街で噂のサンタクロース
少年ジェイコブは貧しい家で生まれた男の子でした。
コッツウォルズのとある村。今は冬。外は凍えるように冷え込んでいます。
そこにジェイコブの住む家がありました。病で横たわる母と暮らしていました。
父親はいませんでした。どうしていないのかはわかりません。
ジェイコブは病弱な母の為に毎日のように、昼下がりから夜遅くまで親戚であるアチソンが切り盛りする酒場に手伝いへ行っていました。帰ってからは、いつも変わらず母親の看病。ジェイコブに寝る暇などほとんどありません。今日もジェイコブは穏やかに寝顔を見せる母を見届けると、服を着込み、彼の職場へ駆けて行きました。
アチソンの酒場は田舎という田舎にあるだけに、利用する人はごく限られた常連客ばかりでした。ジェイコブはおとなしい少年でした。厳格で五月蠅いアチソンの言うことも、下品な話やちょっかいを出してくるお客の言うことも、素直に聞いて働いていました。ただ、この日はなんだか違っていました。
「なぁ、ジェイコブ、お前はこの間“空飛ぶ光”を見たか?」
「?」
「よせ。そんな変な話を子供にするものじゃないよ」
「何言っている。お前の方がよっぽどいつも可笑しいこと言っているじゃないか」
「それもそうか。ガハハ」
ジェイコブは首を傾げながらも、愛想よく客たちの注文を受け、お酒の貯蔵庫に向かおうとしました。その時に、アチソンから言葉をかけられました。今日のアチソンは、いつもと違って不思議なぐらいに優しい様子でした。
「ジェイコブ、今日の仕事後話がある。終わったら少しいいか?」
「うん。わかった」
「すまんな。いつも面倒ばかりかけて済まないな。無茶せずに頑張れよ」
「?」
客が帰ったのは夜遅く、何時かわかりません。いつもこんな感じなのですが、今日はたった2人の客しか来なかったのです。アチソンもおかしいぐらい優しかったことと合わせて、どこか変な1日だとジェイコブは感じて仕方ありませんでした。
閉店後の片付けも、その大半をジェイコブでなくアチソンがしてくれました。
「いいよ。ボクがするよ。どうしたの? おじさん変だよ?」
「いいんだ。気にしないでくれ。そこにコーヒー入れてあるから飲んでくれ」
「?」
ジェイコブは椅子に座って、おとなしくコーヒーを飲みました。
アチソンは片付けが終わると、しばらくして重たそうな口を開きました。
「ジェイコブ、どうやらお酒を飲むのが難しくなってきているようだ」
「え?」
「これを見て欲しい……」
アチソンは棚から新聞を取り出すと、ジェイコブに見せました。そこには『お酒を控えなさい』というようなことが書いてありました。国の女王の絵が一面に載っていました。ジェイコブは学校に行っていませんでしたが、物心ついた時からアチソンより文字の読み方や書き方、また世の中のことは教わっていました。
「みんなお酒が飲めなくなっちゃうの?」
「いいや。そういうわけじゃないが、これまでのように売れなくはなる……」
「おじさんどうなるの?」
「なんとかやっていくさ……これまでのようには難しいだろうけどな……」
「ボクはどうなるの?」
話を始めた時から俯いていたアチソンが、険しい顔になりました。
「すまない……! ここでお前のような子供を働かしていることが皆に知られてしまってはこの店が潰れてしまう。すまない。ありったけのお金をあげるから……仕事もここに来るのも今日までにしてくれ」
アチソンの目から涙が溢れだしました。これまで見たことないアチソンがそこにいました。
アチソンからの思わぬ告白に衝撃を受けたジェイコブは言葉を失い、体の震えが止まりませんでした。しかし、それはアチソンも同じことだったでしょう。
長くしんどくなるような時間が続き、ジェイコブはアチソンの瞳を見ました。
偽っているわけではない、本物の涙をアチソンは流し続けていました。そんな彼の右手には、これまで見たことがないような大金が握られていました。この後にきっと、ジェイコブに手渡すつもりなのでしょう。ジェイコブは言い辛くはありましたが、勇気を出してアチソンに別れを告げることにしました。
