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心の季節に合う酒を  作者: 時計塔の爺
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弟よ2

  なりを潜めていた冬のの寒さが、一年ぶりに姿を表し始め、世間はクリスマスを意識し始める。

  まだ早いとは思うが夜の歓楽街はいつものネオンの光はイルミネーションの光に置き換わっていた。

  さまざまな人が足を止めその立派なイルミネーションを見上げ、感嘆の声を漏らす中、私は下を向き、足早にその場を去った。

  別にようがあるというわけではない。むしろ何もなかった。目的も、目的地も。

 

  北風が私のほほをなでる。

  肩をすくめ、立ち止まる。思わず周りを見てしまった。

  同僚と楽しそうに酒を飲む会社員。腕を組んで歩く若いカップル。スマホで自撮りし笑い会う女性グループ。酒が入って騒いでいる大学生たちもいた。

  私は思わずそれらに目をそらす。

  そしてまた足早にその場を立ち去ろうとする。しかしその足はふと止める。

  見慣れない路地を見つけたのだ。

  普段は意識していなかっただけなのだろうが、それは今の私の思いに反応したかのように入り口を開けて私を迎え入れた。

  歓楽街にあるビルとビルの間。決して広いとは言えない道。薄暗く、普段なら絶対に通らないだろうその道は、今の私を歓楽街の光から逃がしてくれた。

  振り返るとあの光が。あの声が。私の心を蝕むように襲ってくる。


  あぁ。どこか静かな店で酒を飲みたい。


  そう思いながら出口を探していると!やんわりとした光で照らされた小さな看板が目についた。

 

  【酒場(バー)・Shade】


  驚いた。目立たない場所に酒場があることに。やみくもに歩いた先に都合よくそれが見つかったことに。

  少し警戒したが私は怪しくも興味のそそられるその店に入ることに決めた。

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