活況
「知識板の連中の行状はそのまま晒しておけ、自業自得と言うものだ」
作家は、全く無感情に返答した。
相手は端末の中で動作している何らかのマルウェアを介してそれを受け取っている、セキュリティに全く引っ掛からないものだ。全世界、世の中の大半の端末には何らかのバックドアが元々仕込まれている疑いが強く、その仕組みにただ乗りする者や技術を流用する者がどれだけ居るかは明らかではない。
インターネットはその初期から専門家でも対策不能なサイバー攻撃で充満している、犯罪者にはルールが無く、彼らも人間だからだ。
接続者が増えれば増える程危険は増す、誰でも世界を相手に犯行出来るからだ、また企業や治安組織とは違ってハッカー側には国境も何も無い、雇用条件も無い、雇われない十代前半の人口がそこには居る。
その手の「別世界」の何かがこの10年ほどで社会に対して見えない所で別なヒエラルキーを構築しつつあるが、「ディープ・ステート」などとは全く違う単なる現実のそれらにメディアが裏でコントロールされている事すら、表面上のネットしか閲覧しないほとんどの人口は全く目隠しされている。
特に、日本の社会は決して国民がそれに気付かないよう演出されている。
何の危険性も教えずに、幼児から老人に至るまで「生活必需品」として携帯端末を持たせ、事業者は長ったらしい契約書に利用者がその端末を使用する事で被る犯罪被害一切について自分達が永久に責任を負わない事を明記する。
既に膨大な個人情報がIT関係者にしか知られていない形でダークウェブに流出しているが、警察すらその実態について全く他人事と見做す態度を崩さない。犯罪被害について軽く注意喚起するだけだ。
また、「因果応報」などというのは所詮人のする事である。