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生徒心得(I).幼馴染と転校生と③



数日前までは残暑を感じていたけど、

少しずつ澄んできた空気が気持ちいい。



もうすぐ、街路樹が赤や黄色に色づき始めるだろうな、なんて考えながら、

いつもの通学路を、流星と一緒に歩いて行く。



「ねえ、しーちゃん。

今日、転校生来るらしーよ。1年に」


「へぇ…転校生なんて、はじめてだね」


「そんで、オレのクラスなんだって。来んの。

……なんか、マンガみたいじゃね?」


「そっかあ、仲良くなれるといいね?」


「………んー」



なぜか微妙な返事の流星を横目に、校門をくぐる。

今日も無事、校則通り【8:25までに登校】完了だ。


私たちはいつもと同じように、

下駄箱前でわかれた。



「おっはよー!栞!

今日もイケメン旦那と登校?お熱いね〜⭐︎」



教室に入り、自席に着いたとたん、

騒がしい声が耳に届く。



クラスメイトの笠井 凛(かさい りん)

趣味は[イケメンウォッチ]だという彼女とは、

中学時代からの友達。



「だーかーらー……

いつも!言ってるけど!

流星は、ただの幼馴染っ。

旦那とか、ましてや彼氏でもないの!」



もちろん、そんなこと彼女はわかっている。



「またまた〜羨ましい限りだよ〜」



ほらやっぱり。

私を冷やかす顔は、いつも通りニヤニヤしている。

わかっていて、面白がっているだけなんだ。



「もう。

誤解を生むようなこと大声で言うのやめてよね……


って凛。

髪が肩にかかりそうだから、そろそろくくったほうがいいよ」


「あ〜でたでた。栞ってば、ほんと歩く生徒手帳。

先生より厳しいもんなぁ」


「…茶化さないで!」



ジトっと睨んだつもりだったが、

凛はケラケラ笑うだけ。なにも響いてない様子。



こんなやりとりも、もう定番となってしまった。


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