの侍女を指さして、お姉様は笑いを堪える。二人のおかげで不安が和らいでいく。


ーそれに何?あの耳、亜人との『混ざり物』じゃない


「あ?」

年かさの侍女が持ち場に逃げ遅れた侍女に放った陰口にお父様が気づいた。

「おい何してんだ!」

「あのババア言わせておけば!」

お父様の礼服の袖から護身用の隠し杖が飛び出した。

魔法の発動には詠唱が必要、でもあらかじめ鉱石に完成した呪文を封じ込めることで素早く放つことが出来る。

お父様が編み出した無詠唱魔法。

それはお義兄様が止めるより早くお父様の杖から5つの光弾が飛び出し、年かさの侍女目がけて一直線に飛んでいく。

そこへ新たな乱入者が現れた。

お父様、お義兄様より少し若い大人の殿方、彼の右手が見えなくなると、お父様の光弾が全て消え去った。

「なんだ貴様!邪魔立てする気か!?」

「アリシア!殿下を連れて下がれ!」

お父様が次の魔法を準備、お義兄様が背中に隠していた短い剣を抜いて(わたくし)の前に出る。

「で、殿下!?」

殿方の出現で二人以上に慌てているのは侍女達だった。

侍女に殿下と呼ばれた殿方はお父様とお義兄様から視線を外すと年かさの侍女に向き直る。

「で、殿下、これは、その・・・」

真っ青になって何かを言おうとする年かさの侍女を一瞥した殿方の右手が消え去った。

次の瞬間には真っ青になった侍女の顔があった場所が真っ赤な血に変わり、真っ青な首が床に転がった。

「片付けろ」

静かな声に反応して周りの侍女が大慌てで首と胴体を片付ける。

「あの若造何しやがった!?」

「腰のヤッパ抜いて納めたんだよ、とんでもねー速さだ」

お父様とお義兄様の首筋から汗が伝っている。

ビリビリと痺れる緊張の後、殿方は腰の剣を鞘ごと床に置いた。

その上で、戦う意思はないと両手を広げて近づいて来る。

美しい人。

艶のある綺麗な銀色の髪、晴天の空のような蒼い瞳、端正に整った顔。

それがお父様よりがっしりとして、お義兄様より研ぎ澄まされた体に乗っている。

殿方はゆっくりと(わたくし)の前に来ると流れるように片膝をついた。

「私の侍女が粗相をして申し訳ない。私はオイゲン・ヨーゼフ・フォン・イシュトバーン。あなたを迎えに上がりました」

これが、(わたくし)の夫、オイゲン様との初めての出会いだった。




ー現在:緋本原(ひほんばら)



「車両よし兵員よし武器弾薬よし食料よし、少佐、出撃可能です」

「そうか楠、随分早かったのう」

「ええまあ、早く終わらせて息子の学芸会までには帰りたいので」

「やる気があって何より、作戦のおさらいをしようまずわしの祭壇から世界を隔てる壁に穴を開ける術式を展開その後はフレズベルク4輌で結界を張りつつ空間の狭間に突入するこの際気を付けるのは

「結界の範囲から出た車列は次元の狭間に放り出され消失する」

「よって移動は整然と陣形を崩さず行う必要がある分かったな?」

「了解、各員!陣形を組め!」

楠大尉が号令をかけると機動祭壇4輌が長方形に展開、その内側に各種車両が入る。

一番内側に食料、武器輸送車両その外側に兵員輸送車、さらに外側に偵察車両、機動装甲車が布陣。

「よし、術式を展開するぞ鳩村、燃素(フロジストン)を充填!神器(アーティファクト)をセット!」

「は!」

東城少佐の指揮車輌が慌ただしく動き回る。

人間の力で為し得ない大規模な奇跡(スキル)を展開するために製造された鋼の神殿がごうごうと唸る。

「オイゲン様・・・」

兵員室を改造した後部スペースでセシリアは成り行きを見守る。

あの方から預かった神器(アーティファクト)蒼空剣(セレナリア)は未だ眠りの中にいる。


ー眠ってたところで作戦に支障はないむしろわしらが必要なのはその理力と座標のデータだけじゃ起きて暴れんほうがむしろ都合がええわいw。


機械に拘束された蒼空剣(セレナリア)から理力が抽出され、コンソールに次々と諸元が入力されていく。

「これは・・・?」

この諸元が意味するところはセシリアには分からない。

分からないことが不安になって同じく兵員室で自分の装備を点検している敷島朝陽に問うと、朝陽は一度だけコンソールと神器(アーティファクト)を見比べて作業に戻る。

「問題ない。順調なんね」


断層無効化(ヘブン・ディバイド)


