奴隷少年は聖剣と出会う
「それにしても何だこの水」
汚れているのかと思ったが何か違う…何か嫌な感じがする。
早く出た方がいいと思い辺りを見回すと丁度湖の中心に剣の刺さった石が見える…いや…
「剣から黒い水が溢れてる?」
よく見るとこの湖は剣が生み出したもののように見えた。
「何か凄い剣なのかな?」
興味を惹かれ剣に近づくと
「近づいてはなりません」
いきなり頭の中に声が響き渡る。
辺りを見回すが姿は見えない。
もう一度剣に近づくと…
「近づいてはなりません」
「誰だ!?」
「私は呪われし聖剣ラナリオン…私に触れてはいけません」
「呪われし聖剣…?つまり…」
目の前の剣が喋ってるのか?!
「かつて闇の魔王を倒した際に呪われここに封印されているのです。」
「呪い?」
「はい。魔王が死の間際残りの力の全てを込めた呪いは使用者の精神を狂わしただ人を斬るだけの狂人へと変えるでしょう。」
「呪いか…【解除】できないかな?」
「無駄です。最高司祭の【解呪】でも一時的に抑えるだけしかでき…」
言葉がそこまでで止まる。いや目に見えて変化が起きる。黒い水が虹色に輝き刀身が白くなっていく。
「え!?魔王の呪いが解けた!?」
さっきまでの冷静な声が一転パニックになっていた。