表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
251/671

31、この街を牛耳るのはある意味愛国主義者

「ようこそ、クアンドの街へ。私が市長のホアキンと言いましてな、この街の代表者です。公爵様に代々執行者としての権限を委譲されている家の当主でもあります。皆さんが安全にこの街を出られるように尽力を尽くしたいのだが…、なかなかに騒々しい方々ですな。最大限の努力を持ってこちらの配慮におとなしく従ってほしいものですな。」

 ホアキンと名乗った市長が挨拶のような脅迫を口にすると、聖堂の、着ている恰好からして司教までもが小馬鹿にするような口調で話し始めた。

「さて、お集まりいただいたのは、他でもない。我が聖堂の三本刀の一人が価値を失ってしまいましてな。これは大損失なのですぞ?」 

 師匠に倣ってわたしは公国(ヴィエルテ)の軍人立ちをしていた。肩幅に足を開いて片手首を持って腹の前で腕を組むわたしと師匠と、王国の剣士で腕組みをして不機嫌そうな顔つきをしているレゼダさんとが並んでいると、わたしたちは一見して立場が違うのだと判るはずなのに、ホアキン市長も聖堂の者たちも何も言ってこなかった。アレハンドロだけが片眉をあげてわたしたちの姿勢の違いを観察していた。

「いったい何が起これば、我が聖堂の貴重な人財が暗黒騎士(ダーク・ナイト)になどなるというのでしょうな。(ホーリー)騎士(・ナイト)にと育てるのにも時間がかかるというのに…。損失の余波は計り知れません。この落とし前をきっちりつけさせていただきたいと思っております。お判りですかな、ホアキン市長殿。」

「オルキス司教様、そのようなことを仰っても、我々も状況がよく見えてこないのですよ、この冒険者様たちが詳細をご存知なのではありませんかな。」

「ええ、是非にでも真相が知りたいものですよな?」

 台本を棒読みする茶番劇のように嘘臭い話し方をするホアキン市長とオルキス司教は、わたしたちに椅子すら提供せず立たせたままで言った。呼びつけておいてこの扱い、どうも歓迎されていないみたいだわ。

「公国の吟遊詩人(バード)は候子様ですから判るはずがないでしょうし、王国の冒険者は剣士と言っても単独行動の異端児、期待はできません。」

「残るは少女ですか。」

 さらっと馬鹿にされた気がする。

「その少女は治癒術が使えると我が聖堂の騎士たちが申しておりました。幼いのに将来性がある少女です。」

「ほう…、この街から一刻も早く騒動を起こした冒険者には退場していただきたいものですが、治癒師(ヒーラー)ですか。それは貴重な人材ですな。」

「我が聖堂の貴重な神の御業の伝道者である(ホーリー)騎士(・ナイト)がひとり消えたのですから、(ホーリー)騎士(・ナイト)を早急に補充したいのもやまやまですが、この際、治癒師(ヒーラー)でも神の御業の一部と捉えて妥協しても構いません。なあ、皆の者、」

 聖堂のオルキス司教の問いかけに、同行していた司祭たちが「ごもっともです」と声を合わせて頷いている。

「アレハンドロ、お前の開けた穴をそこの少女で補うのは本来役が大きすぎますが仕方のないことです。お前を自由にする代わりなのですから、仕方ありませんね?」

 オルキス司教を睨みつけるアレハンドロは無言のままで腕を組んで顔を背けた。

「ちょっと待ってください。」

 レゼダさんが軽く手をあげて皇国(セリオ・トゥエル)語で呼びかけた。

「おや、レゼダ殿は王国民なのに皇国(セリオ・トゥエル)語が話せるのですか、ではこの者も、ついでに引き受けるとしましょうか。治癒師(ヒーラー)と剣士とでやっと一人分です。」

吟遊詩人(バード)様には住み慣れぬ街を一刻も早く旅立っていただいて、公国(ヴィエルテ)にて安心してお休みいただきたいものですな。」

暗黒騎士(ダーク・ナイト)をいっそのこと、引き受けていただけるとゴミの処分もできますな、」

 ハハハッと笑うホアキン市長やオルキス司教たちの声は、とても不愉快だった。

「オルキスと言ったわネ。公的な権限はないはず。あんたは黙っていてちょうだい。」


 突然、レゼダさんは剣を床に置くと「バンちゃん、ビアちゃん、もうアタシ、我慢できないわ、」と大声で言うなり床を蹴りあげて宙に飛びあがり、大きく回転して、「はああーっつ」と気合声を出してホアキン市長の前の立派な執務机に向かって踵を落した。


