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正道こそ王道  作者: マスター
01.血盟戦
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01:誓い

初めての三人称での投稿で不安いっぱいです。


ありきたりな異世界物かもしれませんが、

読者の方の大切な時間を潰せる作品にしたいと

頑張りますので生暖かい目で見てやってください。


(作者的に)心温まるダンジョン物を執筆予定です。

きっと、作者の思いが読者の皆様にも伝わる事を信じております。


 炎天下の中、水分補給をこまめに取りつつ行列に並ぶ人達。早朝だというのに既に1000人近い猛者達が順番待ちをしている。その並ぶ様子は、上空から見たら軍隊も真っ青な程に統率が取れており、事情を知らない者が見ればさぞ頼もしい連中だと思うだろう。


 並ぶ連中がダンジョンに挑む荒くれ者として揶揄される探索者だとしれば、その驚きが倍増する事は、間違いない。


 く言う、彼……ダオス・ベルトゥーフもその列に加わっている一人なのだ。細身ながら服の上からでもハッキリと分かる程の鍛えられた肉体。白髪交じりの黒髪に加え、顔に目立つ火傷やけどの痕がある一介の中年探索者だ。


 だが、火傷の痕を隠すかのように顔には、白い仮面を付けている。場所が場所なら、通報されるだろう。怪しさが(きわ)立ている。


「あ、あつい……」


 ダオスが愚痴を言うのも無理も無い。雲一つ無い天気に加え、真夏という最悪の時期。加えて、肌を一切露出しない服装に仮面まで付けていれば熱いのは当然だ。だが、ダオスは、とある事情(・・)で安全を図るために暑苦しい格好をしているのだ。


 早く、自分の順番がこないかと誰しもが思っているが、先は長いようだ。


 この統率が取れた規律正しい行列に並ぶ者達が全て『タワー・オブ・アダルト』に挑む者達だ。『タワー・オブ・アダルト』は、『ハイトロン法国』にあるタワー型ダンジョンとして世に知れている。だが、ダンジョンの名の通り……真っ当な場所であるはずが無い。


 事実!! その名に恥じない御立派なダンジョンだ。


 今では、世界に5つしか残っていない神の遺産と言われるタワー型ダンジョン……通称タワー。その1つに数えられる『タワー・オブ・アダルト』は、地上30階、高さ約300m程もあり建造物としては最高峰の高さを誇っている。


 だが、地上部以外に地下が存在している。

 

 『ハイトロン法国』の公式発表では、『タワー・オブ・アダルト』の地下62階まで報告があげられている。どこまで先があるかは、未知なのだ。


 数あるダンジョン中でタワーに、探索者が集中するのには理由がある。タワーの地下深くにある最深部には、世界の(ことわり)を覆すほどの宝が眠っているという事実があるのだ。欲望に目がくらんだ連中達が最深部にある宝を目指してタワー攻略に挑む。


 ただ、地下へ進むだけなら時間を掛ければ誰でも辿り着ける。当然、有史以来も攻略されていないのにはそれ相応の理由がある。


 第一に広い!! タワーには、未解明な魔法が掛けられており内部の広さが外見と一致しない。一階辺りの内部の広さは、平均して5キロメートル四方もある。その為、タワーがある隣国では内部から攻略するのではなく……タワーを掘り起こして、最下層から入ればいいのではないかと荒業を試みた事が過去にあり、残念な結果に終わった。掘り起こしに参加した数千人規模の兵士や民間人が開始して僅か一時間で謎の変死を遂げた。これにより、計画は頓挫した。文字通り、死ぬ気でやれば掘り起こせるだろうが死者の山でもう一つのタワーが完成する。

 

 第二にモンスターの存在だ。モンスター自体は、世界の至る場所に生息している。タワーでは、本来あるべき生息域を無視して多種多様なモンスターが出現する。何度倒しても時間をおいて、どこかに再出現するのだ。どのようなモンスターが何階にいるかなどは完全に運次第。下手したら、一階の入り口から屈強なドラゴンも出現するのは日常茶飯事だ。タワーに入る者の大半は、モンスター目当てなので強いモンスターほどお金になる事が多く、喜ばれる。モンスターの臓器や肉などは食料や嗜好品になるのだ。探索者の重要な収入源であると同時に国家にとっても大事な収入源となっている。

 

 第三にタワーごとに特殊条件が一つ存在する。これは、タワーに挑む者に一方的に課せられる条件で『魔法封印』『聴覚封印』『老化促進』などが存在している。特に、『老化促進』は、特殊条件の中でも極めて強力。24時間毎に強制的に一歳老化が進行する。『老化促進』は、他の特殊条件とは異なりタワー外にでても解除されない。その為、『老化促進』の特殊条件を持つタワーは、一般開放もされているが……専らの利用方法は、犯罪者の牢獄として活用されている。

 

 第四は……。


「順番ですよ。次の人、前に進んでください」


「はいはい~」


 タワー管理を行う女性国家公務員に呼ばれたダオスは、前へと進んだ。ようやく、前に並んでいた探索者達がさばけたのだ。


「近隣階層の注意事項は、何かありますか?」


 エース銀貨一枚が女性国家公務員にコッソリと渡された。安全は、無料(タダ)ではない!!金で買う物だ。ランチ三日分程度の出費で生存確率が上がるのならば、費用対効果は十分である。


「いつも通りの特殊条件のみです。……と、言いたいですが、ここ2日間で15階と18階で殺人があったので、上に向かわれる場合は御注意を」


「ありがとう」


 ダオスは、タワー上部に目を向けた。


 『タワー・オブ・アダルト』の特殊条件は、『ダメージ反射』というタワーの特殊条件でも極めて悪質な部類である。その為、誰も攻略に挑まないと思われるが、他のタワーと違い絶大な人気を誇っている。


