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第76話 不死vsピコハン

周囲に血しぶきが舞い舞いあがった砂埃が落ち着くと檻の中のピコハンは全身串刺しとなっていた。

夥しい血が地面に流れるがリトーは結界を解く事はしなかった。


「まだ生きているだろ?最後にちょっと話でもしようじゃないか」


頭部を含めた急所だけは腕を盾に守り抜いたピコハンはその言葉に反応を示し両腕をダラリと下げその場に蹲る。

突き刺さっていた結界で出来た槍は霧の様に飛散していく・・・

そんなピコハンを見詰めるリトーの笑みは更に深くなった。


「それにしても本当に君は異端だね、ここまで僕が驚かされたのはあの不老不死になった日以来だよ」

「不老・・・不死だと・・・」

「そう、僕はあの日老体となった事に絶望した。だがそんな僕を助けてくれた玄武とこの世界の終わりを見届けたんだ」


リトーは語りだす。

あの終焉の日の事を・・・

ホゼを倒した時に現れたマリスから聞いた話と合致するその内容をピコハンは聞く。


「その時気付けばよかったんだけどね、人の身でありながら数日を飲まず食わずで生き長らえたのに気付かなかったのさ。そして、僕は玄武の中で世界に生き残った生命を集め始めた・・・」


リトーは遠い目を空へ向ける。

永遠を生きる事によってこういう時間を大切に思うようになっているのかもしれない・・・


「全ては順調だった・・・玄武の中に新しい世界が生まれ形作られていったんだ。だけど、それも永遠には続かなかった。玄武には寿命があったんだ・・・」


リトーの目から一筋の涙が流れる。


「知ってるかい?旧世界の人間が残した言葉に『亀は万年』と言う言葉があってね、その通りで亀の神獣である玄武は1万年しか生きられないんだ。だからその日は着実に近付いていった。だけど僕は永遠を生きる身となっていた・・・一人残されるのは嫌だったんだ。だから僕は・・・他の魂を取り込み改変できる力を玄武に願い色々な対価と共にそれを成した」


リトーがピコハンを見詰める。

その瞳はキラキラと輝きを見せていた。


「分かるかい?その対価こそが君達・・・今は玄武候補になっている人間の命なのだよ。元々人間だった君達の殆どを生贄に僕はこの力を手に入れたんだ・・・そして生き残った僅かな君達の生態を変化させる一つの魂を手に入れた。それを使って君達を進化させる過程に生まれた失敗作が鬼だったりその他の種族というわけなのさ」


リトーがチラリと酒呑童子を見る、失敗作と呼ばれた鬼の最後の生き残りがここまで辿り着いた事に何か思うことがあるのかもしれない・・・


「さて、久々に話が出来て楽しかったよ。安心してくれ、君は次の玄武となって1万年先までこの世界を守る存在になれるんだ。本当に幸運だったよ、今の玄武の寿命がもう直ぐ尽きるところだったからね・・・それじゃ、さよならだ」


そう言ってリトーは結界を狭めていく・・・

そのままピコハンを押し潰す気なのだ。

満身創痍のピコハンならもう殺すのは容易いと考えていたのだろう。

だが・・・


「それを・・・待っていた!」


地面を蹴り上げ結界に全力で体当たりをするピコハンの行動にリトーは驚きの目を向ける。

ピコハンに反撃をされない為に地面の下深くまで結界を設置し固定していたからその場から動けなくなっていた。

だがピコハンを押しつぶす為にその結界を狭め地面下の固定されている部分まで上げてしまったのだ。

リトーは知らない、ピコハンが土の加護と時間の加護により槍の傷を殆ど完治させていた事を!


「えっ?!」


リトーの口から漏れる音と共に結界ごとピコハンはリトーに体当たりを仕掛けた!

そのまま後ろの壁までリトーを結界ごと押し付けてそこでピコハンは拳を振るう!


「うぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」


ドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!

結界がその衝撃を密着しているリトーへ伝えリトーの体がボロボロになっていく!

ピコハンは理解していた。

リトーの不老不死は体を欠損させても直ぐに修復するタイプの能力だと。

即ち、欠損させる事無く打撃で痛めつける分にはダメージがしっかりと通るのだ!


「あがががががあ・・・・・あぎぃいいいいいい」


リトーの悲鳴が打撃音と共に響き渡る!

死ねない、それは在る意味地獄でもあった。

だが、これだけではピコハンに勝機は無い。

不老不死と言うのはそれくらいふざけた能力でも在るのだ。

しかし、それすらもリトーの語りによって理解しているとすれば・・・


「あがぁああああああ!!!」


永遠を生きるリトーにとって最も長く痛みを感じた時間なのだろう、耐え切れずピコハンの体を押しつぶそうとしていた結界が解かれた。

結界を殴りすぎたせいで血塗れとなっていた右手を伸ばしてリトーの首を掴むピコハン!

身長差により持ち上げる事は出来ないが無抵抗となったリトーを捕まえるのは困難なことではなかった。


「いけぇ!糞ガキ!」


後ろから声が響く!

それと共にピコハンが入ってきたこの部屋への入り口を開く音が聞こえた!

酒呑童子である!

ボロボロの体でそこまで這って移動し扉を開けていたのだ。

ライバルとも言える存在だからこそピコハンの狙いを分かったのだろう、互いに通ってきたそれこそがリトーを倒す手段なのだとピコハンはリトーの首を掴んでいた腕を全力で後ろへ振るう!

開かれた扉を通ってリトーの体はその先・・・

そう、あの虫の壁に投げ込まれたのだ!

頭から虫の壁に突っ込んだリトーの体はその中で虫に食われる!


「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!いたいーーーー!!!!!!!」


離れたその場所までその悲鳴は続く・・・

それも虫達に食われた部位は直ぐに復元されようとするのだが直ぐにそれも虫に食われる。

拮抗する再生と破壊・・・

永遠とも思える地獄がそこには在った。

そして、酒呑童子は扉を閉める。

拮抗が破られ再生を破壊が上回った時リトーは消滅するだろう・・・

それを待つ事無く聞くに堪えない悲鳴に蓋をした酒呑童子はその場に倒れこむ。

ピコハンは宿敵とも言える酒呑童子に駆け寄るのであった。

早起きしちゃったんで書いちゃったwww

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