5 魔力を持つものであること
確認を好意と捉えているのか、ティオ博士は明るい表情になった。
「はい、何なりとお聞きください。」
「ティオ博士がお調べになっている間に、キイホ博士は姿が変わられてからおよそひと月半ほどの間を、どのように過ごされているのでしょうか。人目を避けて獣人としての体を観察し検証されていたのなら、どうやって魔法が使えるとわかったのでしょうか? ほんのりとしか魔力を持たないとの説明を考えると、ある一定量まで魔力が溜まってから、人の姿へと変わる魔法を使ったのですよね?」
ビスターも、ランスを倣って手を挙げて質問する。
「その姿のままでいて、どこで住まわれているのですか? 学術院から外へは出られたりはするのでしょうか。」
ティオ博士は小さく咳払いをして、窓際の机の一番下の大きな引き出しを出した。察していた通りに引き出しの中には帽子ほどの大きさの籠があって、淡く輝く輝石が煌めいていた。
一目見ての印象だと、小粒で高価な輝石ではなく、ゴロゴロとした鶉卵ほどの大きさの水晶ばかりだ。ときどき混じるのは淡い色合いの紫水晶に紅水晶、黄水晶と思われ、高価な輝石ではなく比較的手に入りやすい安価な水晶ばかりが集められている。
ティオ博士が表面をそっと撫でると、ふわりと湯気のように漂うものが石から揺らめいて見えた。
石に蓄えられた魔力なのだと理解できた時、キイホ博士が籠の中に獣な手のひらを突っ込んで埋めた。
<『ほしい』と願うと、魔力が私の中へと流れてきます。>
石からはきらめきが急速に消えて、反対に、キイホ博士の体を覆う獣な毛が一層艶を増して輝いた。
「これは魔石です。我が国と公国との国境の回廊をご存じでしょうか。」
ティオ博士がフリッツに尋ねてきた。
「確か、特殊な仕掛けがあると聞いた覚えがある。先の大戦以降、設置されたのだと聞いている。」
要人は特別な措置があるので一般的な国境とは通路が異なるとしか知らされていないフリッツが知識として知っているのは、皇国との国境にはない仕掛けだというぐらいで、具体的な仕組みは知らされていない。
「公国との国境にある回廊は、魔力量を調節するための魔石が敷き詰められています。公国を出る者からは魔力を吸い取り、公国へ戻る者へは魔力を戻すとされていて、魔力を持たない者には何の効果もないそうです。私たちは公国へ出国した経験がありませんから実物を見たことはないのですが、実物は水晶を使っていると聞いて真似てみたのです。」
「ティオ博士は魔石を収集し研究されているのなら、キイホ博士に一番適している魔石を調べたりはしなかったのか。」
キュリスの素朴な疑問に、ティオ博士は肩を竦めた。
「私もしがない魔石の収集家であり研究者の端くれですから、理論上、自分の属性に一番なじむ輝石を使って魔力を溜めるのが最良なのだと持っていましたが、実際問題として最適な輝石を見つけ出すのにどれくらい時間と資金がかかるか目途が立たないのです。時間も資金も貴重ですから、公国が年月をかけて実験し続けて構築している仕組みを最短の答えとして利用したのです。」
フリッツも、縁があって手に入れた本翡翠をただ不具合がないという理由だけで持ち歩いているけれど、この石が自分に最も的確な輝石なのかどうかを調べてはいないので本当の相性は判らない。
「私たちは、兄の秘密を私たちだけで共有し外部の協力を得ていません。この姿になって以来、学術院から兄は寮へと戻っていませんから、基本的に外部へ出るのは私だけなのです。兄がこんな風になって以来、私は毎日女神さまの神殿に行って聖なる泉の聖水に浸して石に魔力を満たしています。助けとなる人手が圧倒的に足りていません。」
<弟がいなければ、私はもっと途方に暮れていた。居場所も食事も、人間界では何もかもがこの姿では不利なのだ。>
