2話 厄介なヤツ
入学式はつつがなく終了し、新しいクラスメイトと親睦を深めるという先生の素敵な提案のもと、30分間の時間が与えられ、各自自己紹介や友人作りに充てろとの事だ。
大体が中等部からの繰り上がりだからそんなもの必要ないとは思うが……。まぁ、外部生も少なくないから仕方ないか。
ん?私か?私はお喋りに興じるクラスメイトそっちのけで読書だ。中等部からいるやつは勿論、外部生もある程度私の顔を知っている人間も多い。
それに、自分で言うのも少しアレだが、基本的に生徒間ではあまり不用意に私に近付いてはならない、というルールがあるらしい。恐らく普段の言動や態度からの物だろう。
そういう訳で、自分から話掛ける事もなく、また私に近付いてくるやつもいない。……1人を除いて。
ふむ、どうせ皆さんもその1人が誰なのかは大体わかっているだろう。そう、校門前で私を見ていたあの美少女だ。
ホームルーム終了後すぐに行われた席替えで、何の因果かばっちり隣の席に来やがった。それからは飽きもせず、他の生徒に話しかける事もせずじーっと私を眺めている。
正直、とても居心地が悪いが……、さっきの粘ついた視線じゃない分まだマシだと思っとこう。
……それにしても、と彼女を横目でこっそり観察しながら思う。
この奇行を抜きにすれば完璧と言っても差し支えのない容姿なのに、と。
くりりと大きな愛嬌のある瞳に、白い肌と薄く紅をさしたような頬、桜色の形のいい唇が全てバランスよく配置されている。セミロングの色素の薄めな黒よりは茶色に近い髪の毛も、手入れが行き届いているのか艶やかだ。
本当に勿体無い。奇行がなければきっと男女問わず、大勢に囲まれてちやほや楽しく過ごしていただろうになぁ。
ほら、今もこちらをちらちら見る生徒がいる。
凛音(主人公)で遊んでたら無駄に長くなってしまいました。大半が意味のないおふざけなので流し読んでいただいて大丈夫です。
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