「おじさん。いいよ。今日は給料なくてもいい。ボクもお母さんも何とかして生きていくから。いつかさ、いつかボクが大人になった時に美味しいお酒を飲ませてよ。その日を楽しみにしているから」
「ま……待ってくれ! せめてこれぐらいは持っていってくれ! リンダの分も!」
ジェイコブは首を横に振り、そっと微笑むとそのままお店を出ました。
お店から随分離れた家に着くまで、ジェイコブは走って家路を辿りました。途中まで追いかけていたアチソンでしたが、道端の石で転んでしまい、ジェイコブにお金を渡すことは叶いませんでした。ジェイコブにとっても苦渋の決断でした。しかし、それが今できる精一杯の恩返しに他なりませんでした。
しばらく走ったことでしょう。気がつくと、ジェイコブは自宅の前に到着しました。息を切らしながらも、彼はこれからするべきことをドアの前で考えました。
もう明日からは仕事がありません。ここから街へ行くのにも、歩いて半日以上はかかります。まして、家にはジェイコブを必要としている母がいます。
とにかく今日あったことは黙っていよう。母親を心配させることは、彼女にとって体の毒にしかならない筈です。明日のことは明日考えよう。そう考えを改めたジェイコブは、ドアに手をかけてお家に入りました。
ジェイコブは、お家がいつもと違う様子に気がつきました。母の枕元にあるランプが着いていないのです。いつも明るくしてジェイコブの帰りを待っているはずなのに。
ジェイコブはそっと母に近づき、ランプを着けました。
母は険しい顔をし、はぁはぁと激しく肩で呼吸をしていました。そっと触れてみると高熱が出ているのが肌に感じてわかります。ここ数日食欲もなく、様子がおかしくはあったものの、ここまでしんどそうな様子なのは初めてでした。
「ママ!? 大丈夫!?」
あたふたするジェイコブ。近所に週に1度は診てくれる医者のマクベスがいますが、こんな時間に起きている筈もありません。でも彼がとる行動は一つでした。
大急ぎでマクベスの家に行って、ドンドンと彼の家のドアを叩き続けました。マクベスの奥さんが出てきましたが、彼は街にいるとの事でした。真夜中のことです。マクベスの奥さんも、迷惑そうにしていました。
愕然とするジェイコブ。しかし職を失ったことからも気が触れていた彼は、何と歩いて街を目指すことにしました。
街に行くのは南の方角にただ進めばいい。そうアチソンから教わったジェイコブは南を目指し、ひたすら進みました。少しでも早く歩きに歩き、彼は街に向かってその歩みを進めていきました。
しかし、道のりは決して平坦ではありません。彼には眠気もあります。更にどこまでも続いている暗闇の道。そして凍てつくような寒さ。いつしかジェイコブは倒れてしまいました。
――目が覚めると彼はふかふかのベッドで横になっていました。
「おや? 目が覚めたかね?」
「え?」
「ホッホッ! おはよう坊や。丸1日寝ていたようだな」
「丸1日!? ここはどこなの!? おじさんは誰なの!?」
「ホッ! 君こそ誰だね? 人の家の庭で堂々と寝ておいて」
「ボクは……」
ジェイコブはとある老人の家に泊められていたようでした。老人は白髭をたっぷりはやしており、白髪を肩まで伸ばしていました。体格は恰幅が良いものの、とんでもなく高齢なのがジェイコブの目に見てとれました。
しかしこんな所で寛いでいるわけにはいきません。ジェイコブは急いでベッドから起き上がり、老人の家を出ました。しかし、彼はまたも愕然としました。彼が目にした風景は、全く見たことのないものだったのです。
「ここは?」
「坊や、まぁ、入りなさい。これ以上迷子になられても可哀想だ。ホッホッ!」
「ここはどこなの!? おじさん! 教えてよ!」
「私にはニコ・ダグラスという名前がある。呼ぶなら名前で呼んでくれ。ホッ!」
「そんなのし……」
