18、砂漠の薔薇に魅せられて
もともと街には商店はあってもまとまって存在していてあちこちに散らばっているわけでもなさそうで、検問から下って街中へとつながっていく道は街にとっては主要路だろうにあまり灯りも人通りもなくて、遠くから見えていた湖底に輝く宝石と思えた民家の灯りも近付くにつれまばらになった。下れば下る程に、歩いているのが道路か歩行路かが曖昧になってしまう程に暗く寂しい世界へと変わっていた。
振り返ると、歩いてきた道の出発点には煌々とした明かりがある。
人の暮らす気配はするのに、目指して向かう街は静かだ。王都での賑わいを思い出すと、同じ夜なのにこんなにも違うのかと思いたくなるほどに、人が出歩く気配もない。
王都なら、まだまだ夜はこれからだって言えるような時間なはずだ。
向かいの丘にあったはずの公爵邸には灯りが見えても、いくら歩いても近くなる気配がない。暗いから距離感がおかしくなっているだけだわ、きっと、と自分を励ましてみても距離は縮まっていかない。馬車、便利だったんだなって今更ながら思ったりもするけど、自分の足で行ってみるしかない。
使うばかりで魔力を回復していないのもあって、感覚として半分もない気がする。空を見上げても月が見えないので、時間の感覚がよくわからない。新月の夜に儀式があるのは漠然としてわかるけど、陽が沈んだらすぐに始まってしまうのかまでは判らない。
もし、空にある星の位置が関係しているのかなど何らかの条件がそろってからなら、空に星はわすかだし、まだ儀式は始まっていないと思えた。コルがいったい今どうなっているのかもわからない。コルが公爵邸から出てこられていない原因が巫女の身代わりにさせられたからなら、コルは現在、水見の館へと移動させられている可能性だってある。どっちにしろ言えるのは大勢の兵士を相手に救出する必要がありそうだって事実で、治癒師のわたしが単身で助けに行くには全然魔力が足りる気がしないっていう焦りばかりする。せめて魔道具か武器でも大量になければかなり難しそうな気がする。現状、半妖であるわたしにあるのは魔道具でも武力でもなく人並外れた魔力ぐらいなので、まずは月の女神さまの神殿へ向かうのがよさそうだ。
坂道を下るわたしの傍を、馬車が通り抜けていく。暗くてはっきりとした数はわからないけど貴族の馬車って無駄に装飾に金具が使ってあるから、これは地味で簡素な馬車だから違うのだろうな、とだけ推測できた。ちょっとだけ、安心する。警戒心よりも、わたし以外に生き物がいたという発見が心強い。
わたしの後にこの街に入った人たちかな。
同じ旅行者として彼らの旅の安全を願ったりして、どこへ行くのかなとか行先を考えたりもする。この街のどこに宿屋があるのかとか、酒場の場所だって実は知らないって気が付く。産業会館とその周辺と、検問所と土産物屋街とぐらいしか、わたしはこの街を知らないのだ。
遠ざかっていくことで戻る静寂と闇の広がりつつある中で、先へと進む馬車の後ろ窓から漏れる室内の灯りが揺れる。
あの馬車、どこへ行くつもりなんだろう。
ぼんやりと考えていたら、いつの間にか馬車は止まっていて、逆にわたしはどんどん近付いているのだと判る。
道に迷った?
まさかね。
追いついてしまいそうになって、追い越しながら、暗くて目的地の目星となる特徴も判らないんだろうななんて考えていたら、いきなり馬車の中から人が出てきた。
逆光に見えたのは、わたしよりも背が高い男性の姿だ。
自分の状況が理解できて、走り出そうとしたわたしに、「待って、」と馬車の馭者台から縋る声が聞こえる。
「お願い、待って、」
声だけだと、中年の女性の声で、声質から想像できたのは細身で気の強そうな印象だ。
「話があるの。乗って、」
振り返らずに急ぐ。いくら人に声を掛けられても人だからと言って信頼する根拠は弱いし、安易に従ってはいけないと、経験で知っている。
<大丈夫だから、待って。>
滑らかな公国語が聞こえてきて、振り返ると、馬車の室内の灯りに照らされ手招きしている男性がわたしを見ていた。
先ほどよりは顔が判る。ぼんやりとわかる髪の色といい顔のつくりといい、王国人ではなく公国人だ。
男性ふたりに女性がひとり。抗って捕まって時間を無駄にしたくない。
だからと言って、信用できない。公国人は土産物屋の一店で見かけたくらいだ。
他にもいるのかな。いたとしてもどうやってわたしがここにいると判ったの?
