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職業は暗殺者  作者: 百円玉
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第九話

パリン!という音が鳴る前に起きる。でも6時間ってちょっと中途半端かも。1回寝るにはちょっと早いし2つトランスを使うにはちょっと長い。


折原さんはまだ寝てるみたいだ。そりゃそうだ、疲れるよな。


こんな訳も分からない所に飛ばされて、殺しにかかってくる一つしか目がない敵。そして一緒にいるのもコミュ障な僕。


もう少し寝かせて上げよう。そして6時間経っても起きなかったらトランスをもう一本僕のを刺そう


……


暇だな。僕ももう少し寝よう。

まだ6時間まで45分ある。トランスの付け替えとかってできるのかな。


折原さんが起きてる時に今度試してみよう。できなくて敵が来てしまったら申し訳ないどころの話ではない。


『浩太くん?もう起きてるの?』


どうやら折原さんも起きてしまったみたいだ。


『あ、おはよう。もう少し寝ておかなくて大丈夫?』


『うん。大丈夫だよ。いつも思うけど浩太くん早起きだよね。私も結構早起きなんだけどな』


『まぁそうだね。22時には寝て5時にはいつも起きてるから』


『偉いね!』

ふふっと笑いながら折原さんが起きる体勢に移る。そしてそのままお互い水を飲み、このパサパサの胃の中で膨張するブロックを食べる。


内心こいつの事を膨張食と呼んでいる。

そんなことは置いておいて


『じゃあ、行こっか。』

6時間が経ったのを見て僕から声をかける。


やっぱり緊張気味にだけど

『うん、そうだね』と返してくれる。


こうやって僕たちは太陽の無い朝を迎える。


とにかく慎重に慎重に敵に裏を取られないように、真正面から敵が来てしまったらなるべく逃げる事を徹底している。死なないのが一番大事なのだから


敵の裏を取れたら折原さんに魔力矢を放ってもらい、それにワンテンポ遅らせて走り出し息絶え絶えか又は魔法が外れて体力の残っている敵に頑張ってとどめを刺す。


っていうか、折原さんと会ってからそこそこ経つけど10人以上倒してるよな…?次の安全花を見つけたら確認して貰いたいな


『折原さん、次の安全花見つけたらちょっとメニュー確認してもらえない?』


『うん、分かった!!あ、そっかレベル上がってるかもしれないもんね!』


『そうそう、レベルが上がってるならステータスポイントと武器スキルポイントを割り振っちゃった方がいいと思うから』


『え、なんか今すぐ確認したくなって来たよ。確認してもいい?』


『うん、いいよ。見張ってるね』


折原さんは『オープン』と言ってメニューを確認している。が、首を傾げている。


『折原さん、どうかしたの?』


『うん、前に浩太君が敵を倒したら経験値が1貯まって10貯まったらレベルが上がるって言ってたけど、私の経験値5.6なの』


『え、どういう事?なんで経験値に小数点以下が入ってるの…?』


『それは私も聞きたいんだけど…』


『ちょっと僕も自分の経験値確認してみるね』


と言ってメニューを開く。そうするとexp:0.56という数字が並んでいる。どういう事だこれ。あんまり経験値をレベルアップした時から気にしてなかった。


ちょうど僕がレベル2になってから折原さんと会ったから同じだけの敵を倒してるはずなのに。10倍差がついている。


『とりあえずもう一体奴を倒してこの経験値がどうなるのか調べてみない?』


『うん、そうしてみよ!』


そうなったら背後から刺せる敵を探すだけだ。慎重に慎重に歩く。壁際に沿って。僕が先頭に立って折原さんには背後の警戒も任せている。


折原さんが小さい声で

『浩太君、後ろ!』


サッと後ろを振り向く。一つ目が来ている。大丈夫まだバレてない

しかし、曲がれるような角があるのはまだ先だ。ここで迎え撃つしかないか。

『了解、折原さん少し敵が近づくのを待って一発頼める?』


『分かった!』

……

敵が近づいてくる。まだ気が付かれてない、まだ。


折原さんの肩をトン、と叩く。

それを合図に折原さんが敵に向けて氷の魔力矢を放つ。


氷の方が気付かれずに魔法を打てる可能性が高い。

僕は隠密を使いながら魔力矢を追うように走り出す。


魔力矢は敵の足元に着弾し、足を凍てつかせる。敵は一瞬怯む。そんな動揺している状態で隠密状態の僕を察知できる訳がない。


『強襲』


敵の首から血が流れ光の粒子となっていつものように入ってくる。


『浩太君流石だよ!!』


『いやいや、折原さんのおかげだよ』

なんていういつものやり取りも終え、


『じゃあ確認してみよっか。』


『うん、分かった!確認してみるね!』と言ってお互いメニューを開く。


『僕のメニューではexp:0.63になってるけど、折原さんは?』


『あ、私は6.3になってるよ』


前回確認した時が5.6だったから0.7上がってるのか。

パーティーを組み始めてから折原さんは0.7ずつ上がって僕は0.07ずつ上がっているという事だ。


『多分だけど、パーティーを組むと一人当たり獲得できる経験値が減るのかな。。で、僕はレベル2だから折原さんより獲得できる経験値が1/10になってると』


『そっか。でも二人で見たら一人の敵に対して1.4の分の経験値を貰えてるんだもんね。お得なのかな?』


そっかそういう考え方もあるのか。


『確かにそうだね。折原さんがレベルアップするのには15人倒す必要があるってことだね』


『うん!そうだね!早くレベル2になって強くならなきゃ』


『僕はあと、えっと、後何人倒したらいいんだろ?』


『134人だね!』


『うわ、折原さん計算早いなぁ』


えへへ。と言って笑っている。そっか、頭いいもんなぁ


『じゃあ浩太君、もっと敵倒してこ!』


『うん、そうだね。』

こうしてまた僕たちの徘徊は続く。






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