ジェイコブが何かを言おうとした時に、彼のお腹から大きな音が鳴りました。その音を聴いたニコはニコリとして「坊や、御馳走を作ろう!」とジェイコブに手招きをしました。ジェイコブは悔しがりながらも、再び家の中に入りました。
それからニコは、たくさんの御馳走をジェイコブに振る舞いました。これまでは稀にアチソンの料理を食べたことがありましたが、それ以上の美味にジェイコブは「美味しい!」と思わず口にしてしまっていました。
御馳走を食べ終え満足するはずでしたが、この時のジェイコブは違っていました。これまでの職を失い、母の病気が悪化している現実が彼に直面しているからです。最初はすぐにここから出ようと望んでいたジェイコブでしたが、ニコの人柄を信じて本当のことを全てニコに話すことにしました。ニコは真剣な顔で、ジェイコブの話に聴き入りました。そして、表情は厳しいものに変わりました。
「そうか。そうだったのか。それは大変だったな。ジェイコブ」
「ねぇ! 街のある方向を教えてよ! こうしている間にもママが……」
「残念だが街はここより“はるか南”にある。どのみち戻らなければいけないな」
「そんなボクは南に向かっていたのに!?」
「誰にでも間違いはあるよ。だがジェイコブ、そもそもお前さんはもっと大事なところで間違いをしてしまっている」
「?」
「お前はなんでお母さんのそばにいてやらなかったのだ?」
「だって早く治さなくちゃいけないと思って……」
「違う。お前がやるべきことは医者を呼ぶことではない。お母さんのそばにいてあげることだったはずだ」
「そんな! ママが苦しんでいるのを我慢するなんて!」
「だから逃げてきたのか! そしてこんなところで迷子になってしまったのか!」
「違うよ! こんなつもりじゃ……」
ジェイコブの瞳から涙が溢れてきました。彼にもニコの言わんとしていることはわかっていました。しかし、彼にもどうしようもなかったことなのです。
ニコはジェイコブが泣き出すとそれまで険しくしていた顔を温和なものに変え、彼の頭をポンと軽く叩くと、撫でながら「まだ間に合う」とそっと呟きました。そしてジェイコブが「え?」とニコの顔を見上げた瞬間に、家のドアが勢いよく開きました。外から家に入ってきたのは1匹のトナカイでした。
「親父! 腹減った! ちょっと早いけど何かくれよ!!」
「!?」
トナカイは家に入って来るなり、いきなり喋りだしました。ニコはやれやれといった顔をしてポケットから白い手袋を取り出し、それを装着して両手を握りしめました。するとニコの両手が光り輝きだし、その両手から溢れるほどの茸が出てきました。
「!?」
これにはジェイコブも驚きを隠せませんでした。しかしそんなジェイコブに構わず、ニコは急に赤い服に着替えだしました。
「ルドルフ、今日も出掛けるぞ! 食べたら走る準備をしろ! ホッホッ!」
「また出るのかよ。こないだここに引っ越してきたばかりじゃないかよ」
「主は困った隣人を放っておくなと仰せになられているだろ?」
「このお人好し!」
ルドルフと名乗るトナカイはドスの効いた低い声を発しており、茸を勢いよく食べる感じからとても迫力がある雰囲気を醸し出していました。
「ひとまずジェイコブよ、お母さんのところへ向かおう!」
「え? どうやって行くの?」
「私に着いてきなさい!」
ニコは外に出ると、ソリを見せてきました。木製でできたとても大きなソリ。そのソリとルドルフをロープで繋げると、ジェイコブに手招きをして「ホッホッ! さぁ! 乗りなさい!」と呼び掛けてきました。
ジェイコブはよくわからないまま、ニコの隣に座りました。すると「ホー!」と掛け声をあげたニコがソリを引き、ソリが動き始めました。
ゆっくりと動きはじめたソリでしたが、だんだんとそのスピードは速くなっていき、ジェイコブが感心し始めた時に何と浮き始めました。
「!?」
