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生徒心得(Ⅲ).嵐の翌日①



****



嵐の一日が明け、翌日の昼休み。

凛と共に、今日は忘れず持ってきたお弁当を食べる。

 


昨日の出来事について、まだ凛に話せていない。



やっぱり、なんとなく言いだしにくいし…

なんか、変な誤解されそうだし。



「ってゆーかさー、まだ見れてないんだよねー」


凛が、なんだか悔しそうに顔を歪ませている。



「何が?」


「ほら、昨日話した、噂の一年生」


「ああ、真澄く…………転校生のことね。」



「…マスミ?」


……しまった。

突然のことで、身構えてなかったから口が滑った。



「ねえ、いま、マスミって言った?」


自称イケメンハンター・凛の目が光る。



「ちがっ、えっと、ま、ます…ます……

ます、く…

そ、そう!マスク買わないとね!…って…話」



いや、失敗した。

同じクラスの流星から名前聞いたことにすればよかった。これじゃ、後に引けない。



「怪っしぃ。

栞、マスクなんてしないじゃん。

ってか、いきなりそんな話するわけないもん」



怪訝な顔で、凛が私を見る。

そりゃそうだよね。誤魔化せるわけないよね。



「…なに?もしかして。

転校生の名前、マスミくんなの?」


…ギクッ


「もしかしてもしかして、転校生と話したの!?」


……ギクギクッ



なんて勘の鋭い…。

ヘビのように目をした凛の顔を見れず、冷や汗が流れる。



『話したどころか、一緒に部活したんだー!⭐︎』

…などと、ノンキに報告しようものなら、

私に明日は来ないかもしれない。



「えっと……あの……その………

ちょ、ちょっと飲み物買ってくる!」


「コラ!逃げるなーー!!!」



ヘビに睨まれたカエル…もとい私は、

制止しようとする凛を振り切って、

体育館横にある自動販売機へ向かった。



走らないよう、競歩で。



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