コント脚本『お兄ちゃん大好き!』
A:Bの妹。JK。美少女だが、黒髪を目にかかるまでのばしていて不気味。ロングのボブカット。
B:Aの兄。知的でメガネ男子。
○部屋(昼)
ジャージに着替えているA。いきなりBが入ってくる。
A「きゃっ! お兄ちゃんのエッチ!」
恥ずかしそうなA。黙って見ているB。
A「恥ずかしいよ! はやく出てって! もう! いつも勝手に入ってくるんだから、お兄ちゃんは……」
B「A……」
あきれて、ため息をつくB。
B「いいかげん、俺の部屋で、俺の服を着るの、やめなさい……」
顔を赤らめ、うれしそうに服の匂いをかぐA。
A「だって~お兄ちゃんの匂いがするんだも~ん」
B「毎日毎日……なんで俺につきまとうんだ!」
B「俺を盗撮したり、俺のゴミ箱あさったり、こんな身近なストーカーいるか?!」
いきなり泣きながらくずれおちるA。おどろくB。
A「なぜ?! どうして?! なんでお兄ちゃんは、あたしの愛を受け入れてくれないの?」
A「やっぱり……あたしたちが兄妹だからっ?!」
B「お前が、気持ち悪いからだよ!」
A「お兄ちゃんの膵臓をたべたい……」
B「やめなさい! お前が言うとシャレにならん!」
B「そもそも俺、彼女いるし。Cって子。お前と違って、明るい良い子だよ」
フッとあざ笑うA。
A「でも、お兄ちゃんはCの事、本当は、好みじゃないでしょ?」
B「ほう……なぜそう思う?」
A「だって、お兄ちゃん、デブ専じゃん! しかも巨乳の!」
B「デブも、巨乳も、興味ないぞ」
A「え~! だってだって、こないだ、太った巨乳が、裸にTバックで抱き合うビデオを、コッソリ見てたじゃない!」
B「おい妹、普通の人は、それを相撲と言うんだ。覚えておこうな……そもそもコッソリ見てないし……」
急にAは、Bの背後に視線を向ける。
A「なによ……C、なにしに来たの!」
(俳優が二人しかいないので、Cがそこに存在している
ものとして演技。という感じで)
Bの背後にかけよるA。
A「ふん! お兄ちゃんの彼女のつもり? お兄ちゃんが本当に好きなのはあたしなんだからね!」
A「帰れ! このドロボウ猫! アバズレ!」
手をふりまわすA(しかもやや空中)。
なぜかBは黙って見ている。
だいぶ暴れて息切れするA。
A「はあはあ……お兄ちゃん、おっぱらってあげたよ」
B「俺の後には誰もいないぞ……いったい、お前には何が見えているんだあ……」
A「お兄ちゃんのハラミを食べたい……」
B「コイツ、部位を選びだしたぞ。本格的に喰う気か?!」
Aのスマホが鳴る。
A「はい?」
急に、けわしい表情になるA。
A「……もう、いいかげんにしてください!」
スマホを切るA。
B「どした?」
A「変な電話がしょっちゅうかかってくるの。しつこくデートに誘ってくるのよ。もう本当に困っちゃってて……」
Bはうんうんとうなずくが、なにかに気付いてハッとする。
B「それ……俺のスマホじゃねーか!」
B「返せ! どうも最近、彼女からデートの誘いがないって思ってたら……お前がずっと断ってたのか!」
A「だってお兄ちゃん……あたしを全然、デートに誘ってくれないじゃない!」
A「あたしを放っておいて、あんなドロボウ猫とばっかり!」
B「俺の知ってる限りじゃ、お前が、一番のドロボウだけどな……」
B「とにかく、スマホ返せ!」
Aから、スマホを奪おうとするB。抵抗するA。
もつれあって、倒れて、Aの上に、Bがおおいかぶり、
顔が近くて、思わず顔を赤らめる二人。
A「お、お兄ちゃん……」
B「A……」
ドラマチックなBGMがなる。
Bの心の声:(いま、俺、ドキドキしてる……)
B「あのさ……」
Bの心の声:(彼女なんて、実は、お前にヤキモチやかせるため)
B「俺、思うんだ……A……」
Bの心の声:(A、俺、本当はお前の事を……)
Bの心の声:(お前の事を……)
Bがスマホにタッチすると、Bの心の声が消える(Bの心の声は着信音だった)。
B「いつも勝手に、変な着信音、しこむんじゃねーよ、アホ! って思ってるよ!」
A「あ~もう! ハッキリして! いいかげんに好きだっていいなさいよ!」
B「俺は最初からずっと、気持ち悪いって言ってるだろ!」
Aは急に立ち上がり、Bの背後に視線を向ける。
A「なによ、C! あんた、まだいたの!」
B「きた~! Aにしか見えない、俺の彼女!」
A「帰れって言ったでしょ! このドロボウ猫! このっ! このおっ!」
Bが暴れると、天井でドン! と音がして、走りさる足音。
おどろくB。
A「お兄ちゃん、今度こそ大丈夫。おっぱらってあげたよ~!」
B「……」
B「なんで俺のまわりって、ストーカーばっかりなの~!」