<あなたは?>
土産物屋街で見かけたあの少年と関係していて欲しいと願わずにはいられない。何も知らない人に捕まるのより、少しでも知っている人に捕まる方がマシだ。
<花屋だと言えばいいかな。>
公国人で花屋と言えば、庭園管理員の暗喩だ。
だからと言って、庭園管理員であるとは名乗っていない。
<合言葉は?>
知らないけど聞いてみる。
ラボア様と連絡がついているのなら、わたしが指導員の師匠と行動を共にしていないのが原因で花屋を訪れる時の合言葉を知らないのだと知られているはずだ。
<ビーア・スペール・エール。あなたは知らない。そうですね?>
灯りが乏しい環境でも、にやりと男性は笑ったような気がした。
頷いて「そうです、」と答えたわたしに、馭者台の女性と頷きあって目配せして、「さ、早く、」ともう一度、手招きしてくれた。
※ ※ ※
馬車の中は聖堂の馬車に比べるととても簡素で、椅子の硬さを誤魔化すためにお手製のクッションがいくつも重ねてあった。そんなフカフカの上に、白髪混じりの赤髪な公国人の男性と土産物屋の少年との向かいに勧められるままに進行方向に向かって座らせてもらった。
わたしがラボア様に頂いた名前を知っていた男性は「改めてはじめまして、」と握手してくれ、このデリーラル公領の領都ホバッサの『花屋』を任されているブリスという地属性の魔法使いなのだと教えてくれた。ごく自然にひとり外の馭者台に座って手綱を操っている女性はプリシアさんといって、男性と少年に「のろけ話ではないのですが」と言って教えてもらった話によると、公国人と王国人との間に生まれて火属性の種火の性質を持つ公国人で、馬車でも馬でもなんでも器用に乗りこなす人なのだそうだ。夜馬車の馭者は男性が多いからという認識もあるけど、女性なのに肝が据わっていてすごいなと思ってしまった。
しかも、わたしの目の前にいるアルノーと名乗った少年は、プリシアさんとブリスさんとの子なのだそうだ。ちなみにアルノーくんとプリシアさんは庭園管理員ではなく準構成員で、庭園管理員なのはブリスさん一人らしい。もっとも、アルノーくんは夏には成人するのでその際正式に庭園管理員になる予定だとも教えてもらう。
「それにしても…、」
すっかり慣れた王国語に戻った男性が、わたしを見て首を傾げていた。
「その格好は聞いていた格好とは違いますよね、ビアさん、」
母さんが公国を出る際に見繕ってくれた火光獣のマントも、リディアさんに貰ったブロスチの巫女服なワンピースも、わたしらしい格好なのだと思っていた。意外なので「どうしてですか?」と尋ねてしまった。
「報告では、ビアさんは皇国人の娘の格好をしていると聞いていましたから、」
面喰っていると、ブリスさんは情報源が王都の花屋のデレリクさんなのだと教えてくれた。なんでもデレリクさんの報告がきっかけで、これまでの通例を破る例外として指導員がいない状態で花屋にやってくる『ビーア』という庭園管理員への対応について、指導員である師匠と合流するまで一時的に情報の共有がなされると決まったのだそうだ。庭園管理員は各地に大勢いるのでたった一人の庭師が抽出されて注目されるのは珍しいことだと、余程緊急事態なのだとブリスさんは興味を持っていたらしい。『事前にラボア様に報告した以上の想定外の行動と予測にない移動距離に現れる』という前情報をあまり信じていなかったし、実際にわたしを見ても信じられなかったのだとも教えてくれた。
わたしが『わたし』であるという本人確認をするには単独行動とラボア様がお付けくださった名前と『合言葉を知らない』という状態が確実な符号であるとされたらしくて、外見的な手掛かりとして王都の花屋に訪れた際の皇国人な娘な格好と、茶金髪に青い瞳の成人したばかりの娘な外見という情報も共有されたらしかった。
わたしをわたしだとして見つけてくれたのは嬉しいけど見つけた理由を説明するために馬車に乗せられたわけじゃないと思えたのもあって、状況が状況だけに、いきさつを語りたい気持ちもわからなくないけどどうして今更接触してきたのかとかもっと重要な話があるんじゃないかなと思えたので、機嫌よく話すブリスさんの説明が黙って終わるのを待っていた。
わたしもアルノーくんも黙って聞いているのでブリスさんを遮る者はおらず、一通り説明が終わる頃には月の女神さまの神殿に到着してしまっていて、わたしとしては、もうここで彼らと別れてもいいような気がしていた。
月の女神さまの神殿は、どの土地でも、基本的に四六時中、冒険者の為に門戸が開けられている。このホバッサでも同じで、朝までの時を自由に過ごしていいようだ。馬車を降りたわたし達は、見張りも兼ねてプリシアさんに馬車に残ってもらって、指先に『灯火』の魔法をかけて静かに中に入った。日中に訪れていたのもあって、人気のない中庭の聖なる泉に迷わず向かう。
誰もいない。
何の気配もない、水だけの音しかない暗くて静かな神殿だ。厳かというよりは、廃墟感の方が似合っているのは、この街の月の女神さまの神殿の周辺が異様に静かだからだと思えてきた。
すでにすべてに闇が降りて、昼間は白く輝いていた花崗岩のタイルも沈んだ色に変わっていて、夜と言える空の色や世界に変わっている。
噴水池の、黒い池の水に材質が違って見える石を見つけて飛んで近付いて、全身に聖水を浴びて回復する。
池の傍に立っていたアルノーくんとしゃがんで水に手を入れていたブリスさんの元へと戻ってくると、ブリスさんはわたしを見上げ、「どうして戻ってきたのですか、」と言った。しかも、わたし達だけしかいないのに、ブリスさんは公国語に言葉を変えている。
この街に、どうして戻ったのか。
胸の痛みはわたしの生きている理由だ。
わたしも公国語で「…大切な友を失わないためです、」とだけ答えた。
「そうですか、」
小さく微笑むと、ブリスさんはアルノーくんと目配せし合い、池の水面の一か所を指さした。
「あれ、見えますか?」
『灯火』の仄暗い光が水面に揺らめく。
暗くても揺れているとわかる水、としか見えてこない。
あれって、なに?
