聖剣は先代勇者を語る
「よし、なかなか形になってきたわね。まだブ・・・勇者としてはまだまだだけど」
ダンジョンへ来て約一年聖剣から一応の合格をもらった。
「ブ?」
「・・・先代勇者ブレイブ本名はカツラギ ユウキって言うらしいけど本人が「俺の事はブレイブって呼んでくれ!」と言ってたからみんなそう呼んでたわ」
「何で別の名前を名乗ってたの?」
俺みたいに記憶喪失なわけでも無いのに・・・
「んーん・・・本人曰く「それが魂の名だからだ!」って事らしいけど私にもわからないわ・・・」
「なんじゃそりゃ?」
「ブレイブは異世界から喚ばれた異世界人だったの」
「異世界?」
「この世界と違う次元に存在する世界。ゆ、ブレイブが言うにはこの世界とは理の世界とか言ってたけどね。魔法が無くて科学?が発達した世界だとか」
科学って何だ?と聞きたかったがラナ自身わかって無さそうなのでなスルーした。
「喚ばれたって言ってたけど、その理由って前に言ってた魔王関係か?」
「まあね。天星国アセンが闇の魔王を含む3体の魔王から侵略を受けその対策に喚ばれたのがブレイブ・・・つまり先代勇者って事」
「魔王って3人もいたのか・・・」
「いえ魔王は全部で7体いるわ」
「7!?」
「まあ魔王だから敵って事では無いけどね」
「え?そうなの?」
「ええ、闇の魔王討伐の時も水の魔王と風の魔王とは共闘関係だったし」
「へー」
「相手も火の魔王と地の魔王が味方しててそりゃもう大変だったわよ」
「・・・」
「森が消えるは、地形変わるは・・・そういえば湖が2つ増えたっけ?」
「怖っ!?」
「まあそんなこんなで魔王倒してブレイブは元の世界へ帰っていったのよ」
「そんなこんな・・・」
端折り過ぎじゃんか・・・
「多分」
「え?」
「私は見送れなかったから帰れたかどうかはわかんないなのよ」
「えーとそれは・・・」
さっきまで空気軽かったのに急に重くなった。
こうゆう時は・・・・話題変更!
「ラナ」
「うん?」
「ここを出たら旅をしよう」
「え?」
「ブレイブと君が救った世界を見に行こう!」
「え?・・・うん」
少し強引な話題変更だったかも知れないが記憶の無い俺にとりあえずの目的ができた。




