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啼く鳥の謳う物語

遊杏の折鶴

作者: フタトキ

「僕は二之宮蓮(にのみやれん)。二之宮遊杏(ゆあん)の保護者代表」

「そして――」と言葉を続ける蓮。

「彼は崇弥洸祈(たかやこうき)。子持ち代表」

「よろしく」

洸祈が車椅子の蓮の隣に立ち、頭を下げた。

「彼は司野由宇麻(しのゆうま)。一般人代表」

「司野です。よろしくお願いします」

車椅子のグリップを握った由宇麻も蓮の背後で頭を下げる。


「で、あなた達は教師代表」


と、最後に蓮が瞳を細めてスーツの男女を見上げた。




さて、午後1時半のことだった。

俺が電話で蓮君に「今直ぐ僕の家まで迎えに来て」と言われたのは。

勿論、木曜日の午後は仕事中だったが、蓮君もそんなことは分かっているだろうし、彼に頼られたら迎えに行かない訳にはいかない。

監査の予定もなかったため、直ぐに瑞牧(みずまき)さんに事情を話して半ば無理矢理退社した。

そうして蓮君の家に車を飛ばすと、二之宮家には蓮君と崇弥がいた。

崇弥も蓮君に呼ばれていたらしく、しかし、蓮君はその理由を話してはくれなかった。

彼は理由は道中で話すと言い、俺の車に皆で乗り込み、俺は蓮君の指示通りに車を走らせながら彼の話を聞いたのだった。



「じゃ、最初から説明してくれる?」

遊杏ちゃんの通う小学校の校長室にて、まず、遊杏ちゃんの向かいのソファーに座った蓮君が髪を揺らして遊杏ちゃんに訊ねた。

校長先生と遊杏ちゃんの担任の先生に挟まれてソファーに座る遊杏ちゃんはずっと俯いたまま何も言わない。

と、担任の若い女の先生が口を開いた。

「今日のお昼休みの時間のことです――」

「ストップ!」

蓮君が短く大きな声で担任の先生の話に割り込む。

いつも静かに相手の話に耳を傾ける蓮君にしては珍しい行為だ。

やはり、大切な遊杏ちゃんのことだから気が立っているのだろう。

「何で先に当事者じゃないあなたが話すんです?その場にいて現場を見ていたんですか?」

「あ……いえ……周りで見ていた子の話を聞いただけで……」

「つまり、現場を見ていないと」

「ですから、現場を見た子達の――」

「別にその子達の証言を否定する気は全くないですけど、この場の優先順位は当事者達でしょ?それに、先生が僕を呼んだのは遊杏を責める為なのはもう知っている。だから、あなたの話を聞くのは後にしたい。言いたいこと分かります?」

かつこつ。かつこつ。

蓮君の爪が先生達と俺達の間を埋める重厚なローテーブルを叩く。

不愉快な気持ちや苛立ちを行動にして示す蓮君に担任の先生は口をつぐんだ。そして、担任の先生は助けを求めるようにチラチラと校長先生を見る。揉め事は避けたい校長先生は蓮君の要求に応じ、「坂本(さかもと)先生、二之宮さんに先に話して貰いましょう」と隣に座る遊杏ちゃんを見下ろした。

「校長先生……分かりました。二之宮さん、話してくれる?どうして(はら)さんに意地悪した――」

「ちょっと!」

あらら。

蓮君が遊杏ちゃんの背中に手を当てた担任の坂本先生に再び声を荒げた。

「“意地悪”って何?あなたは見てないんでしょう?“泣かせた”なら兎も角、“意地悪”かは言い切れないはずだ」

「す、すみません……」

坂本先生は蓮君の容赦ない睨みに萎縮する。普段の俺なら蓮君の毒舌は蓮君の尊重すべき個性として温かい目を向けるが、一般人代表の俺としては、昨今のモンスターペアレント問題を沸々と思い出していた。モンスターペアレントに絡まれる坂本先生……気の毒だなぁ。