聖なる水が見えるって意味かな。
「いいえ、」
時間もないし、教えてもらった方が早そうだ。
「私たちは、この街で長く暮らしていて、家もあるのですよ。」
庭園管理員とはいえ子供がいるくらいなんだからそういう人生もありそうだよね、と思ったりもするけど、先の大戦以後の話だろうなと思うと、アルノー君が生まれる前から、という意味ではないような気がした。
「この街で花屋をしていても、花は枯れてしまうのですよ。だから『花屋』ですが花屋ではなく、土産物の造花屋をやっています。こう見えて元は職人でしてね。若い頃は魔術工房に出入りしていたんですよ。」
静かな中庭では、淡々と話すブリスさんの声は小さくてもよく聞こえる。
「この街は冬は雪に覆われるのもあって、工房がいくつもあります。私たちが買った家ももともとは工房だったそうです。」
「板金か何かですか?」
デリーラル公領の特産物は葡萄酒だ。葡萄酒の販売に必要だからガラス瓶の工房ってありそうだよね、と、思ったりするけど、王国なら剣や金属の加工をするための鍛冶場である方が無難な気がする。
「ガラス工房ですよ。」
「へえ…、」
あまり気がない返事になってしまったのは、聖堂の応接室でガラスの工芸品の棚の瓶が割れるのに居合わせた後ろめたさがあるからだったりする。
「売り主は今は隣街に工場を構えていましたね。まだまだ使える工房が手に入って…! 私はもともと職人になりたかったので手入れや掃除だけでも楽しくってね。妻のプリシアとこの子が種火の性質があるので協力してくれたりしたんです。つい公国から魔石を取り寄せたり、旅の錬金術師に工房をいじってもらったりして、どんどんのめり込んでいきましてね…、最近ではこの子が火の加減を手伝ってくれるようになって、趣味が実益に変わっていきましてね、」
楽しそうに笑みを浮かべ、指先の魔法の明かりを消して腕がすっかり浸かってしまうまで池に腕を突っ込んで、ブリスさんは何かを水の中に探して、「あった」と小さく言った。
水から引き上げたのは、ガラスの塊に見えた。輝石ではなさそうだ。
「これ、ビアさんは見えなかったですよね?」
「ええ。」
水にガラスは身を隠してしまうから暗闇で目視だけで見つけるのは無理だよって言いたくなるけど、心の中で呟くだけにしておく。
「ちなみにこれ、何に見えますか?」
「ガラスの…器ですか?」
正確には、透明なガラスの瓶だ。大きさは手のひらに収まるくらいで、気のせいでなければ中にやはり透明な花が一輪、入っているように見えた。材質的には瓶と同じガラスの花だ。
「…中に何かが入っているのは見えますか?」
聖堂の応接室にあった棚の沢山のガラスの工芸品を思い出していた。偶然とはいえ瓶がひとつ割れてしまった場に居合わせたので後味が悪いと感じていたりする。粉々に砕けてしまう前のあのガラスの工芸品も単なる瓶ではなくこんな風に凝った作品だったのかもしれないなと思えてきた。
「わかります。花ですね?」
「そうです。この通り、」
ブリスさんがアルノーさんに手招きすると、アルノーさんは指先に魔法で『灯火』を使って、そっと瓶に光を当てた。
暗がりの中に、暗く揺れる水面の上で、瓶と瓶の中の大輪の薔薇が灯りに照らされ、水もゆらゆらと光って揺れている。
「見ましたね?」
そっと水の中に取り出したばかりのガラス瓶を戻して、ブリスさんは上着の内ポケットから小さなガラスの小瓶を取り出した。中に入っているのは茶色く枯れた薔薇の花弁のように重なりを見せる繊細な輝石だ。
公国の公都にある砂丘のようなアクラブ園は風の精霊王様の影響下にあって、時折『砂漠の薔薇』と呼ばれる輝石が生まれる。わたしは公都に暮らしていた頃は水属性と地属性とを持つ未分化の半妖であったので、風の精霊王様の影響下にあるというアクラブ園にも『砂漠の薔薇』にも興味がないのもあって図書館の史料でしか見たことがなくても、これは本物だと断言できるほどに美しい形状をしていた。
