表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/86

生徒心得(I).幼馴染と転校生と⑤



1限、2限と、授業が進んでいく。



3限目を迎える頃には、

朝の浮ついていた空気も落ち着いていて、

「転校生」という珍しいワードも、

私の頭の中からすっかり消え去っていた。



『キーンコーンカーンコーン……』



4限目を終えるチャイムが響く。

凛と昼食をとるためにカバンを開けて、気づく。



「…………あ。お昼ご飯、忘れた」



「えーー!?うそーー!!!!!

………栞って、意外に抜けてるよね?」



呆れた顔の凛に「校則には厳しいのに」と、

嫌味をお見舞いされる。



うう…。

こればっかりは何も言い返せない…。



「購買行って戻ってくるね。先食べてて」


「もー!早くねー!

一緒に食べたいんだから!」


ぷくっと頬を膨らませる凛。



その顔が、可愛………



……ごめん、やっぱちょっと面白い。




教室を出て、1階にある購買へ向かう。

早く行かないと売り切れちゃう、けど…

【廊下は走らない】。基本の「基」だ。



この時間、道が混んでて、

まっすぐ向かうとかえって遅くなるため、

あえて迂回をして行く。




「………っの」



誰もいないはずの、静かな校舎内の渡り廊下。

遠くの方から、小さく声が聞こえた…気がした。


気のせいだと、構わず購買へ足を進める。



「…ちょっ………あの!」



………?

やっぱり、聞こえる気がする。



はぁ。

お弁当も忘れるし、幻聴もするなんて、

疲れが溜まってるのかな。


やだな、まだ火曜日なんだけど……。



——グッと、ふいに右肩が重くなった。



「!?」



驚いて振り向くと…………



そこには、

大きな身長の、見知らぬ黒髪の男の子がいた。

その彼が、無言で私の肩を掴んでいる。



………顔を真っ赤にしながら。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