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奴隷少年は落ちる
暗い洞窟を10人ほどで歩いている。
先頭を歩くのは俺。
名前は無い「あれ」とか「それ」とか「お前」と呼ばれている。
「ほらキビキビ歩け!」
少し立ち止まるだけでも鞭が飛んでくる。
鞭を振るっている奴の名前は…ピッグスだったか?肥えて丸々とした貴族らしい。
聞いた話だとここはダンジョンという場所らしい奥地には金銀財宝や珍しいマジックアイテムとかがあるらしい。
らしいらしいばっかりですまないが俺には記憶が無い。気がついたらこのピッグスの奴隷となっていた。
何故ダンジョンで先頭を歩かされているかというと簡単に言えば【罠避け】である。
ダンジョンの踏破というのは貴族のステータスらしくピッグスも護衛と罠避けの奴隷を引き連れやって来たと言う事らしい。
「!!?」
とあれこれ考えていると足元に違和感というか感覚が無い!?
「ちっ!落とし穴か…」
舌打ちするピッグスに手を伸ばすが…
「次の奴前に出ろ!」
こちらに目をくれず次の奴隷を準備していた。
「…!!」
内心このクソ野郎!と叫びたかったが奴隷の首輪のせいで叫ぶ事ができなかった。