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恋の予防接種  作者: みずたまりこ
5/5

変異

「次の方お呼びしますね」

 季節が巡って、再び予防接種の季節。看護師がバタバタと俺に告げる。

 パソコンのモニターに映し出された次の接種者の情報を見て、俺は思わず口元を緩ませた。

 軽く咳払いをして、胸の高まりを落ち着かせる。

 カラカラと診察室の戸が開いて、一段と綺麗になった女の子が顔を出した。

「相川莉音さんですね。どうぞこちらに」

 他人行儀な笑みを顔に貼り付けて、俺は彼女を目の前の椅子に誘導した。


完『恋の予防接種』

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