「遊杏、原さんにいつ何処で何をどうしてしたのか、その結果、何が起きたのかを僕に話してくれる?」

遊杏ちゃんに視線を合わせるように頭を下げ、首を傾げる蓮君。

そうして2分。

「………………にー……」

遊杏ちゃんは蓮君の問い掛けに暫く無言だったが、やがて重い口をゆっくりと開いた。



「つまり、今日のお昼休み、教室で原さんに怒鳴り、泣かせた。何故なら、遊杏が折った鶴を握り潰したから。そう言うことだね」

「うん」

こくりと頷いた遊杏ちゃんは握っていた拳を開き、くしゃくしゃになった花柄の鶴を見せた。

これは酷いなぁ。

蓮君はそれを見て爪でこつんと音を立てる。

無言の圧力だ。蓮君がキレてる。

その時、坂本先生が一歩前に出た。勇気ある先生だ。

「けれども、二之宮さんは学校祭に出す出し物の映画の撮影に協力しないで、それを注意した原さんを――」

「ちょっと、先生。事実を言えないなら、後にしてくれません?」

蓮君が今度は苛立ちを隠さずに、ぎろりと不快感を顔面に目一杯表して坂本先生を見た。

俺は「まあまあ」と蓮君を宥めてみるが、坂本先生も不満そうな顔をして「すみません」と小声で謝る。

保護者と先生がギスギスして悲しむのは遊杏ちゃんなのにな。

「先生の話を“事実”に変換するなら、学校祭の出し物に、遊杏のクラスでは映画を作ることになった。今日の昼、その映画の為の撮影が行われる予定になっていた。しかし、遊杏は折り紙をしていた。原さんは遊杏の鶴を握り潰した。だ」

「私はそう言って――」

「あなたは“協力”と言った。そもそも“協力”が成り立つ前提だったんですか?あなたは僕の言ってること分かります?分からないなら、安易に“協力”とか言わないでいただきたい」

そんな蓮君の早口に崇弥と遊杏ちゃんは無言で、校長先生は困り顔。坂本先生は「はい?」と語尾を上げ、蓮君に対して変人を見る目付きをする。

一般人代表の俺は言うことなしだ。

「僕は学生生活が大嫌いだった。何故って?教師は馬鹿の一つ覚えみたいに協力を求めてくるからだ。協力を強制してくる。好きな子と二人組になって?はっ!!あなたのグループは偶数だったか、端数の子を無視して自分だけ良ければいい精神だったんだろう?ああ!本音と建前について教えてるつもり?子供は学校で他者の切り捨てについて学ぶんだ。厳しい世の中についてね!!」

「もうちょい静かにな、蓮君」

蓮君の言いたいことは分からないでもない。

でも、俺は学校に行ったことがない。所謂、通信教育だ。

俺は同年代の友達がいなかったから、二人組になっては辛いのかもしれない。3人友達でも辛いのかな。

そもそも、俺の考える学校はクラスの皆が友達同士だと思っていた。

テレビ番組でも、小学校の運動会でクラスの皆が一丸となって優勝を目指していた――ように俺には見えていた。その裏では蓮君の言う通り、どろどろの人間関係が……。

「それこそが協力の強制だ」

「そう……なんか?」

俺の思考に返事をありがとうな、蓮君。

「私達は子供達の将来の為に、コミュニケーション力を幼い時から養って――」

「コミュニケーション?没個性と言ってくれる?同じように会話して同じように笑って同じように考えて、そんなのを増やして将来の為になる?生徒の見本であるあなたはきっとコミュニケーション力があるんだろうね?世の中の奴ら皆があなたになるんだね。僕は嫌だ。でも、あなたがナルシストなら素晴らしい世の中だろうね」