「美しいでしょう? これは、いつか行き倒れていた旅の鑑定士を世話をした時に宿代の代わりにもらったんですよ。自然にできたとは思えない精巧な細工でしょ? すっかり魅せられてしまいましてね。これを作りたくて丹精込めているうちに、私の作るガラス細工は魔道具になりました。」
照れくさそうにブリスさんは小さなガラスの小瓶の表面を撫でた。
ギュイン、と妙な音が成る。
ガラスの音ではない、人の声や生活音が重なり混じったような、音域に幅と深みのある音だ。
「私の魔法と魔力と、この石が共鳴しているのではないかとラボア様は仰ってくださいました。この魔道具は私の魔力がカギとなっているので他の者には使えませんが、共有することならできます。」
アルノー君はわたしを見て、シーっと人差し指を立てて楽しそうに微笑んだ。
「ある程度の距離なら拾った音を伝えてくれるのです。ほら、こんな風に、」
ブリスさんがガラスの壺の表面を撫でる度、ゆるやかに音が変わっていく。
女性の声、男性の声、何らかの生活音、誰かの交わす言葉…、これは会話だ。
「魔力を持たないと、いくら耳を欹てても聞こえないようなので安心してください。街のいくつかの場所に、こうやって隠してあるのです。」
新たに聞こえてき始めたのは、ここにいるブリスさんの声でもなく、アルノー君の声でもない男性の会話だ。警備や任務の確認をしているようで、身分は兵士なようだ。聞こえてくる声が話す言葉が恣意的に作られた音ではない証拠に、具体的などこかの場所で意味のある会話だと想像できるようなやり取りが聞こえてくる。
「どうなっているのですか、」
『王様の耳』のような仕組みなのだろうとは理解できたけど、魔道具が街のあちこちにあって、いわゆる盗聴している状態にあるとは思ってもいなかった。
もしわたしの想像通りなら、聖堂の応接室にあった瓶も同じであるはずだ。
「聞いて、いたんですか?」
あの部屋で、わたしは父さんを呼んだ。
実際にやってきたのはシンで…、ガラスの工芸品は、シンとの会話をブリスさんに伝えていたのかどうかが気になり始める。
わたしは、シンと何の話をしていた?
眩暈がするように、記憶と感情が駆け巡る。
シンの名は呼んでいないはずだ。習慣で、シンの名は呼んでいないはずだ。
だけどあの時、わたしは…、シンだから油断して、父さんや母さんの話をしていた気がする。
たったそれだけでも、会話を聞かれていたのなら、あの場に聖堂の関係者ではない誰かがいたと知られている。
聖堂の関係者ではなく名を呼べない誰かを召喚したと、知られてしまった。
「聞いていたけれど、聞こえなくなった、というのが正しいですね。」
ブリスさんはわたしを観察している。
深く息を吸って、動揺を逃がしてしまおうとして、閃く。
もしかして、シンは誰かが聞いていると知っていたから、砂時計の使い方を教えてくれなかった…?
違う。それだけが理由じゃない。
シンが魔法で追い払った無数の蛇の集合体に見せかけた術は、また別の誰かの魔法な気がする。
他にも気になる要因があったんだ…!
「だからこそ、私たちはあなたを見つけた時、あなたの行動を理解して、追随すると決めたんです。」
躊躇いがちに、ブリスさんは言葉を区切った。
何が言いたいんだろう。
はっきり言ってくれたらいいのに。
もどかしいけど、混乱を感情のままに言葉にしてしまうと、知らせなくてもいい情報が伝わってしまう。
聞こえなくなったという言葉を基準とするのならわたしの秘密は聞かれていない筈で、聞こえたことを重要視しているのなら、わたしがここにいることが彼らの行動の根拠となっているはずだ。
この街で起こっていると思われる事態は、水見の館での儀式の開催と、コルが捕まってしまっているっていう事件だ。
「話してください。この街で起こっていることの、何を、知っているんですか?」
じっと、『灯火』がほんのりと照らすブリスさんの顔を見つめてみる。
「まずは馬車に戻りましょうか、詳しく説明しますから。」
ブリスさんはそう言って話を逸らして上着の内ポケットに小さなガラス瓶を戻すと、ニコッと笑った。
ありがとうございました。