 なぜなら、このタワーは唯一人型モンスターが出現する。人型ではあるがモンスターは、モンスターだ。人類が話す標準語とは異なる言語を話すが、探索者達にとってはそんな些細ささいな事は関係ない。

 

 人型モンスターは、男女問わず美男美女揃い。極めて希に若い個体が出現する。それ故に、一部の者達に大人気なのだ。更に言えば、若い個体の方は大人の個体と比較して物覚えがよく、標準語を学ばせるのには最適だ。おかげで、15前後の思春期の子供達まで列に並んでタワーに挑む。

 

 夢見る者達と言えば、聞こえはいいが……色々な意味で末期である。そういった連中は、夢に溺れて溺死したほうが世のためになるだろう。


「では、認定証の提示をお願い致します」

 

「ダオス・ベルトゥーフ29歳。3級探索者」

 

 『ハイトロン法国』が発行した認定書を女性国家公務員が確認する。認定書には、氏名、年齢、等級、所属血盟などの情報が記載されている。紛失した際は再発行されるが、本人確認や紛失時の等級情報などを確認するので非常にお金と時間がかかる。

 

 探索者には、1級から5級までの等級が存在する。1級が最上位で5級が最下位であり、3級だと探索者としては中堅に当たる。ダオスの年齢を考慮してみれば、妥当な等級である。

 

 大事な事だが、ダオスの目的は金で人型モンスターではない。趣味嗜好は、人それぞれだ。ダオスは、人型とは言えモンスター相手に欲情するとか頭にうじが湧いているんじゃないかと考える健全な精神の持ち主だ。

 

 動物から人へと感染する病も存在する。そこから考えれば、モンスターから感染する病もあるのだ。だが、それを信じる者は少ない。目に見えない病原菌という存在を信じる者が殆ど居ないからだ。仮に存在が証明されたとしても、可愛ければ問題ないと考える思慮の浅い者達が続出するだろう。


 しかし、ダオス自身も病原菌などという極小の存在は目に見えていない。だが、尊敬する祖父の手帳には病原菌、微生物といった存在について記されている。他では聞いたことが無いような法律や魔法以外を動力源とする科学といった存在も記されており、前衛的な……悪く言えば、異端の考えが示された危険物だ。


「雑談ですが、人型モンスター情報は?」


「あれば、この列が今の数倍にはなっているでしょうね。こちらとしては、出現して欲しくありませんよ」


 その通りだとダオスも思った。


 昨年度の冬に地下40階に人型モンスターが出現したという情報が出回った。その際は、タワー入り口は当然として、内部も溢れんばかりの人が集結し、とんでもない大事件になった。


 人型モンスターが出現するタワーを有している『ハイトロン法国』のオークション会場ですら、人型モンスターは年に1回お目にかかれば良い方だ。当然、その販売価格には0が沢山つく。最低落札額ですら、一般市民なら人生を100回遊んで暮らせる金額になるのだ。

 

 そんな馬鹿げた値段の品物を誰が購入するかといえば、国家の重鎮達や豪商などの掃いて捨てるほど金を持っている連中だ。人型モンスターを従えている事が一種のステータスとして、社交界では常識となっている。オークションに出品すれば間違いなく天井知らずの値段が付く。この時点で、人生の勝ち組への仲間入りが確定する。売る方としては有難い限りだ。


 よって、下手に見つけて確保しても然るべき準備が必要になる。間違いなく、殺してでも奪い取るという考える輩が現れるのだ。それだけの価値は、十分にある。よって、昨年度の冬は、人型モンスターを巡り所有者が30人ほど変わった。その間、死亡者は500人を超えていた。


「――あぁ、この血盟……”(ちか)い”持ちのお方でしたか、認定書の提示ありがとうございます。それでは、良い狩りを」


「ありがとう。では……」


 ダオスが女性国家公務員に挨拶をして、これからの計画を再確認しつつタワーへと足を踏み入れた。


 “(ちか)い”とは、自らに制約を課す対価として様々な能力や特性を得る事ができる契約魔法の一つである。制約の内容が重い程、得られる対価は大きくなる。更に年を重ねるごとにその能力はより強大な物になる。

 

 だが、制約内容があまりに重たい為、この契約魔法を使う者は殆ど居ない。むしろ、”(ちか)い”の発動条件を満たせない者が多いといった方が事実である。


 その発動条件は、たった五つしか無い。

 ①.契約魔法の使用者が10歳未満である事。

 ②.童貞又は処女である事。

 ③.自らの意思で発動させる事。

 ④.邪竜ネセサリウスの逆鱗を用意する事。

 ⑤.制約内容を理解している事。

 

 そして、なによりえげつないのが……制約内容として絶対に課せられる『異性との肉体的接触の禁止』がある事だ。これにより、素肌の部分に異性の肉体が接触した瞬間、制約を守らなかった事になり絶命するのだ。


 年端もいかない子供が生涯異性との接触を断つ覚悟と対価を差し出して挑む契約魔法なのだ。


 ダオスが所属する血盟は、全員が”(ちか)い”持ちという世にも珍しい。更に、全員が各々で活動をするソロ専でもある事で更に拍車がかかっている。奇人変人の集まりとして、探索者間では、名が売れている血盟――『ゴスペラーズ』だ。

世界観は、リネージュ2を基本にFFの魔法という感じのざっくりとしたイメージ感です。

細かいところは投稿しつつ修正して、つじつま合わせをする予定です。


感想やコメントを頂ければ幸いです。

作者のやる気の養分となりがんばっちゃいます!!


PS:

作者は、メンタル弱く口下手なので、お手柔らかにお願い致します><


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