坂本先生は言葉を失っていた。

そうそう。蓮君には何を言っても屁理屈で返ってくる。

どこまでその屁理屈に堪えられるかで蓮君と上手くやっていけるかが決まるのだ。

出会いがこれだと、坂本先生は無理そうだ。

「二之宮、そろそろ杏の話に戻ったら?ちょっと逆恨み入ってる気がする。言いたいことは分かるけど」

崇弥がこの息苦しい空気を裂くように伸びをする。俺もこの機会にと足を伸ばした。

「そうだね。論点がズレた」

いかに蓮君が学校が嫌いかの話になっていた。

「学校祭の出し物だっけ?どうせ多数決だろう?」

「はい。最終的に3つの中から多数決に」

「遊杏は映画に投票した?」

ふるふると遊杏ちゃんは頭を振った。

しかし……いつも元気な遊杏ちゃんが暗い。大丈夫?と声掛けしたい。

問題の先送りは良くないが、正直なところ、小学校で起きた他愛ない生徒のいざこざで保護者を呼びつけるとは。まるで遊杏ちゃんへの尋問だ。気分が悪い。

――ていうのは保護者代表の蓮君か子持ち代表の崇弥の台詞か。まぁ、蓮君は既にそう感じているからこそ、こんなにもイラついているのだろうが。

「遊杏は映画撮影で何の役職なんだ?それはどういう方法で決定された?」

「クラスの皆が何かしらの役として映画に出ます。シナリオや配役は生徒達が」

「良くある話だな。皆が平等に役者を演じるわけだ。一部の生徒が動かない皆の為に仲良しグループで集まって脚本作るんだろう?通行人A、通行人B、主人公の妹、弟……力作の脚本を皆に配る。皆の配役は決めといたよ。じゃ、今日から毎日昼休みは撮影だからね。台詞覚えてよ。リーダーの卵の完成だ。リーダーはもう悦に入ってるからね、逆らったものは排除される。いや、クラス行事だから簡単に排除は出来ない。それよりも皆の為に頑張るリーダーを侮辱した罪だ。1、注意。2、文句。3、実力行使。4、無視。3と4は交換可」

蓮君の一言一言に熱が入っていた。

実体験に基づく説明なのはその語り口調から分かる。

蓮君の逆恨みは止みそうにない。

「そんなことはありません!皆、協力をして――」

「だから、最初から協力なんてない!」

蓮君がばこんとローテーブルに拳を落とした。

坂本先生と校長先生が逃げるように背中を仰け反らせる。

「確かに、多数決は民主主義の象徴だ。だけどな、多数決の裏には必ず少数意見が存在するんだ。それらを真摯に聞けとは言わない。だがな、多数派が自分達の意見は全員の意見と勘違いすることは許さない。学校祭の出し物が映画作成になろうと、遊杏が役者になって撮影に協力する筋合いは皆無だ。元から協力体制なんてないんだからな!勝手にやってろ!」

「蓮君、怒り過ぎや」

学校側としては保護者に一緒に遊杏ちゃんを叱ってもらう筋書きだったのだろうが、相手は蓮君だ。

遊杏ちゃんを激愛している。

確かに、彼が我を失うことはないが、明らかに遊杏ちゃんが黒だと言う証拠がない限り、彼は譲らない。序でに今回は、部外者の俺としても遊杏ちゃんが全部悪いとは思えない。

折鶴が壊されたのだから。

「お言葉ですが、二之宮さん」

とうとう校長先生が意見を口にするようだった。

坂本先生では埒が明かないと判断したらしい。上級クレーマーの相手に手を焼く店員の代わりに店長が出て来るみたいな。

しかし、彼の目にははっきりと「もう家に帰りたい」と言う想いが滲んでいた。

先生側も退くに退けないのは分かるが……長くなりそうだ。

「何ですか?校長先生」

「確かに少数意見も大切です。ですが、学校は集団生活を学ぶ場なんです。時には他人を思い遣り、妥協することも――」

「お言葉ですが、校長先生。遊杏に“コミュニケーション力”と言う名の没個性を押し付けないで欲しい。遊杏に思い遣りも妥協もないと?ありますよ。ただ、今回の昼休みの件に関しては妥協出来なかっただけだ。どこまで思い遣り、妥協するかは遊杏の意思だ。だから、衝突する時は衝突するさ。大事なのはその後で遊杏が何を感じたかだ。あなた達に遊杏が責め立てられる理由はどこにある!それともあなた達は全てに正しい人間なのか?」

