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皇帝陛下のお気に入りは隣国の人質だそうです。ってまさかの俺のことですか?【書籍化】  作者: MINORI


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25:宰相閣下の自問自答

グレイと一緒に湯殿――――?




湯殿に行ってグレイを洗う?

誰が?アルが?

ちょっと、待ていっ!ですよ。

一対一(サシ)は認められません。それはダメです、許しません。

私も参加致します。


いえいえ。皇帝であるあなたが捕虜であるグレイを洗うなんて、普通に考えてあり得ないでしょう?

ってことにしておきます。



であれば、私が―――――っ。



無理だ。

一対一でグレイと裸の付き合いだなんて、悪さをするなと言われる方が無理―――。



いやいやいやいや………。そうではなくて―――。

まずは刺客の血に塗れたグレイを清めなければなりません。



被った返り血が張り付く衣服を湯で緩め、アルベルトとグレイの体をキャッチボールしながらはぎ取る。

血糊が付いた肌も煽情的ではあったが、湯を掛け清め上気する白い肌は艶めかしくて、直視するのは大変危険です。


ふと視線を彷徨わせた先に見つけた、グレイの左肩甲骨辺りから左わき腹に残る刀傷。

手を伸ばし触れやがったアルベルトの指に、小さな呻き声を上げて、グレイが背をしならせた。




これは、大変に、()る―――――――――――。




そう思ったその瞬間。

「うっ―――わあ――――?!っで、でででって、どわあああ――――!!」

自分の状況を直視したグレイが綺麗な顔を赤くし青くし赤黒くして、瞬時に立ち上がり湯殿の底に足を滑らして物凄い水飛沫を上げて、湯殿の底に沈んだ………。


ああ、今のは本当に大変に、ヤバかった。

よく耐えた。自分偉い――――――。


良く乗り切ったと、自分を褒めてやりたい。

ダグラスはアルベルトにバレない様に、自分の胸を撫でおろしていた。


本当にこの珍獣は、目が離せないけれど、あまり見ていると危険である。

そう思う自分の心にダグラスが気付いたのは、彼此、いつの頃だったか―――――?




・・・




「――――――面目次第もございません」


湯殿で溺れかけ逆上(のぼ)せた珍獣が、部屋の調度品全ての入替と清掃を完了した皇帝居室のキングサイズの寝台の中央に体を横たえ、濡れタオルを額から鼻まで乗せて小さく呟いた。

鼻先と口元しか見えないが、まだ顔が赤いのが見て取れる。


「面目次第もないとは?」

「何がどうなってこうなったのか、イマイチ良くわかりませんが、風呂場で、溺れ死ぬ、ところを救って頂いた、ようなので…………」

切れ切れに言葉を紡ぎながら、グレイの顔の赤みが更に増し真っ赤に近付く。

仁王立ちアルベルトの直球質問に対し、グレイは最早手足までも赤く染まりだした。


まあ、わからないまでもないです。

意識がない状態から目覚めて、男三人真っ裸の状況は、自分であってもびっくりするとは、思います。


それに、グレイが慌てて溺れデモしなければ、大変危険な状況で―――いやいやいやいやいや………。

ひとまずアルベルトが居て良かった。のか?

頭に浮かんだ疑問符にダグラスは自問自答する。

あの場に居たのが、自分とグレイの二人きりであったのならば………。


「―――どこまで覚えている?」


仁王立ちのままのアルベルトの問いに「どこまで。とは?」とタオルを捲りアルベルトを見やるグレイの目元は、恥じらっているように赤い。

その顔も、大変マズいですよ………。勘弁してください。


ダグラスは寝台に上がり込んで手持ちのタオルでグレイを扇いでやった。

「スミマセン」と、こちらを見上げる熱に潤んだ黒曜石の瞳が、ツラい。

そろそろレッドカードを出していいだろうか?

早いとこ、その色気駄々洩れのその顔を仕舞っていただきたいのですよ。

グレイを扇ぐタオルを持つ手に、ダグラスは力を込めた。



アルが、ここに居なければ――――――。

いやいやいやいやいやいやいや……………。



「お前、剣の覚えがあったんだな―――?それに、北の辺境領に関しても、お前から聞かねばならんことが大量にある。洗いざらい、全て吐かせる」

「はい?」


何を言われているのか全く記憶にないかのような顔をしたグレイに、アルベルトも寝台に乗り上げるとダグラスの反対側、グレイの右側に拠点を構えて胡坐をくんだ。


グレイの濡れたままの黒髪に手を伸ばしひと房掬い上げて、さらりとそれを落としたアルベルトが、口を開く。


「今夜は、眠れると思うなよ?」


その素振りとその言葉―――――――――誰かに知られでもしたら、レッドカード案件ですよ、アル?


ダグラスが頭を抱えた瞬間、居室の屋根裏や床下で、ドカン!ガタン!!バタン!!!と、何やらものすごい音が響き渡った。


訓練を積んだ最強のプロフェッショナルな「闇」の人たちですら()()です。




アルベルトには自身の言動と対応を、もう一度一からみっちり教育する必要がありますね。




ダグラスは自分の内心の自問自答をすっかり棚に上げて、アルベルトの再教育カリキュラムの段取りを考え始めた。

そうでもしないと、()()()を耐える自信がない。というのが、本当の本音であったことは誰にも内緒である。

【読んで頂いている皆様へ】

仕事が繁忙期に入ってしまった為、12月中頃まで投稿が今までよりも遅くなると思います。

今後は・・・オカン三人衆がグレイに振り回される?グレイが三人衆に振り回される?お話に進む予定です。

投稿間隔が空きますが、これからもお付き合い頂けましたら、大変嬉しいです。

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