『フジ』から
牙一族はツィリーが率いる部隊とカウの率いる部隊に別れて出発した。
ツィリーの率いる部隊、ツィリーの右手腕、スィーラ、闇の戦士ジュリ、ドラゴンナイト、イリを中心にウニバルゾの空間にでた。途中、スィーラと別れ『リバー』で一番高い山『フジ』に向かう。
右手には薄い紫色を放つ、『気の谷』を守る岩山がかなたに見える、その頂きから続く緑の森の左右を銀色に輝く川が流れている。
イリは風の気をはなって様子をさぐるこちらには異様な気はない。
「あちらに敵の艦隊はあるみたいだな。」
反対側を見ていたジュリが手を目の上にあてて物見のモードだ。
ジュリはイリやスィーラと違って気を読んだり操るのは苦手だが能力を高めるとかなりの範囲まで目で見れる。
「ジュリかわろう。」
ツィリーは気の風を操っているが無言だ情報を集め整頓しているのだろう。
「ああ、こちら側はメチャクチャだぜ。『タイガーの丘』の『森の泉』のあたりに銀色のもんがある。」
左側を見ると緑はとぎれてる遠くで炎があがる。
そこに気を集中させるとここを収めるパリスの気があった。
銀色の鳥が舞うのが見えた。
こちらに向かって飛んでくる。
紫の輝く尾羽、『雲の谷』がある鳥の郷の長バードのとこに住まうティアだ。
「イリ、ジュリ偵察を続けてくれ。」
ツィリーの方へ知らせに行こうとして止められる。
パリスの気があるあたりから火柱が立つ。
「ジュリちょっと来てくれ。」
ジュリを呼んで見てもらう。
「ヒディーだなあれは、パリス様はたぶん川のとこにいるティトゥリーいやエメのとこに向かってる。木で見えねえけど敵さんがあの辺にいるってことだな。」
ジュリが顔をしかめる。
「ヒディーがいるならしばらくはだいじょうぶだな。」
イリがつぶやく、遠くに見える赤茶けた大地にポツリポツリと見える色とりどりの光、その向こうにある山からしきりに炎が上がっている。
「今、バードから伝言が入った。パリス様が聖獣達の魂集めに行かれたと、私とイリはひとまずパリス様の護衛に向かおう。他の者はジュリに続いて地の郷に向かってくれ『青の池』で落ち合うことにしよう。ジュリ頼んだぞ。」
ハッとジュリが返事をし愛馬レッドに乗る。
「みなこの地を守るために覚悟あるか?覚悟ないものはここに残るがいい。根性なしはあしでまといだ。」
ジュリの言葉に数人ためらう。
「行こう、戦士の血が騒ぐぜ。」
レッドの腹を蹴って下って行く。
「スィーがどちらに行くかは彼に任せよう。行こうイリ。」
牙龍を動かすマリアも続く。
『地の郷』に向かうジュリと戦士達、『リバー』を収めるパリスを救いにいったイリとツィリーはたしてどうなるか?