苦渋の決断?
「いえ、だめです」
「何度言えばわかるのですか!レオンは王子様なのですよ!」
「ならエレノアはその王子の妻です」
「まだ婚約も済んでおりません、赤の他人ですわ」
そう、まだ赤の他人だというのに困ったことが起きた。
寝室にベッドが一つしかないのだ。
「エレノア、それは屁理屈ですよ。本当に赤の他人なら、あなたはこの部屋どころか屋敷にすら入れません」
ぐぅの音も出ない。
「ですがやはり私がベッドで寝るわけには参りません。ソファーで結構ですわ」
「道中僕は何もしていない。休息が必要なのはエレノアだ。僕がソファーに」
お互い一歩も譲らない。
「一緒に寝ればよいではありませんか」
遅れて到着したクロエはうんざりした顔で言った。
「こ、婚前の男女がっ!2人で寝るなど出来ませんわ!」
「僕は構いませんがね。いずれは結婚するのです、そんなことより今はエレノアの身体が心配です」
「全く同意でございます」
クロエまでそんなこと!
「お嬢様、これは無駄な時間でございますよ」
「で、でも!」
「無駄な時間でございますよ」
に、2回言った!!
涙目になる私にクロエはやれやれと首を振った。
「ふぅ。わかりました。こんなことあってはならぬのですが、主人のためを思えばこそ。私が真ん中で寝ましょう」
???
「なるほど、これなら3人だから構わないなエレノア」
「それで納得なさいませ、お嬢様」
かくして私、クロエ、レオンの順で川の字になってベッドに入った。
程なくしてレオンの寝息が聞こえてくる。
「お嬢様はこの手のことに免疫がなさすぎるのです」
「あ、あっても困るでしょう!」
「あまりレオン様を困らせるものではありませんよ」
「わ、わかってますわ」
「ならばよいのです。おやすみなさいませ」
クロエの「おやすみなさいませ」を聞くと、途端に睡魔に襲われた。
チュンチュン。チュンチュン。
鳥のさえずりが聞こえる。鼻先にはかすかに紅茶の香り。あぁ、クロエが準備しているのね。そろそろ起きなくては。
クロエが、準備?
私はガバっと起き上がーーったつもりがまたベッドへ引き戻される。
私の手首を握るレオンの大きな手。
「キャーーー!!」
「おはようございます、お嬢様」
「な、な、なんでクロエが、いないの!」
「主人より寝坊する侍女がどこにおりましょうか」
「そ、そうだけど!そうなんだけど!」
私は隣に横たわる金髪の王子を見た。
朝の光に照らされてキラキラと輝く髪。無防備な寝顔。
「あぁ、エレノア。おはようございます。クロエもおはよう」
「おはようございます旦那様」
レオンは目をパチパチしたあとフッと笑った。
「あぁ、良いですね」
なにがでしょうか!!
なろうを始めて約1週間。昨日ついに1日のアクセス数が1000を超えました!右も左もわからぬ新参者ですが、楽しんでくれている皆様のために頑張りたいと思います。これからもよろしくお願いします!