ぶるんと体を震わせて、つやつやと光沢のある毛並みを満足そうに見て胸を張ると、呪文を詠唱するでもなく魔法陣を描かないまま、キイホ博士の二本足で立つ大きな狸の獣人といった姿かたちが一瞬で人の姿になった。
「ティオ、続きは自分で話すよ、」
「兄さん、」
「ずいぶんと慣れた様子ですね。魔法陣や呪文の詠唱は必要としないのですか?」
ランスが淡々と問いかける。
「おかしいと思うかもしれないが、呪文を必要としない。姿を変えたいと念じるほどでもなく、魔力があれば人へと姿を変えられる。」
人になったキイホ博士は視線を鼻先に合わせるように相手の顔を見る。姿かたちはティオ博士とそっくりでも、癖が違うようだ。
「もともと双子だったのですか?」
ティオ博士もキイホ博士も、フリッツの父であるアルフォンズよりはやや若いといった見た目で、ふたりとも、体力よりも知力の獲得に全力を尽くしてきた印象のある貧相な体格をしている。
「年は兄が一つ上です。よく顔も背格好も似ているらしいですが、双子ではありません。」
「幼い頃から余興として二人で芸をすると面白がられたが、親が同じなら似て当たり前だ。」
ティオ博士とキイホ博士はお互いに指さしあった。
「公国の魔法使いは生活魔法と言って、火を起こしたり風を強めたり水を精製したり植物を育てたりするそうですが、そういった魔法は使えるのですか?」
ランスの問いに、ティオ博士は小さく首を振った。
「ここは王国一の知の拠点である学術院ですから、生活魔法程度なら使える魔法学の研究者も在籍しています。呪文の詠唱も魔法陣の描き方も教えてもらっているので、私は生活魔法程度なら自分の魔力で何回かに一回の確率で使えます。魔石を使うと確実です。同じようにできるかと兄にも教えてみましたが、全く使えませんでした。火花すら散りません。」
「魔石を使ってみても補えないですか?」
ビスターが小さく手を挙げて尋ねている。
「確か魔石は性質によって効果が違うのでしたね? 精霊を憑かせた石を使ってみたりはしたのですか?」
ティオ博士とキイホ博士は目を丸くして、口を手で覆うと背を向けて笑った。よほどおかしかったのだろうなと思うけれど、何がおかしいのかフリッツにはわからない。
眉間に皺を寄せて、キュリスも尋ねる。
「博士たちは魔石の収集家ではないのか? 精霊の宿る石くらい持っているのではないのか? 実験してみてその状態なのか?」
精霊憑き魔石に宿る精霊の力を借りてお怒りという名の魔法の効果を解いたらいいのではないのか、という意味なのだろうなとフリッツは思いながら聞いていたのだけれど、ティオ博士たちは涙を指で拭いながら振り返った。
「御冗談を。さすがにそんな貴重なものは使えませんし、手にも入りません。精霊王はその属性の頂点に立つ者だから精霊王と呼ばれるのです。いくら高位の精霊でも、臣下である以上、主である精霊王の掛けた魔法は外せませんよ。」
アンシ・シでエドガー師に掛けられた魔法が解除できたのは、春の女神の加護を受けたと思われる薔薇の神官様と水の精霊の中でも貴族階級と言えるほど高位の精霊であるアオイ姫の助力があったからなのだとフリッツは納得した。
ティオ博士は改めて自身にそっくりなキイホ博士を見つめた。
「兄さんは先ほどの通り、地属性の性質を持つ野に棲む精霊の姿をしています。ですが、精霊ではないようです。魔力が満ちて魔法を使うと人間の姿に戻っている、というのが正しいのかもしれません。あの姿を持っていた先祖は野に棲む精霊だったので化けると人間の姿になったようですが、兄さんは魔法で先祖の姿に変えられているので化けると人の姿になるようです。食の好みといい、本質は人間のままなようです。」
「人の性質が残ったままだからいつか元に戻るといいたいのか?」