 ドーン、と音がして、机だった木屑の上に立ったレゼダさんはホアキン市長を人質に取り、首に水平にした指先を当てた。

 手には武器は何も持っていないけれど、綺麗に研がれた爪はホアキン市長の首を絶妙に突いている。


「さっきから黙って聞いていれば、よくもまあペラペラと、」

「な、何をするつもり、っだ。」

「そうだ、お前、冒険者のくせに市長を人質に取るのか、」

 ホアキン市長が喚いているのを、司祭たちが「護衛騎士や衛兵を呼べ」と騒いで部屋から出ようとするのを、アレハンドロが塞いでいた。

「アレハンドロ、お前の出番だ、やってしまえ。」

 オルキス司教が騒いでいるのに、アレハンドロは腕を組んだまま動かなかった。威圧だけでも怯んでしまう迫力がある。

「あ、アレハンドロ?」

 師匠がいつの間にか戦闘態勢に入っていて、いつでも呪文が唱えられるようにか両手をぎゅっと握りしめて立っている。

 これはもしかしてレゼダさんに加勢するつもりがあるんだわ。わたしも自分ができることを考えるけど、この至近距離の接近戦での骨接ぎの魔法は味方に相打ちしてしまいそうだ。うーん、そうなると、味方の回復、治癒ぐらいだわ。

「あのさ、あんまり賢くないアタシだって、あんたたちがグルでアタシたちを嵌めようって魂胆なのくらい判るわヨ。地竜王の神殿に黒い甲虫(イズルリ)の魔法をかけたのは、市長であるあんたやそっちの聖堂の者たちの仕業なんでしょ?」

「ど、どうしてそれを。」

「簡単よお! 普通の市長なら竜がいなくなるってどういう意味なのかぐらい考えるけど、あんたたちは自分たちが竜を排除したかったからあの神殿を見えなくする方法を選んだのよね? 普通聖堂がいくら力を持っていたって街の入り口である橋に魔法をかけたりしないし、かけたとしてもすぐに街の整備で取り消しているでショ! 橋に魔法をかけて精霊王さまの施設や竜王さまの神殿を見えなくするような魔法が必要なのは、そんなものが必要になるようなことをしでかした者だけだわ。あんたたちが竜王さまの神殿の神官を生贄にしたんでしょ?」

「ち、違う、聞いてくれ、誤解だ。」

「何が違うって言うのかしら、ホアキン市長。あんたが地竜王さまの神殿の神官を殺させたんでしょ?」

 グイッと手刀の爪先が喉仏のすぐ近くに食い込む。

「ア、アレハンドロ、この不埒者たちを早くっ、」

「不埒者はどちらなのでしょうね、ホアキン市長殿。私たち客人をもてなすことなくこの仕打ち、なんだかいただけませんねえ。」


 明るい声で師匠は言いつつ、市長室の中に実体化させた精霊を召還していた。火の精霊に風の精霊もいる。皇国(セリオ・トゥエル)で召喚すると基本生まれたままの本来の姿なのにこの状況下でヒト型に出来るのだから、師匠は相当怒っているみたいだ。


「ホアキン市長殿が話せないならオルキス司教殿にお伺いしましょうか、」

 精霊が師匠の手元を離れて聖堂のオルキス司教たちを取り囲んだ。前方にはアレハンドロ、後方には精霊に挟まれて、オルキス司教たちの分が悪くなる。

「さあ、話してもらえるかしら?」

 半ば脅迫しているレゼダさんが爪先で突くと、ホアキン市長は「わ、判ったからその手をどけてくれ、」と叫んだ。

 レゼダさんが爪を離すと、ホアキン市長は首元を擦って「もっとあっちに行ってくれ」と要求する。仕方なく一歩だけレゼダさんが離れると、オルキス司教が叫んだ。

「我々は何も悪いことなどしていませんぞ、」

「ああ、そうだ。我々は当たり前のことをしただけだ。」

「何をやったのかしら?」

「問題があるとしたら聖堂に研究施設の設置を許可したことぐらいだろうな。まさかあんな過去の遺跡を改造してしまうとは思わなかったが。」

「ん? 市長のあなたがしたのはたったそれだけって言いたいのかしら。」

 爪を立てて見せながらレゼダさんが問うと、ホアキン市長もオルキス司教たちも一瞬眉を顰めた。

「そうだ、他に何があるというのだ?」

「守護精霊様はどう説明するのヨ、だいたい橋に魔法をかけたのはあなた達でしょう?」

「守護精霊? 何のことだ。ああ、あの野蛮な召喚獣のことか。この国は神のさきわう国だ。街を守るためには人ではないものを街から排除するのは市長の務めだ。先々代の市長がはじめた悲願を先代市長が形に変えてこの私が定着させているだけのこと。何の問題があるというのだ?」

「はあ? もう少しわかりやすく説明しなさいヨッ」

 レゼダさんが睨むと、ホアキン市長とオルキス司教が顔を見合わせた。

「聖堂に教義に賛同した先々代の市長ホルヘンの依頼により、我が聖堂の技術を集結して橋に魔法をかけたのだ。それ以降はこの街に怪しげなものは入って来ていない。いや、入ってきているかもしれないが、人々の目には見えない。」