「しかし、二之宮さんだけを特別扱いするわけには――」

「僕の話が理解出来なかったのか?遊杏を特別扱いしろとは言ってない。寧ろ、遊杏の意思は遊杏の意思として、特別扱いせずに扱えと言っているんだ。それとも、この学校では個性や自分の意思があることが特別なのか!?家族の為に折っていた折鶴をぐしゃぐしゃにされて怒った遊杏が特別か!?」

遊杏ちゃんの強張り固まっていた肩がぴくりと震えた。

膝の上の両手に乗せていた鶴の残骸をぎゅうと握り締め、ワンピースに押し付ける。

「崇弥、意見は?」

蓮君が言いたいことを全部ぶちまけた後で崇弥の意見を求めるのか……。

蓮君は肩を怒らせ、呼吸が荒いまま隣の崇弥に顔を向けた。

崇弥は蓮君と先生達の視線にびくつくと、気まずそうにテーブルの端をじっと見詰めた。そして、ゆっくりと途切れ途切れに語り出した。

「子持ち代表としては……子供には自由に育って欲しい。でも、皆が自由だと、子供同士でぶつかるのは避けられない。だけど、ぶつかった時は、その時に痛くならない方法を考えればいいと思う。大人は考える手助けをするだけ。あくまでも手助けね。だって、大人でもぶつかる時はぶつかるし、大人だからって完璧じゃない。子供の意見を真っ向から否定できるほど、俺達は完璧じゃなければ、偉くない…………以上です」

耳は赤くなり、崇弥が蓮君を挟んで俺の膝を見ている気配がする。

どうやら、蓮君のお怒りに影響されてか、人見知りモードに入ったらしい。崇弥の体調や気分は本当に移り変わりが早い。

そして、蓮君は「ふむ」と頷くと、俺を見た。

「由宇麻君は?」

やはりこうなったか。

俺の順番らしい。

「一般人代表……としては……」

俺も崇弥のようにテーブルの端を見た。

序でに人見知りモードになりそうになる。

――が、今は抑える。

「あんまがみがみ言うんは良くあらへんと思う。遊杏ちゃんの年齢なら皆、自分の意見持っとるんや。個性の現れや。せやのに、皆の意見聞かずに一般論並べ立てて一方的に責めるんは、それこと大人げないで。……これ、一般人代表なんか?」