キュリスは呆れたように言った。「解けるのが困難な魔法なら、そう簡単に解けるとは思えないな。」
ティオ博士は眉間に皺を寄せて「解けるから魔法だと信じています」と呟いた。
「ここは何しろ学術院ですから資料も蔵書も充実していますし、古典や伝記に伝承に精通した学者が在籍しています。過去に同じような事例があるかもしれません。まだまだ調査が足りないと思っています。」
聞き捨てならない可能性だなとフリッツは思う。そんなに頻繁に地の精霊王が人間界に現れて人に魔法をかけるのなら、地の精霊王だからと敬われていた存在であったものが、いつしか人に仇なす魔物と同等に扱われてしまう未来がやってくる予感がする。
体をひとつ震わせると、キイホ博士は色とりどりの水晶の入った籠に再び手を入れて「もっと魔力が欲しいな」と呟いた。どうやら、姿を維持するには足りないようだ。話を聞いていないような表情なのは、意識が朦朧としているのかもしれないなと思えてくる。
「ところで、みなさんは魔道具をご存じですか?」
ティオ博士が、場の空気の流れを変える勢いで、大きな声を出した。
頷いたフリッツの知っている魔道具は、アンシ・シの検問所で使った遺品のウロコぐらいだ。思い出すだけで興奮を思えるほどに効果は絶大で、魔法はすごいと思えた。
「不思議な効果を持つ道具でしたね?」
ランスも思い出したようで少し声が明るくなった。
「そうです。魔石は魔道具でもある場合があります。魔石の定義は『鉱石に魔力を溜めたもの』とするのが一番広義で、厳密にいえば大きさ、性質、効果によっても、国によっても認識に差があります。原石でも性質が魔力になじむから魔石と呼んだり、輝石に魔法を施して効果を付与したり魔力を溜めたり精霊を憑かせたりしてやっと魔石と名乗る場合もあります。」
フリッがアンシ・シで手に入れた本翡翠は、王城へ持ち帰ってフリッツが管理している。白銀色の猫が気に入り持っていくようにと願うくらいなので単なる魔石ではなく、魔力量が大きいといわれていただけあって何らかの効果があるようだと感じている。
「一般的には魔道具は、魔力による特殊な効果を持っていたり魔力が宿る道具を言います。輝石を魔石に変化させたものを魔術工房で装飾品に使用したり防具や武具に加工するのを魔道具と言ったりもしますし、魔石を使った結果武器や防具が魔道具となる場合もあります。王国では廃れてしまった技術ですが、公国や皇国には魔術工房は生きています。魔道具はものにもよりますが、使用条件に『魔力を持つものであること』と魔力を必要とするものがあります。私の魔力は、魔力を持っているから魔道具を使える程度とも言えます。」
きらりと光る小さなトパーズをあしらった指輪をポケットから出すと、ティオ博士は微笑んだ。
「これは地属性の性質の石なので地属性の魔法と相性が良いようです。私たちの祖母の遺品なのです。誰に教えてもらったからできるというものではなく、経験として魔石として魔力を溜める器なのだと知っていて使っています。私が魔石に溜めた魔力を兄に渡すためにこうやって持ち歩いているのです。」
指輪は、そっくりな顔のキイホ博士が受け取って、手に握りしめている。
ゆっくりとだけど再び、キイホ博士の人間としての肌が艶やかに光る。
「変化の魔法を使うと人間の姿になれるという状況から、これは相当強固な魔法なようだと認識しています。皇国では、神の力と竜王の力を使って精霊の力を封じる白魔法があるそうです。私たちは、竜王はともかく聖なる力さえあれば元の人の姿に戻せるのではないかと想定して、王都にある4人の神さまたちの神殿のうち一番学術院から近い太陽神様の神殿へと変化の魔法と魔石の効果を駆使して行ってみましたが、かえって兄は苦しんだだけなので成果はありませんでした。」