術式が展開。

朝陽の答えを裏付けるように車輌が移動を開始した。

加速で頭が後ろに引かれる感覚。

朝陽にとってはこういうことは別に珍しいことではないのだろう。

無感動に点検に戻ると点検が終わった長柄の武器を軽々持ち上げ、壁面のラッチに取り付けるとセシリアの隣に座る。

朝陽はセシリアより上背が低い。

しかし、よく肉の付いた体は間近で見るとセシリアより大きく感じる。

元の体格に恵まれているから己の体躯を超える武器を自在に操ることが出来る。

「食べ?」

朝陽は緑の迷彩服のポケットから個別包装された棒状の携帯食を出す。

「いえ、結構ですわ」

「ええから」

朝陽はセシリアが断るのも構わず携帯食を押しつけてきた。

朝陽はポケットからもう一つ携帯食を出すと口を大きく開けてかじる。

「外出たら戦闘なんね」

だからそれまでに食べておけと朝陽は言う。

セシリアは受け取った携帯食を見る。

旅団が兵員に一つづつ標準で配備しているこの携帯食は一本で歩兵一人が一日活動できるだけの栄養を持っている。

機導兵として肉体を改造された朝陽は活動時間の確保のため、兵員より多く持たされているようだ。

多めに持たされているうちの一つを分け与える。

本人としては、同時に動ける戦力を万全の状態にしたいという意図だろう。

東城少佐の愛人は冷静で合理的だ。

少佐には自分がいれば十分だと常に言い張っていても、少佐のために利用できるものは利用する。

そういう割り切ったところはセシリアは嫌いではない。

セシリアはもらった携帯食の包装を開き、先端を一口咥える。「は・・・む」

口に入れると乾燥した肉のような脂のような風味が口いっぱいに広がった。

固い歯ごたえと獣のような風味が口の中を暴れ回り、強烈な嘔吐感がこみ上げてくる。

「う、うぷ・・・」

「何しとんね?」

苦しむセシリアに気づいた朝陽がうずくまろうとするセシリアの顎を掴むと無理矢理上を向かせて口内の異物を飲み込ませる。

「う、ごく・・・」

十分かみ切れていない細い喉を無理矢理通して胃に落とすと、おなかの中にずっしりとした重みと全身にひどい疲労感が襲いかかってきた。

「はあ・・・はあ・・・」

体が重い。

おなかの中に意思が詰まったようだ。

「体よわ・・・」

朝陽は困った様子でセシリアを起こすと座席に座らせてセシリアが食べきれなかった携帯食を三口で食べきった。

羨ましい。

強い体。強い命。

(わたくし)にこれがあればあの方も喜んでくれたのに。


「座標特定!出るぞ!」

「総員!警戒を厳にせよ!」


断層を抜ける。コンソールの数値の更新が止まる。




くそ、あの少佐また厄介な案件持ってきやがった。

鳩村上等兵は操縦席で毒づく。

ペリスコープから見える外は気色の悪い気体とも液体とも着かない何かしか見えない。

「取り舵30度その後1分直進し面舵60度その後5分直進。

東城少佐はコンソールの数値を眺め乍ら鳩村に指示を出す。

この数字の意味が分かるのは少佐だけ。

うさんくさい上司にうさんくさい機械、しかし、鳩村はその二つをアテにするしかない。

それがとてつもないストレスだった。

楠隊長はなんで平気なんだ?

ていうか旅団のやつらもなんで文句も言わず従ってんだ?

鳩村は旅団に馴染めなかった。

最初の任務で敵前逃亡して旅団に処罰されそうになってたところを企業から来た少佐に拾われたが、ここにもどうやら馴染めないらしい。

「座標特定!出るぞ!」

「総員!警戒を厳にせよ!」

東城少佐の歓喜の声と、楠大尉の無感動な命令。

視界が晴れる。

ペリスコープに映るのは開けた平原、緑の野原。

そこを埋め尽くす外来種の大群。

「敵襲ーーーーーーーーーーーーーー!」

誰よりも早い鳩村上等兵の悲鳴が操縦席に響き渡り

「やかましい!」

東城少佐が鳩村の頭を蹴飛ばして戦端が開かれた。




to_be_continued


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― 新着の感想 ―
いきなり侍女を斬りつけるなんて蛮族じゃねーか!(`・ω・´) それとロリを成長させるのはどうかとぼかぉ思うね! 鳩村さん、フラグが立っているけどタヒんでしまうん?
2025/11/07 13:28 しゃばらん
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