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少女達の白百合籠  作者: すもも 遊
1.無垢で愚かな少女は外道な道化に恋をする
2/19

0話 突然の記憶

脈略が行方不明。

それは突然の事だった。


最初はただの夢だったような気がするし、そうでもないような気もする。


まぁとにかく、私は寝ていた。


そして、見たのだ。


誰かの記憶のような夢を。


それはまるでアルバムを見ているように、もしくは撮影した場面を見ていくように、私の頭の中をぐるぐるぐるぐる巡っていた。


幼少期から、少しずつ育っていく誰か。


他人のようで、そうじゃない気がする誰かの。


それはとても幸せだった。

まだ幼かった私が理解できるほど。


……途中までは。


突然反転した誰かの生。


誰かは、愛されていて、望まれていて、嫌われていて、憎まれていて、疎まれていた。


どろどろの感情に包まれて。


しかし誰かは強かった。


飄々と、颯爽と、強く生きていた。


……最後まで。


最期は唐突に訪れた。


誰かは階段から突き落とされた。


常に近くにいた友人の手によって。



そして、「私」の体に激痛が走った。


背中が、首が、足が、頭が、痛い。


痛い痛いいたいイタイ痛い痛いイタイ。


そして「私」は理解した。


「私」は誰かで、「誰か」は私だ。


あれは私の記憶だ。



誰かでも、彼女でもなく、私の物だ。



しかし私は「私」の名前も、あの子の顔も、覚えていない。覚えているのは事実だけ。

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