「苦しむのですか?」
趣味は神殿巡りという敬虔な信者でもあるビスターは怪訝そうな顔つきなった。
「ええ。私は神殿の中へ入れましたが、兄は踏み入れもできませんでした。そのあと兄と学術院に戻って以来、兄は学術院の外へは出られていません。おかげで聖水に魔石を浸す作業は私の役割となりました。」
「王都の神殿の神官か…、」
キュリスの呟きに、フリッツは時の女神の神殿で会った老いた神官を思い出して、今日はどの神殿へ向かっているのだろうとぼんやりと思った。
「そうなると、現段階でできうる手段で元の姿に戻るのは不可能なのでしょうか。」
ビスターの質問に沈黙したまま答えないティオ博士たちは、諦めていないから不都合な質問には答えたくないのだと思えてきた。いくら希望を口にしても、どうにもならないから認めたくはないのだ。
精霊界にかかる橋とは、条件とは、何に答えが記されているのだろうか。
フリッツは考えてみて、自分の知っている限りで一番博識なのはもしかして妖の道で出会ったコルなのではないかと思えていた。
妖の道を知っている人間も、使っている人間も、コルしかフリッツは知らない。
一度聖堂に訪ねてみたほうがよさそうだ。
他に気になるとすれば王都にある地の精霊王の神殿の神官にも話を聞いてみたいし、可能なら時の女神の神殿で出会った神官にももう一度会って話を聞いてみたい。
「確認したいのですが、殿下は討伐の旅を控えておられます。同盟国としては最優先事項です。殿下の庇護を求めるのは自由ですが、却下となった場合、どのように対処されるおつもりなのでしょうか。ある条件とやらを探すために討伐の旅に従軍を志願されたりするのでしょうか。」
冷静にニアキンが尋ねると、ティオ博士は視線を泳がせ、キイホ博士は顔を背けた。
そうか、と言いかけてフリッツは黙る。
やはり、単なる高みの見物なだけではないようだ。
「…お二人の現状は判りました。」
ランスは静かに言葉を閉じた。
※ ※ ※
フリッツの中では何を望まれようと静観し関わらないと答えは決まっていたけれど、近日中に再会しようと表面的な約束して、フリッツたちはティオ博士たちの部屋を退室した。
誰も窓際の机の上のトレイの上に置かれたままのお茶について話題を振ろうとしなかったのもあって、結局振舞われなかった。フリッツも指摘されないでいてくれるのなら存在に触れないでおこうと思っていたので、気が付かないふりをしていた。
木造の風変わりな建物なのも、12号という番号なのも、ティオ博士には秘密にしたい理由があって、それはキイホ博士に関係しているのだと思わずにはいられない。
建物から完全に出るまでは、油断できない。
拒絶を即答しなくてよかったと思ったのは、フリッツだけの秘密だった。
帰りの階段を下りながら、ふと、キュリスが「喉が渇いたな」と呟いた。
ビスターは降りるのを遅らせ、ニヤニヤと笑ってる。
「この前、王都に水蜜桃を使った氷菓子の店ができたそうだよ。なんでも公国の魔法使いが菓子職人として雇われているのだとか。」
「教官殿、帰りに市中見学をなさいませんか、新人騎士に街を案内したいのです。」
笑いながら手を挙げておどけるキュリスに、新人騎士として「そうだな、散策でもするか」とフリッツも話を合わせる。
ニアキンは困り顔になっていた。真面目なので、寄り道は悪とでも思っていそうだとフリッツはこっそり思う。
ランスが、戸惑うまじめなニアキンにも言い聞かせるように提案してくれる。
「今日は殿下の休日なのですから、帰りに市場で昼食を食べてから帰りましょうか。」
「帰城時間は特に決められていなかったな。」
フリッツの今日の予定はこれだけで、フリッツの休日とはいえ警護のランスたちは休日ではない。フリッツの息抜きが従者に息抜きとなるのなら、付き合ってやりたかった。