「いいんじゃないの?」

蓮君には「一般人代表」の称号を貰った時に「第三者目線でよろしく」と言われたのだが、蓮君曰く、俺の意見は「一般人代表」らしい意見だったようだ。

それに気を良くした俺は「子供の喧嘩に大人が無暗に首突っ込むのも良くないで」と意見に付け足しをしていた。

「じゃあ、先生達の意見は?」

「え……あ…………」

「意見なし。子供の自主性に任してくださる、と。帰りますね。由宇麻君、車椅子いい?」

「あ……うん」

不意だったらしく、言葉に詰まった先生陣を10秒待ってから帰り支度をする蓮君。

順番と言えば順番だが、もう少し時間をあげても良かったのに……蓮君はここに後1分1秒もいたくないのだろう。

俺が畳んだ車椅子を開き、崇弥が蓮君を抱えて座らせる。

そして、

「遊杏、帰るよ」

遊杏ちゃんを振り返った。

遊杏ちゃんはくいっと素早く坂本先生を見上げ、彼女に「さようなら、二之宮さん」と言われると、直ぐに立ち上がる。校長先生の前を駆け、蓮君の車椅子のグリップを握った。

「鶴は大丈夫。帰ったらアイロンでシワを取ってあげるから。また折るといい」

「……うん」

崇弥は遊杏ちゃんのランドセルを。

俺は折鶴を受け取った。

そして、最後の退室者として茫然自失の先生達に頭を下げ、俺は「お世話になりました」と分厚いドアを閉めた。

本当にお世話になった。





「杏、原さんって人には謝って貰ったのか?」

「…………二之宮さんが泣かせたって皆に言われた」

俺が運転席。

蓮君は助手席。

後部座席の崇弥が遊杏ちゃんに膝枕を提供しながら訊いた。

遊杏ちゃんは相変わらず自分からは何も言わず、元気が取り柄のはずの子供が、荒波に揉まれ疲弊するだけの社会人みたいになっている。

日本の未来は暗い。

「糞餓鬼共め……殺してやる……」

「蓮君、抑えて抑えて」

大人げないで。

「杏は大人だな。良く堪えた」

「……にーが怒られるから……怒られちゃったけど」

「あいつら教師下ろしてやろうか」

「蓮君、コネと権力乱用はあかんで」

遊杏ちゃんがしょんぼりで、蓮君はイライラ。

今日は良いことのない日。今日がこのまま終わるんは嫌やな。

「偉かった遊杏ちゃんに俺がケーキ奢ったるよ」

「本当!?」

顔を上げ、崇弥の膝にちょこんと座った遊杏ちゃん。

萎れ気味だった遊杏ちゃんの髪がぴょこぴょこと跳ねる。

髪の跳ね具合が遊杏ちゃんの元気に連動してるのか。

それを見た崇弥も興味津々で遊杏ちゃんの髪を弄る。ツインテールを作るようだ。

「由宇麻君、ケーキは僕が買うよ。寝込んでる董子(とうこ)ちゃんにもケーキ買ってあげないと拗ねちゃうし」

「董子さん寝込んどるん?」

「ここ最近、急に冷え込んだからかな。頭痛がするらしくって。辛そうだったから今朝から仕事は休みにして貰ったんだ。遊杏の鶴、あれは董子ちゃんが早く治りますようにって千羽鶴折ってたんだ。別に重病ってわけなんじゃなくて、2・3日で良くなる。だけど、いつも元気な董子ちゃんが突然元気なくなったから不安になったんだと思う」

折鶴にそんな理由があったのか。

蓮君も不安そうだ。

「ケーキは俺の奢りや。董子さんにも蓮君にも」

「俺、チーズスフレ」

「崇弥にもな」

「ボクチャンはモンブランタワー!マシュマロ添え!」

「あー。うん」

そんなケーキあるんかな……。

しかし、バックミラーから喜ぶ遊杏ちゃんの顔を見て微笑む蓮君の姿を見たら、俺の心は満開の花畑みたいに満たされた。

今日は良い日だ。

~おまけ~


「にー、カレンダーに、今日はザメンホフの日って書いてある。ザメンホフって何?」

「ルドヴィコ・ラザーロ・ザメンホフさんの名前。今日は彼の誕生日なんだ」

「ルド…………誰?にーの友達?」

「違う違う。世界には色々な言語があるだろう?日本語や英語やフランス語……違う言語の人同士で話そうとしたら、どちらかは相手の言語を自分の言語に変換できないといけないだろう?彼は日本語でも英語でもフランス語でもどの国や民族の言葉でもない、全く新しい世界共通の言語を人工的に生み出そうとした人なんだ。この言語をエスペラントと言うんだ」

「地球って国の言語を作ろうとした人ってこと?」

「そういうこと。エスペラントに関してはまだまだ研究されている分野なんだよ」

「もしその言葉ができたら、ボクチャンもくぅちゃんのうーちゃんラブな発言を理解できるようになる?」

「崇弥のロリコン発言と陽季君の変態発言辺りはきっと誰にも理解できないし、できなくていいし、できたくないから少しも気にしなくていいよ」

「りょーかい」

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