やがてソリは宙を駆けあがり、何と上空を走りました。最初は驚いてばかりのジェイコブでしたが、気がつけば空から見下ろす大地に目を輝かせていました。よく見ると、ソリもルドルフもニコも黄金色の光を放っていました。
まるで夢のような光景。しかし、こうも目を疑うようなことが起きているのです。自然とジェイコブは、ふと思い出したことをニコに問いかけていました。
「昔、ボクがまだ小さかった時にママから聞いたことある」
「うん? 何を?」
「クリスマスの前の日にサンタクロースっていう人が良い子にプレゼントをくれるんだって。サンタはトナカイとソリを引いて現れるって……絵本で見たんだ」
「ほう」
「おじさんはさ……サンタクロースなの?」
ニコは目を閉じてちょっと考えた後に、微笑んでこう返事を返しました。
「私はニコ・ダグラスだよ。坊や。ホッホッ!」
「?」
「確かにサンタクロースなのかと思われたらそうなのかもしれないが、私は彼に救われた者だ。そして彼に憧れた者だ。それ以上でもそれ以下でもない。ジェイコブ、それはお前が大人になった時に決めてくれ。主の御意志を実践する同志はこの世界中に多くいるからな。さぁ、お前さんの村が近づいてきたぞ」
「?」
ニコの言葉通り見覚えのある木々の並びが見えてきました。ジェイコブたちを乗せたソリは、段々と村の方へ降りていきました。幸い夜も深かったせいもあって、誰も外に出ていなく、光り輝くソリに気がつく人はいませんでした。
村に到着したジェイコブは、大急ぎで彼の家に向かって走りました。「待て。この年寄りを置いていくな~」と言うニコの言葉を聴いてもいられませんでした。
家の中に入ると、そこに枕元のランプをつけて待っている母がいました。
ジェイコブは「ママ!」と母親の側に駆け寄り、泣きすがりました。
暫くしてニコが入ってきました。ニコは、ジェイコブの母親であるリンダの穏やかな顔と自分の顔を合わすと帽子をとり、彼女に一礼をしました。
「貴方は?」
「ニコ・ダグラスと申します。彼が迷子になっていたのでここまで案内しました」
「そうですか……ありがとうございます。無事で良かった。本当に良かった」
「ジェイコブ、二度とお母さんを心配させるのでないぞ」
「すいません。ご迷惑をかけてしまったみたいで」
溢れる涙が止まらないジェイコブは、話を聴くこともすることもままなりません。
「どうやらまだまだ子供のようですな。お医者を探しに街まで行こうとしていたみたいです。全く親思いの善い子ですな。全く優しい息子さんです。お母さん」
「そうだったのね……ジェイコブ」
リンダはジェイコブの頭を優しく撫でました。それを見たニコはそっと微笑み、「そうだ! せっかくめでたいことが起きたのだから、歌を歌って祝福しましょう!」と言って歌い始めました。
静かに……だけど部屋に深く響き渡るニコの歌声。ニコの歌は、リンダが幼少期の頃から愛唱していた彼女のお気に入りの歌でした。リンダは、気がつくとジェイコブと一緒に涙を流していました。ほのかに灯ったランプが照らす部屋。この日この部屋は、不思議な温かみに包まれていました。
翌朝。ジェイコブが目を覚ますと、ニコの姿がありませんでした。傍には寝息をたてて寝ている母。目をこすり周囲を見渡すと、膨れ上がった靴下が部屋の隅に置いてありました。見てみると靴下は、一足の高級そうなガラスのハイヒールを包んでいました。「まさか」と思ったジェイコブは外に出ました。
外は物静かでいつもと変わらない朝でした。
「ニコおじさん」
ジェイコブは空を見上げました。
この日の昼過ぎになってわかった話ですが、ジェイコブが街に向かった翌朝に医者のマクベスはジェイコブたちの村に帰省していました。その時に彼の奥さんからリンダの容態が急変したと聞いたものなので、ただちに診てくれたとのことです。でもマクベスからは「なんで側にいてあげなかったのだ!」と怒鳴られるばかりでした。ニコの言ったとおりです。怒られたジェイコブは空を見上げて、命の恩人へ感謝の言葉を祈りとともに贈りました。
