出発
妻、ユンの出産を控え安全を考え『ラピス』に一時避難をすることにしたツィリーだがスィーラ達の反論で戦いに参加することを決意する。
ネプチューンでゆいつ機械化されてなく惑星と呼ばれる『リバー』、『風の民』達も最近、機械化が進んだ『マホロボ』から牙龍達のために移動してきた豊かな水と大地に恵まれた惑星にロボット一団が攻めてきてから牙一族を率いるツィリーはミィスリルに寄り添うようにある『ラピス』に一時避難を決意した。
「ツィリー様、俺はなっとくできません。あそこに住まう者を見捨てこの地で我々だけが平和に過ごすなんて。」
ツィリーの右腕でもあるスィーラが珍しく激しく抗議の声をあげた。
「そうだな、妻の出産も控えていたんでつい焦ってしまった。」
スィーラが肩で息をきらせる。
声を荒げることないスィーラが声を荒げたのでスィーラの守龍の風龍の混血ジュピターが驚き暴れ出しそうになったのをジュリが抑える。
「俺も同感です。ユン様がご心配なのはわかりますが逃げ出すなんて。俺は一族抜けてでも『リバー』に戻ります。」
イリも声を荒げたいのを抑えていう。
「イリ、抜ける必要はない。牙一族は本来は戦う戦士の一族だ。残りたい物は残すが、私が先頭に立ち応戦にいこう。」
ツィリーの決定は風の伝言で集落に伝わった。
『風の民』の戦士達は牙龍か馬に乗る。
タウン、惑星から他へ移る時はスィーラのように魔術に長けている者がつくる球に馬に乗る組みは包まれて進む。
「これだけの人数をスィーだけでは無理だ。カウ、補佐を頼んだぞ。」
薄紫の牙龍にのる男性にツィリーが声をかける。
「ハイ、ツィリー様、鳥の娘達からの情報によりますと。敵は今、『星の草原』、『水の郷』、『地の郷』周辺にいるようです。私は『星の草原』にいらっしゃる、ホセ様を応戦いたします。ツィリー様は『地の郷』に向かうのがよろしいかと思われます。『水の郷』にはカズラ様やすぐれた者達がいるのでだいじょうぶでしょう。 後は『リバー』に着いてからまた風の伝言を送ります。」
カウのことばにツィリーが肩手をあげ御意をしめす。
「では出発だ。」
イリの横にジュリが並ぶ。
「鳥の娘のほうが賢いよな。」
小声でイリにつぶやく。
まったくだ、昔は勇敢に戦ったらしがいまや戦いに進んで参加したがらない。
大人数といっても織の女の夫と鳥の娘達の父親ばかりだ。
「ヤレヤレ、我々は平和に慣れ過ぎて他の民との交流もおろそかだ。そこから無事に帰ってきたらやらなくてはならないな。」
フーとイリはため息つく。