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日常日記  作者: 七宝しゃこ
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枯渇状態のあたし

生きていきたい道を否定され続けた鳥の雛は、手のひらの中で息を引き取り、

子供たちは、過去の戦争の残滓ざんしである地雷の埋まる大地を走り回り、年間数百人の命が奪われる。


ワシントン条約で、行き来ができなくなった生き物が密輸され、

老齢の象は天寿を全うし、動物園には空の檻が増えていく。


日本ではガンや心臓疾患で亡くなる人に迫る勢いで、自ら命を絶つ人もいる。

あたしも、何度か命を絶とうと数百錠の睡眠導入剤を一気に飲み込んだ。


そのまま横になって、孤独死を願った。

しかし実際は、1日半眠っただけで、その後は虚脱感と、体が安定しない、ぐらぐらする……気持ちが悪い……と一週間苦しんだ。


その前に何度か繰り返したときは、胃の洗浄と、点滴。

点滴の痛みと、もうろうとする意識で暴れまわり、最後には手を拘束された。


残ったのは青アザ……そして後悔。

ただ自殺未遂は追い詰められていたことと、寂しかったから……。


でも、その寂しさと言うのは、自分自身がそう思うだけで……ただの甘え。

でも、一言言わせてもらえば、自己破産をしたことで借金からは解放されても、世間の信用は失われている。

その自己破産が、あたしのためではなく、実家のビルの電気代水道代の立て替えだったとしても……あたし自身がカードから借りたのだから自業自得。

返してくれると言う口約束を信じた私が愚かだっただけ。


でも、その代償はあたし自身の支えだった、心が壊れ、家族ともぎくしゃくし始めた。

家族は、あたしを助けてくれると思っていた。

あたしは家族のために300万円も借金をしたのだから……。

毎月家に収入のほとんどを入れていたのだから……。

家のために、買い物をしたり、バイトも増やしたし……。


それが甘ったれたそれであったのを知ったのはすぐだったけれど……それでも……。




それが、愚かなことだと知ったのは……そんな家族なんか見捨ててしまえと思いきるまで、時間はかかったけど、ようやく最近は家族からの電話が来る方が怖くなった。


あたしは、幼い子供だったのだな……。

最近そう思う。

そして、もうひとつ思うのは、好きだった生まれ故郷を捨てたい。

大嫌いな……苗字を捨てられないのだから、生まれ故郷を捨てても良いだろう。



がらんとした動物園の檻には手書きの札が掛けられ、


『○○年○月○日

○○ちゃんは天国に旅立ちました。

○○才でした』


とある。


寂しい文章だが、飼育員さんの気持ちが伝わる絵がかかれてある。


あたしがもし、動物園の動物だったら、それだけでも幸せだと思う。

孤独が苦しくて、悲しくて、寂しくて気を引こうと思っても、


「何考えとんぞ‼迷惑かけるなや‼」


と、言いたいだけ怒鳴った後に電話を切る家族よりも、心がある。

愛情がある。




あたしは、愛情枯渇状態で、愛情の意味を探す。

ここでは、見つけられそうな気がする……。

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