ニート、執事になります?
前までならぐだぐだとネット見て、テレビ見て、ご飯は気が向いたら食べての気が向くままの生活だった
それがたったアルバイトのせいで
「おい!燐斗、紅茶を早く出せ」
「はっ、はい坊ちゃん!今すぐに!」
こんな毎日が忙しくなるなんて、あのぐだぐだな日にいた俺は思いもしなかった
-某日 自宅-
「はぁ、こんなにもニートが楽しいだなんて!!」
僕、柊 燐斗は昨日退職届を出して、現在仕事なしいわゆるニートである
(これからはあんな上司や同僚になにも言われない、あー楽)
部屋の天井を見つめ、考える
(これからの生活どうしよう...)
「考えても仕方がない!とりあえず行動、行動」
部屋着から普段着に着替え財布と携帯を持ち出かけた
-某日 街-
適当にフラフラと歩いていたら小さな書店を見つけた
(こんなところに書店なんてあったか...?)
気になりその書店へ入ってしまった
カランっと鈴のなる音
とてもシックな雰囲気で少し高級感がある書店だった
本を手に取ってみるととてもずっしりとしたもので、ペラペラとめくると英国のものらしく、日本語ではなかった
(店の人は見当たらない..な、裏にでも行ってるのだろうか?)
キョロキョロと見回してみると本棚に異物があった
求人雑誌だった、それも日本製。
ただの雑誌でこの書店に似合わない表紙だった
(発効日は...今日?!そんなものかこんなところに...)
僕は迷ったが、持っていくことにした
どうせ、仕事ないし、適当においてあるようだから持っていっていいのだろう、値段も書いていないし、持っていっていいものだろう、よくある”ご自由におとりください”だろうと思って
カランっとまた心地いい音が鳴り、僕は外に出た。
外にはまだ日が高く昇っており、少しだけ暑いと感じる
その後は適当にぶらぶらと歩き、某有名カフェへ行った
-某日 カフェ-
見つけた求人雑誌をペラペラめくった
(...ん?)
あるページで僕は止まった、そこのページにはドでかく
”一年間、仮執事を募集中!!”との文字
(きゅ、求人雑誌に執事募集?!...インチキくさい)
とりあえず気になったので見ていると、「一年間働くと仕事の出来では、次のお仕事を紹介します」の文字
これほどおいしい話はあるだろうか、一年間は高額収入の仕事ができ、次はもしかしたらいい仕事を紹介してもらえる、現在ニートの僕にとってはこれほどのおいしい話があるか?ないな。
(とりあえず、適当に書いて送ってみるか...)
珈琲のいい匂い、カチャンというコップの心地いい音の中名前、生年月日、学歴等書いていく
(あっ、証明写真...帰り撮っていくか、適当に今日だすか~、めんどくさいし)
珈琲を飲み終わり、丁度書き終わったので外へ出ることにした
-某日 自宅-
コンビニにある証明写真撮るやつで撮り、コンビニのポストに入れてきたのが現状である
あと一週間ぐらいたてば不採用通知がくるだろう
(その間、何してよう...)
通知が来たのはなんと次の日だった