驚くことはこれだけで終わりませんでした。リンダと相談の末、素直なジェイコブは村の村長へ「家の近くに落とし物がありました」と今朝部屋の隅にあったガラスのハイヒールを渡すことにしました。何とも不思議な偶然が重なるもので、この村の近辺で名家の娘がガラスのハイヒールを落としてしまったとのことです。しかもこの村に滞在しているというのです。村長の勧めもあって、ジェイコブが“偶然見つけたハイヒール”を名家の娘であるアリスに届けることにしました。
アリスは馬車に乗って村をしぶしぶ発とうとしていました。宝物の発見を諦めかけていた時に「見つかった」という嬉しい知らせが届いたものですから、彼女のジェイコブに対する感謝は並々ならぬものでした。
「ありがとう! 本当にありがとう! ねぇ、あなた何か欲しい物はないの?」
「欲しい物?」
「そうよ。これは私のとっても大事な宝物なの。見つけてくれた人にはちゃんと恩を返さなきゃいけないでしょ? 何でもいくらでも遠慮しなくていいわよ!」
「…………」
「何よ? 何もいらないって言うの?」
「い、いや、ボク仕事をなくしてしまって……お金も何もありませんから」
「仕事!? あなたそんな年齢で仕事なんかしているの!?」
「はい……」
まだ子供であるにも拘らず、母親を養っていく為に一生懸命苦労をするジェイコブ。そんな彼の生き方に感動したアリスは「私の家で雇ってもらうように話をつけてみる! 貴方のお母様も私の家の近くに住めるように頼んでみるわね!」と思わぬ提案をしてきました。強気でジェイコブの入職を押しこんでくるアリスに対して、その場に居合わせた執事を含めた誰もが何も言えませんでした。
こうして計らずして、ジェイコブは名家ポートマン家の召使として再就職を勝ち取ることになりました。彼の母のリンダもこれまでより格段に住みやすく、贅沢な住居で暮らすこととなりました。何という運命なのでしょうか。
それからジェイコブは召使としての勉学を重ねながら、ポートマン家に長年に亘って仕えていきました。そしてニコの言われたように、母であるリンダの看病にも精を出していきました。アリスをはじめとした名家の人たちの理解もあって、リンダの看病が疎かになることもありませんでした。彼女が最期の時を迎える時もジェイコブたちに見守られ、穏やかに旅立っていきました。
やがて何十年もの年月が経ち、ジェイコブは惜しまれながらもポートマン家を巣立ちました。彼が向かった先は、自分が育った村の酒場でした。そこではすっかり老いたアチソンが、数少ない常連客を相手に切り盛りをしていました。約束を果たしに来たジェイコブに、彼は非常に感激しました。
時を待たずしてジェイコブは酒場の店主となり、更には地元の名士として村の村長を任されるようになりました。彼の勤勉さと誠実さは人一倍ずば抜けているものがありました。
ジェイコブが村長となって、彼の住む村ではこんな噂が広まるようになりました。毎年イヴの夜になると貧しい家の子供、良い行いをしていると知られている子供の部屋の片隅に、プレゼントを置きにサンタクロースがやってくると。村の大人たちは皆サンタの正体を知っていました。でも、誰も本当のことは決して言いません。「子供たちには内緒にしてくれ」とこの村のサンタがお願いしているのです。
更に年月が過ぎ、この村のサンタの髭も白くなってきました。とあるイヴの夜、彼はある一人の貧しい家の子をソリに乗せ、コッツウォルズの草原を馬と共に駆けていきました。道中その子に「おじさんはサンタなの?」と尋ねられました。彼は迷わずこう答えました。
「確かにサンタクロースなのかと思われたらそうなのかもしれないが、私は彼に救われた。そして彼に憧れた。それ以上でもそれ以下でもないだろう。ここから先は君が大人になった時に決めてくれ。私はその日を楽しみに待っているよ」
∀・)読んでいただき誠にありがとうございました。サンタクロースって…夢がありますよね❤
イラストはかぐつちマナぱ様から頂きました♪♪♪




