リオンは外へ・・・出れず?
「そろそろこのダンジョンを出ようか」
「え!?外出ていいの!?」
ラナの突然のGoサインに驚き聞き返す。
「勇者には劣るけど十分外でもやっていけるレベルには到達したからね」
「や、やったーー!!」
ここ食うには困らなかったけどいつ敵が来るかわからないから熟睡できなかったんだよな・・・まあ危ない時はラナが起こしてくれたけど。
「じゃあボスのところに行こうか」
「うん!」
何度も倒したボスだが今回はいつもより感慨深い。
「ギャーーーー!!!」
ドラゴンを一刀で切伏せ今まで入らせてもらえなかった奥の部屋に入る。
部屋は思いの外小さく真ん中に水晶玉が置いてある以外に特に備品も無いようだ。
「え!?出口は?」
「この水晶玉が出口よ」
「へぇ!」
「この水晶玉に触れると入口で登録した水晶玉に跳ぶ事ができるのよ」
「登録?」
「え?登録したでしょ?ダンジョン入る時に説明とかあったでしょ?」
「あ!そういえば主人が何かしてたな」
あれが登録か!
「リオンは?」
ラナの問に頭を横に振る。
「・・・・・・リオン」
「ん?」
何か不穏な空気を感じる・・・もしかして・・・
「貴方出られないわ」
「え!?」
俺一生このまま!?
「ここからわね」
ここ以外に出口があるの?
「逆走するしか無いわね」
逆走?それって・・・
「落とし穴でショートカットした正規ルートを通って入口まで駆け上がるしか無い!」
「や、やっぱり・・・」
リオンの脱出はまだまだ遠い。