「どうしてなのよ?」

 オルキス司教が小さく咳払いをした。

「あの橋にはいくつかの魔法陣が敷かれている。選別するために、精霊王の神殿や竜王の神殿で祝福を受けた者に反応するようにできている魔法だ。魔力を持つ者は加護を得ようとするが、魔力のない者は必要としないからな。この国には魔力を持つ者は少ないし、持っていても生粋の皇国(セリオ・トゥエル)人なら女神の神殿での祝福を得る方を選ぶ。あの橋の影響を得るものはこの街では忌むべき者という目印になる。」

 ミルタさんやスティーノ青年をはじめから選別されていたのだ。馴染もうとする彼らの努力が空回りしているのだと思えて来て、いたたまれなくなる。

「地竜王の神殿も守護精霊もこの国では必要とされない人外なのだから、見えなくても何の弊害もない。」

「ねえ、ちょっと、じゃあ、どうして神官様たちにまで手をかけたのよ、」

「あれは、何と言ったかな、公国(ヴィエルテ)民たちの功績だ。私たちは彼らの申し出を許可しただけだ。」

「はあっ? 公国(ヴィエルテ)民が皇国(セリオ・トゥエル)で無茶するのをどうして皇国(セリオ・トゥエル)民が許すのよ? おかしいじゃないのよ?」

 レゼダさんは完全に我を忘れて言葉遣いが変わっている。きっと怒った人の基本の型がレゼダさんのお母さんなんだろうなと思ったりする。お母さんの真似ができるほど怒られてきたんだね、レゼダさん。

吟遊詩人(バード)の候子様ならエクスピアという存在をご存知だろう? あの者たちは先代のホナタン市長の時にやってきましたな、ホアキン市長殿。」

「ええ、我が義父の代にやってきて、失敗して帰って行ってくれたおかげで、後始末が大層大変になりましたな。」

「後始末…?」

 師匠が眉間に皺を寄せた。

「先代の市長の頃というと、先の大戦の後の混乱期のことだろうか、」

「そうでしたかな、公国(ヴィエルテ)の魔法使いどもがやってきて、竜殺しの邪法を行うと言って黒い甲虫(イズルリ)を使ったのに成功しなくて神殿が使えなくなり、片付けるために我が研究施設に一時保管する羽目になったのでしたよ。」

「ああ、そうだ、あの者たちはエクスピアなどという聞き馴染みのない名称をやたらと使っていたな。これといって成果もない公国(ヴィエルテ)の者たちというくらいしか記憶にはないが、聖堂の研究施設で一応働いていた者たちもいたような気がするな、」

「ああ、思い出しました。実験体を連れて逃げてしまった不届き者がいて、その者たちを狩るのに協力してくれたのがきっかけでしたな。地下迷路に逃げ込まれた時は本当に苦労したものですな、」

「オニキス司教様、その話は内密に、」

「ああ、そうでしたな、すみません、」

 公国(ヴィエルテ)出身の魔法使いの集団のエクスピアか。聞いたことない気がする。しかも地下迷路なんてこの街にはあるんだ。わたしは心の中に留めておいた。

「いいじゃないのよ、話しなさいよ。その地下迷路はどこにあるのよ?」

「ああ、ほら、オニキス司祭様のせいですからな。はあ、判りましたよ。この街は古代に作られた街の上に街を重ねて作っておるので、あちこちが地下でつながっておるのですよ。さあ、話しましたからもういいでしょう?」

「いいえ、まだヨ。地竜王の神官を殺すのに失敗したのよね? 後始末はどうやったのよ?」

「ああ、後始末と言っても起動石(スキップ・ストーン)を使って空間の中に押し込めただけだから、私たちは痛くも痒くもなかったですな。」

「面倒だったのは、エクスピアではない魔法使いどもが何故か嗅ぎ当ててうろうろし始めたことぐらいでしたな、」

「…あれは処理が面倒だった。随分聖堂に迷惑をかけましたな。」

 自分たちだけで判ったような顔をして共有しているホアキン市長やオルキス司教たちを睨みつけて、師匠が指先を向ける。

「処理とは、抹殺でしょうか。」

 図星なのか、ホアキン市長やオルキス司教は黙ってしまう。

「…もしかして、公国(ヴィエルテ)人だと判っていて、処理させたのですか?」

「仕方ないだろう! 閉鎖してあるはずの地下迷路に湧いたのだから。あの地下迷路には失敗作を閉じ込めてあるから閉鎖してあるのに、わざわざ自分から飛び込んでいったのだぞ。おかげで回収するのに随分と骨が折れた。」

