奴隷少年はスキルオーブを拾う
落ちる!落ちる!思ったより深い!?
岩べりに手を伸ばすがスピードは落ちない。
「諦めて…たまるか!!」
皮膚が裂け爪が割れるがほとんど変わらない。
「!?」
出っ張りに手がかかり少しスピードが落ちるがそれがその出っ張りごとまた落下してしまう。
「クソーー!!」
悔しさのあまりその出っ張りを握り潰してしまう。
『スキル【解除】を獲得しました。』
「は?【解除】?」
さっきのあれスキルオーブだったのか!?
スキルオーブとは技能を獲得できる宝石で砕く事によって発動する。
ダンジョンで発見される事が多く使うまでスキルの内容は分から無いのにも関わらず高値で取引されている。
って今さら解除スキルなんて手に入れても遅えよ!!
手はもう傷だらけで力が入らない。
「限界か…」
ああ…転落死って痛いかな…でもこの高さなら一瞬かな…
短かったな…俺の人生…意識がはっきりして3日程度か?
「…諦めてたまるか…何者でも無いまま死んでたまるか…」
「限界なんか解除《突破》してやる!!」
『派生スキル【限界解除】獲得』
全身に力が漲る…これならいける!!
「うおおぉぉぉ!!」
壁を蹴り反対の壁にそしてまた蹴る少しづつスピードを殺しながら…
「…うぇ!?」
突如蹴ろうとした足が空を切る。
落とし穴が終わった?
と同時に目に飛び込んで来たのは黒い水!?
ザバーーン!
と湖?に着水した。
後ろを振り向くと棘棘の岩と骨の山。
「あ、危ねえ…」
壁を蹴って角度がついて無かったら死んでたな。