底なしの根性無し共の沼。
「おい、そこの臣民、いい加減自分が何を見聞きしてるのか吐け!」
一人殴り飛ばす。
そいつは尻餅をついて黙りこくった。
知らん間に何かが蔓延しだして二十年以上になる。だが調査に出ると、実態を知ってる奴はみなこんな感じで何も吐かない。
これを調べ始めて人生の半分の期間、近所のガキ全員までがずっとこんな感じだ、極めて腹が立つが、何に脅されているのか絶対に自分の知っている事を吐かない。
大臣辺りまでがほぼ同じ態度を取るのでもう寧ろ面白くなって来ている。
ニヤニヤ笑う奴までも居るが、本当に絶対に知っている事について何も吐こうとはせず、その状態を維持し広めて行こうという、硬い結束のようなものまで感じる。
調査に付いては「絶対に単独でやれ」だそうな。
周り中がこれだけ結託していては不可能に近いが、どうも其辺まで計算されている。
よく維持出るものだ、この状況が。
市民が信じ難い規模で共犯関係を保っているが、それも「無かったこと」としてあるらしい。
ここまでの規模の「秘密」はもう「秘密」ではあるまいに、馬鹿馬鹿しい事にすっかり保たれている。
どうやってそんな事が可能になっているのかが知りたい。
いずれ破綻するだろうから放っておくが、本当に何のつもりでそんな事をやろうと思ったのか不思議だ。
調査は続ける。