「何を、回収したんです?」

 師匠の指が震えている。公国の魔法使いで自ら危険に飛び込んでいく者って、調査中の庭園(グリーン)管理員(・キーパー)のことだとしか思えない。

「生きている人間ですか? それとも?」

「生きていたはずだ。死んではいなかったが、起動石(スキップ・ストーン)で空間に留めたから、見つかった際は生きてはいないだろうが、な。」


 へらへらと笑った市長の耳の傍を、シュンと音を立てて師匠の指から風が放たれた。


「ひいっ」

 ホアキン市長の服の肩が少し破けた。

吟遊詩人(バード)のなのにあなた様は攻撃魔法を使うのか、詐欺ではないかっ」

「誰も魔法が使えないとは言っていませんよ。あなたは何を勘違いしているのです?」

 風使いの師匠は鎌鼬でもかけたのだ。精霊をヒト型に固定させながら魔法も使うって、師匠、無茶だわ。

「もういいだろう、話したんだ。さっさと出て行ってくれ。あんたたちには(ホーリー)騎士(・ナイト)を失った代償を請求しないでおいてやるから、」

「そういう問題じゃないと思うのよね、市長さん。」

 レゼダさんが再びホアキン市長の首元に指を向ける。

「まだ聞かないといけないことがあるのよ、ねえ、バンちゃん?」

「…お前たちさえこの街に来なければ、街は混乱せずに済んだのに。」

「あんたたち、冒険者を舐めてんじゃないわよ。」

 低い声でレゼダさんが唸った。

「街を守るなんて嘘でしょ。守るつもりがあるんなら守護精霊様を害するわけがないわ。地竜王さまのお力もそのままにしておくはずよ。だいたい地下迷路って何よ。失敗作って、どんなに思い上がった発言なのよ。実験した可哀そうな生き物を飼い殺しにするなんておかしいじゃないのよ。」

「お聞きしますが、地下迷路の入り口はどこにあるんです?」

 師匠が指先をホアキン市長に向け直して尋ねた。

「あれ、見てごらんなさいよ、あのバンちゃんの目、あれ、本気よ?」

「候子様…、落ち着いてください、」

「ア、アレハンドロ、ホアキン市長をお助けしろ、」

「オルキス司教、私が(ホーリー)騎士(・ナイト)ではなくなった途端、聖堂との縁故を全て葬ると仰いましたね? この市長室での話し合いを最後に私との面会は今後一切ないとすると。」

「最後の面会ぐらい私の頼みを聞いてくれてもいいだろうに。」

「私は暗黒騎士(ダーク・ナイト)になってから、どんどん心が侵食されていくようです。どうも、素直に話も聞けなくなりました。」

 暗い瞳で嗤って、アレハンドロは師匠を見て「獲物を取ったりはしない、安心しろ」と言った。

 威嚇なのか、アレハンドロはオルキス司教に向かって剣を向けていた。

「あなたたちは卑怯だ。無償で能力を提供させ搾取しておきながら、正しい情報すら与えてこなかったのだな?」

「な、何の話だ、アレハンドロ、」

「地下迷路にいるのは先の大戦で捕まえた捕虜だと私たち信者には説明したな? それがどうだ…、研究施設? 逃げ出したもの? 失敗作? どう考えてみても命を使って実験をした研究施設で作り上げた生き物を管理しきれず地下迷路に閉じ込めているのだろう?」

 研究施設の廃墟で見た設備や日記のような資料を思い出して、わたしは心が苦しくなる。エゴケロスを連想する。天使を作ろうとして失敗した生き物がまだ他にもいるなんて。しかも閉じ込められているとは、かわいそうすぎる。

「ホアキン市長、地下迷路はまだ閉鎖しているの? 閉鎖しているのなら、まだ中にいるのね?」

 わたしは堪えきれずに話しかけた。

「ビアちゃん、助けに行くんなら加勢するわヨ?」

「…ホアキン市長殿、言ってはなりませんぞ、」

「うるさいですね、お前の舌を先に切り落としましょうか?」

 師匠が指をオルキス司教に向けると、オルキス司教は他の司教たちの後ろに隠れてしまった。

「この、市役所の地下からも行けるが頼む、寄り道しないでこの街からさっさと出て行ってくれ、」

 ホアキン市長が切実な顔をして言うのが演技臭い。わたしはさらに不快になってしまった。

「寄り道するかどうかはホアキン市長の態度で決めましょうか。」

 師匠は意地悪く笑って提案する。

「橋にかけられた魔法陣の存在を公開するか、橋を作り直すか誓って下さい。ホアキン市長の態度次第でこの街でやり残したことを諦めて公国へ戻りましょう。さあ、どっちにしますか?」

 どっちにしたって軽い二択だわ、とわたしは小さく溜め息をついた。

 本当はもう一択あるのを師匠は隠していると感じていた。

ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