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死神ってたのしいですか?  作者: 七海いのり
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 吉良(きら)と晃一は、三人がけの長い机にセットされている椅子に座っている。

 左側の吉良はちょうど窓際だ。自分の前にある机の膝辺りについている棚スペースから、古文の教科書を出して、佐藤晃一に広げて見せる。


 椅子は三人がけではなく、ひとりで利用するタイプだ。吉良と佐藤晃一が腰かけている間には、人ひとりが座れるスペースが空いてある。

 椅子は生憎(あいにく)ふたり分しかないが、他から持ってくれば、三人が一つの机で授業を聞けるのだ。



◆◆◆



 現在の日本は、黄砂(こうさ)などの空気汚染、コロナやインフルエンザなどのウイルスで病気になったり、体調を崩したりする。


 集団感染の対策、メリットとデメリットを照らし合わせて、学校でみんなと授業を受ける。

 学校や会社、生活スペースでわずらわしい人間関係が悪化して、イジメで自殺するものが後を絶たない。


 便利になった世の中。ネットで買い物ができる。LINEで家族や友人と交流できる。知りたい情報も嘘の情報も、悪質な情報もわんさか溢れている。



 学校や塾の授業も、オンライン授業が増えている。

 ネットを見ながら自分ひとりで、一日五時間〜八時間の授業を聞き、まめに勉強する。テストで高得点を取り続ける。年に数回だけ指定された場所で講義を受ければ、卒業証明書もしっかりもらえる。


 わざわざ自分の足で歩き、黄砂などの汚染された空気を吸いながら、強すぎる紫外線を浴びながら、学校行く。

 暑い中寒い中を雨や雪の中を、お金を払って、お世辞にも快適とは言えない電車に乗り、会社に行く。無駄な労力と時間が費やされる。



 年々、学校に登校する生徒が減っている。昔は当たり前だったことが、時代が変われば、考え方も変わる。今の時代に、吉良や晃一が学校に通うことは珍しいことなのだ。



吉良(きら)、友達さ、俺しかいないのはなんで?」





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