実力
ゴブリン3体が全速力で突っ込んでくる。雑魚モンスターなのでそこまで難しい動きはしてこない。だがダメージは今の俺たちに取っては致命的だ。当たらないこと前提の動きが必要になってくる。
『ほっ!』
《は?》
《何が起こった?》
《いつのまにかゴブリンの首が飛んでたんだけど》
俺もコメント欄の視聴者も驚いた様子だった。いくらゴブリンが弱いとはいえあんな動きそうそうできない。桜さんはゴブリンの突進を避けると同時に流れるように首を刎ねたんだ。
『ねぇ!みたみた!凄いでしょ!』
「凄いですね」
《すげぇ!》
《配信者の中じゃ上位の上手さじゃね?》
《強くて可愛いとか最強かよ!》
「油断はできませんよ。次が来てます」
『ふふーん、マネージャーさんの出番はないかもですねぇ!』
そのセリフ通り俺は何もやらずにボス部屋まで来ていた。
『ふぅ、流石に疲れましたねぇ』
《あんな動きずっとしてたらそりゃそうなる》
《逆にあの動きをあれだけして疲れたで済んでる時点でバケモン》
《マネージャーはたらけー!》
「ふむ、視聴者の方々の中には私の強さを観たい方もいらっしゃるようですね」
『あー!私も見たいです!マネージャーさんの実力!』
そんな話をしていると都合よくウッドウルフが現れた。ウッドウルフは名前の通り木でできた狼の形をしたモンスターだ。魔法使いからしたらただの経験値でしかないが、剣士たちからすると結構めんどくさかったりする。ウッドウルフについた切り傷は全て再生する。倒すためには核を壊さなければならないのだが、そもそもの肉体が硬くなかなか刃が通らないため剣士などのウッドウルフと相性の悪い職のプレイヤーは避けるのが無難だ。
「いいところに来ましたね。」
《ウッドウルフきたぁ!》
《剣士とサムライ相手にウッドウルフはなかなかキツくね?》
《こりゃマネージャーさんカッコつけて負けるパターンか?笑》
「ウッドウルフの弱点は核です。核を壊せば1発で倒せます。ですが核は身体の中心にあるため今の私たちの火力では攻撃ができません。」
『そうですね。本当なら逃げるのが無難ですが…どうしますか?』
「それが1番いい選択でしょう。でも…難しい戦いの方が燃える…でしょ?」
《両方戦闘狂で草》
《このマネージャーとVはイカれてます。》
《マネージャーさん推すわ笑》
「まずウッドウルフは勘違いされやすいですが核を壊さなければ倒せないというわけではありません。」
《そうなの!?》
《知らなかった》
《上位陣だと一瞬で核壊せるし下位陣は避けるからなかなか知ってる人は少なさそう。》
「その倒し方は切り刻むことです。再生は核の魔力を消費して魔法を放っているような感じです。魔力が尽きれば強制的に死亡します。もちろん経験値も貰えますが核を壊すよりは少ないですね。」
『もちろん私は知ってましたよ!』
「じゃあ試してみましょうか」
俺は全速力でウッドウルフに突っ込む。それと同時にウッドウルフもこっちに向かってくる。ウッドウルフの攻撃は主に3種類。突進、噛みつき、そして身体の木を操り鞭のような攻撃の3種類。だが全て予備動作があり、それでどの技が来るか見分けることができる。それを完璧に見切って避け続けながら斬っていく。地味な作業だが、慣れればレベル1でも倒せる戦法だ。
《うっま!》
《マジでこの2人何者なん!?》
《普通にVになれよ。マネージャーも!》
「さぁ!このままじゃ長くなりそうなので、さらにスピードを上げましょうか!」




