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クソの山の生まれ方。

片方の男を盲目にし、素手で同じ姿の銃を持ち数人を率いたもう一人と「正々堂々と決闘」をさせるクソ茶番が恭しく行われ、それを観戦するクソ作家共が拍手喝采した。


死んだ「盗賊、詐欺師、強姦魔にして稀代の愚劣漢」は、遂に自宅から奪われた本人の手になる多くの詩作と新しい仕事道具の細かな造りを考え出した書類を奪い返せなかった。


その中には家族の肖像や日誌、細かな家計のやりくりも含まれていた、そのようなものをこれ見よがしに奪われて取り返そうとした所を、暴漢の一団に捉えられ、「罪人」として見世物劇に引っ張り出されたのだった。


観客らは見世物の殺し合いの筋立てが面白ければよく、二人の男の本当の素性になど全く興味は無かった。


クソ作家共は殺しの瞬間の熱狂を目に焼き付けて家に帰り、それを少しでも創作に活かそうとすぐさま手当たり次第の紙に思い付きを書き留めた。


この「処刑」に先だって物々しい衣装を着た「地獄の裁判官」が読み上げた刺激的な罪状と男が働いたという悪事の描写が如何にもあくどく扇情的であったために、観客達は総身に心を躍らせて胸のすく殺しが行われるのを今か今かと待ったのである。


千枚ものメモに殺された男のぶざまな泣き言、恐るべき罪状、そして誇らしげな勝者の、戦いの風をはらんで巻き上がった髪と髭、強い視線のくろぐろとした力強さが書き付けられた。


ああ誉れなるかな勝者!


ただ輝かしく正義を示した勝者!


その戦いの意味は分からねど!!

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