「かしこまりました。王都の案内ならお任せください。これでも王都の騎士団にいましたから。」
やっとニアキンも調子を合わせてくれた。
「頼もしいですね。期待していますよ。」
ランスは笑顔になっていて、「楽しみだな」とキュリスたちも明るい表情に変わった。
一階まで降り、靴を脱いだ入り口まで来ても、フリッツたちの軍靴以外に誰かの靴が増えた形跡はなかった。
「どこの部屋からも誰も出てきませんね。」
ビスターが怪訝そうな顔つきで廊下に並ぶドアを見る。
「この建物には他に研究者はいないのか、」
先に靴を履き終えているキュリスが首を傾げた。「魔石学の研究者がたった一人って、いくら王国で魔力を持つ人間が希少だからって、こんな人不足な事態はない気がするな。」
「この建物の探検がしてみたいですね。」
靴を履き終え待っていたニアキンは、腕を組み仁王立ちになって階段の上の上を睨みつけた。
「見送りにも来ないようですね。」
「これが学者という生き物か。」
キュリスが呆れたように言ったのを、立ち上がり身なりを整えるランスは顎を上げ視線を窓の外へと向けた。
「12号棟に暮らしているという学者がすでに特殊なのでしょうね。同意します。」
「教官殿、珍しいな。」
キュリスが揶揄うのを、ランスは目を細めうっすらと笑った。
一番最後にフリッツが紐を結んでいると、建物の外から何かを言い合う声が聞こえてきていた。
「なんでしょうか、あまり若い者の声ではありませんね、学生ではないようです。」
「少々お待ちを、」と言うなり、キュリスが飛び出して耳を澄ませた。
剣に手を当て、ビスターも後に続く。ふたりが見上げたりその場で一周回って聞き耳を立てたりをするのを、フリッツはランスの陰から見ていた。
「騎士でもないようです。何かを感嘆する声にも聞こえます。」
音を追いかけて駆け出していきそうなビスターは、立ち止まり、警戒しているフリッツたちを振り返る。
「どうします? 先に行って様子を見てきましょうか?」
俊足のビスターなら任せておいて大丈夫だと思えるけれど、フリッツとしては、ランスに肉の壁の話を聞いたのを思い出していた。
「ビスター、大丈夫だ。帰り道に遭遇すれば頼むかもしれないが、学者たちの実験かもしれない。今は聞き流してくれ。」
「殿下のおっしゃる通りです。学術院を出るまでは殿下を優先としてください。」
警戒した声色のランスからは、何かを感じているように思えた。
※ ※ ※
「何か、起こったのでしょうか。」
ニアキンが最後に12号棟を出ると、先に出ていたのに、フリッツは一瞬、何かが剥がれる感覚がした。
振り返り見上げると、窓に誰かの影が動くのが見えた。背丈からはティオ博士でもキイホ博士でもなさそうだけれど、フリッツの他に誰も気がついていない。気のせいか?
「火事ではないようです。騎士の呼び笛も剣の音も聞こえませんから、魔物の襲撃でもないようですね。」
「いったい何の騒ぎでしょう。」
先を急ごうと落ち着かないキュリスたちは、引き留めていなければ駆け出していきそうだ。
速歩きに、フリッツたちはくちなしの花の咲く生垣を抜け大きな楠の木の影を曲がった。
号棟の小さな建物に近付けば近づく程騒ぐ声が大きくなっていった。窓や屋上にくっきりと人影が見え始め、老いた学者たちほど口々に感嘆する声や感謝を伝える言葉を口にしているのが聞こえ始める。
一足早くに進み、立ち止まって見上げたキュリスとビスターは口を開け黙ったまま空を指をさしていた。
「空…、上空に何かあるのですか?」
「どうかしたのか、」
後を追っていたランスとフリッツ、ニアキンが合流し立ち止まり、指の先を追うように空を見上げると、感嘆の声も感謝の言葉もどうしてなのかが意味が判った。
ありがとうございました




