0話 プロローグ 神々の集い
初投稿頑張ります!
創造神の議会。無数の星が瞬く天蓋の下、円形議場は光と影が交錯する空間。
中央の演壇は天光に照らされ、円形の座席には創造神が並ぶ。
その一角に、長く誰も座していない空席が神聖な輝きを放つ。
議長の玉座からは、「地」の創造神ムロクの重厚な気配が議場を支配する。
ムロクは議杖を打ち鳴らし、深く響く声が議場に響き渡った。
「静粛に!」
「「天」の創造神レイ、議案を述べよ。創造の座に関わる言動は、創造神界の運命を左右する。慎重に語れ。」
レイは演壇に立ち、片手を軽く上げて微笑んだ。その目は静かな鋭さを帯びている。
「ムロク議長、いつも重厚で流石だな。皆、耳を貸してくれ。俺の提案は人間に天啓の種を植え、才ある魂を創造者として多数覚醒させる。その中から新たな創造神を生み出し、あの空席に座らせる。」
他の創造神が怒号を上げた。
「人間ごときに創造の座だと?
創造者は才あればなれるが、創造神など生み出せるはずがない!
レイ、貴様の傲慢は創造神界を穢す!」
冷たい声で言い放つ創造神もいた。
「愚かな夢だ。」
「人間は波のように脆く、混濁した存在だ。」
「創造神を生むなど、天地の理に反する!」
「血」の創造神ザルヴァードが深紅のローブを翻し、立ち上がる。鷹のような目がレイを射抜き、声は静かな怒りに震えていた。
「レイ…多数の創造者を経て創造神だと?血は穢れ、欲望の源だ。生命の脈動を司る私が、そんな下等な魂を創造の座に許すと思うか?創造神は才だけで生まれん、貴様の提案は、生命の神聖を冒涜する。」
シューナはレイの隣に立ち、鋭い視線で議場を静めた。
「ザルヴァード、落ち着きなさい。ムロク議長、レイの提案を最後まで聞くべきです。」
「レイ、本気なの?天啓の種で多数の創造者を覚醒させ、その中から 造神を創るなんて、前例のない試みよ。創造神を生むのは不可能とされているわ。人間の魂は創造神の力を耐えられないはずよ。それに、
あなたの目、いつもより暗い。
何か隠してるよね?」
シューナはチラリと見たが、レイの笑顔には微かな影が差していた。
「シューナ、「眼」の創造神の視線はほんと鋭いよ。本当に…鋭すぎるぐらいに。」
「隠してる?」
「まぁ、ちょっとした隠し事くらいはあるかもな。だが、計画は本気だ。
人間は脆弱だが、才ある魂なら創造者になれる。
多数の創造者の中から、特別な魂を見つけ出し、創造神に覚醒させてみせる。」
他の創造神が嘲笑した。
「多数の創造者から創造神?」
「笑止!」
「人間如きから創造神が生まれてたまるか」
「レイ、お前の戯言は時間の無駄だ!」
ムロクは議杖を鳴らし、厳かに言葉を紡いだ。
「静粛に!」
「レイ、提案の具体性を示せ。
創造者の選定方法、創造神に至る過程もだ。
創造神は才だけで生み出せぬ。
創造の座に関わる議案だ。曖昧な言葉では許さぬ。」
シューナは腕を組み、レイに小声で問いかけた。
「あなたの真の目的、教えてよ。
人間から創造神を生み出すなんて、誰も信じないわ。
何か企んでる…創造神界のルールを書き換える気?」
レイは軽く笑ったが、その声には静かな重みが混じっていた。
「シューナ、ほんと怖えよ、その目は。
創造神に至る方法は…まぁ、俺に任せとけ。」
「ザルヴァードの血が騒ぐのもわかるが、時代は変わるぜ。
創造神界のルール、ちょっと窮屈じゃね?」
ザルヴァードは深紅の気配を放ち、低く唸った。
「レイ、貴様の魂、血で贖うがいい。
人間ごときに創造の座を?
創造神は才だけで生まれん!」
シューナはため息をつき、議場を見渡した。
「レイの言う新たな時代は魅力的だけど…リスクが大きすぎる。ザルヴァードの怒り、他の創造神の懸念、どれも当然よ。創造神を生むなんて、誰もが不可能と思うわ。レイ、あなたの企み、私の眼は見逃さないから。」
レイは軽く手を上げ、微笑んだが、目は鋭かった。
「新しい創造神界、怖がってるだけじゃ見れねぇぞ。」
シューナはレイを軽く睨み、小声で囁いた。
「失敗したら、許さないわ」
レイは演壇を降りながら、シューナにだけ聞こえる声で言った。
「成功させるさ創造神界、俺たちの手で変えるんだ。
一緒に、歴史を刻もうぜ。」
ムロクは厳かに告げた。
「議論は次回に持ち越す。レイ、約束を果たせ。
創造の座の運命は、軽々しく扱えぬ。」
「議会、閉会!」
議場には罵声とざわめきが響き渡り、議会は閉幕した。
よろしくお願いします!