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飛べ、踊るように




残りHP15、おそらくだけどあいつの攻撃受けたら死ぬ。こんなオワタ式があったとはな。おのれ神ゲー中々やりおる。というかさっきの斧攻撃食らってたら確実に俺死んでたよな。ははっウケルんなわけねえだろ頭ん中お花畑か。

俺の残りHPは風前の灯。対する相手のHPはみえない。こういう時Hpゲージが見えないのは普通にイラつく。更にこうしてる間にもあいてのHPは回復してる?これは楽しみ甲斐があるなぁ?


「殺すわ」


落ち着け俺、心は熱く頭は冷やせ。

MY SOUL SEAPON BOKUTO これの耐久は無限だ。それにさっき、俺はまったくLUCKに振ってなかったのにパリィが発動した。つまりこのゲームの幸運判定はLUCK準拠じゃない。多分だが最高のタイミングで最高の場所に一撃を放つことができればクリティカル判定になるんだろう。つまり。


「避けてぶん殴って頃合を見て()()()()()()()()


お前が人間の体してんならアキレス腱切れば転ぶかあ?


「死ねぇ!」


パワースマッシュ!深々とゴブリンの腱に突き刺さり肉を抉る音と共に赤いエフェクトが飛び散るが、こけない。なるほど、つまりお前は人間じゃないな?いやゴブリンだが。

だがやはり痛みはあったようで吼えるような声を上げながら地団太を踏み俺を潰そうとしてくるゴブリンだが、ちょっとスポーツで言うゾーン的なものに入っている俺にはそんな攻撃当たらない。

逆に踏んでくる足に木刀を突き立てることもした。こういう時耐久無限は本当に神だよなあ!更にクリティカル連発ぅ!へいへい足が弱点かい?


「ギャァァァオオオオオオオ!!」


っとお、怒り常態か?ならかなりダメージは与えられたはず。

いきなり真っ赤になって今までに聞いたことがないほどの大きさの咆哮をあげるゴブリンへ俺はまっすぐ向かう。


「ここで決めるぜ?覚悟しろよゴブリン」


「ゴッッラアアアアア!」


「殴ってきたか?じゃあお言葉に甘えて乗らせてもらうぜ」


殴るなんていうどうぞ僕の体に乗ってくださいって言っているような甘い行動をしてきたのでお望みどおり乗ってやり。


「ここ」


パーフェクトォ!!!完璧なタイミングでゴブリンの胸にピカタを命中。深々と木刀が刺さり、大量のダメージエフェクトが入る。おっと?まだ倒れんなよ?そのまま腕と遠心力の力で深々と突き刺さっている木刀の上に乗り、アクセル!

駆けるように上へ飛ぶ――が、手に持っている木刀が邪魔で飛ぶには離すしかないだろう。

なんていうと思ったか?


「ラピッドスラアアアアッシュ!」


発動タイムだけなら最速の技ラピッドラッシュ!お前を使うって信じてたぜぇ!深々と突き刺さっていた木刀は少しつっかえながらもその胸を切り裂いた。

だがこれを使ったせいで今俺はとんでもない縦回転で上に上っている。まだ高さが足りないが、ストライクは自分の向きに反映される技、ちゃんと決めないと地面とキスする可能性だってある。

見極めろ。なに、下にでっかいゴブリンなんていう分かりやすい指標があるじゃないか。回転の速度を計算して。


「こっこだあああああ!!」


アクセルを使い、上へと駆け上がる。まだ回転しているが同じように計算すれば当てられる。いける!

そう思っていた矢先、ゴブリンの手が俺に近づいているのが分かる。

ここまでか?

が、その俺を叩こうとしていた手は痺れた様に動きを止める。

アレは……俺が攻撃した腕か!ここまで神様にお膳立てされたらやるしかねえよなぁ!


「天空落とし!!」


パーフェクト!完璧に回転速度を読み取り完璧なタイミングで発生した完璧な技!

ゴブリンを頭から股まで両断する。クリティカル判定……もちろんクリティカル。

切り口から大量の光を放ちながら切り口はポリゴンとなり、木刀を腰につけてある鞘に納めた瞬間。

ポリゴンが全体に広がり、ゴブリンは断末魔のようなものをあげて爆ぜる。


「か……かったぁあああ…………!」


実はゴブリンに上っている最中にスタミナが切れたのでマジで危なかったが、何とか勝利。


『エリアボス「惨苦の狩人」を撃破しました』


なかなかご大層な名前してんじゃねえか。

何をドロップしたとかレベル上がったのかとか、これ絶対初心者用じゃねだろとか言いたいことは山ほどあるが、なんかもう疲れた。

すこしたつと、この空間がぴきと音を立てて崩れる。そして光が世界を包み――


気がつくと元の場所に立っていた。


エリアボスは専用の場所に足を踏み入れることでボスエリアに強制転移されるという使用になっている。これが運営の出した解決案らしい。


「んあ?メール」


ステータスを見ようとメニューを開けると、テラーと珍宝からフレンドメールが来ていた。

どこにいるというむねのメールだ。


「今終わったところで目の前に町があるっと」


メールを送り返したらまたメールが来た。


門で待ってろと。


門……ああ、あれか。

門つうか関所みたいだな。

待っている最中暇なのであいつが何を落としたかだけでも確認しておこう。

必ずレベルは上がっているが、何レベル上がったのかは分からないからな。お楽しみは最後までとっておく派の人間としてはあいつが何落としたのかが気になるところ。



・ 狩人の証

2つ目の町ツヴァーリーに入るために必要な証。

狩人は己に問いかける。それが鏡の使いとして彼の生きる道であるがゆえに。



・ 心

これは心、しかし感情もなければ価値もない。あるのはただ形のみ。しかして歪な穴のいた形に何を求め、何になるのだろうか?これは誰の心か、それは――



・ 王の冠

何かの金属でできた冠、偽りの王がそれでも王足るようにとガラクタを集めてできたその冠は虚勢だったのだろうか?

この冠が何でできているのか、それは作った者のきまぐれ。



・ 惨苦の刀

ATK (攻撃力) 28

END (耐久) 560

試練を乗り越え、答えを導き出した者にのみこの刀は渡される。



待って刀強くね?攻撃力約3倍かよ。

あと謎が多すぎるアイテムが増えたなぁ……なんだよ心。王冠は換金アイテムかなんなのかまあそんな感じだろうけどお前はマジでなんだよ。私はとんでもないものを盗んでしまいました。ゴブリンの心です。てか?

後あのゴブリン王冠なんてしてたっけ?


「あ、おーい!いたいた」


まあステを確認できなかったが、ちょうど悩みはじめたタイミングでやつ等がやってきた。

余談ですが、惨苦の狩人はビギナーズロード踏破時のステータスを参照しているのでいくら2つ目の町でレべリングしようともレベルは変わりません。そして一番楽な倒し方はレベル1を3人用意して10レベルを2人用意して殴ることです。

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