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少女達の白百合籠  作者: すもも 遊
2.道化ぶった少女、又は仮面の受難
15/19

10話 我が愛しき少年少女


さてさて場所は変わって現在校門前。時間は……、あれから大体10分ってとこか。

零夜と連れ立ってここまでやってきた訳だが。

さっき言っていた4人には、私と零夜ともう二人必要だな。


ここで紹介しよう。


私の弟と妹、紫音しおん梨音りおんだ。苗字は言うまでも無く神宮寺。

私と年子の双子だ。双子だけど男と女だからややこしくないからいいな。……冗談だ冗談。顔がそっくりでも髪型が同じでも私にはちゃんと見分けがつく。

顔は……まぁ悪くないんじゃなかいか?しょっちゅう告白されてるらしいし。容姿に関しては身内贔屓が入るからどうもな。


で、その妹弟がこの面倒な後輩を唆したに違いない。



「……そうだろう?梨音」

「…………」

「おーい梨音?」



何故か無反応。

いや無反応どころかつーんとそっぽを向いてる。

何故?



「りーちゃんは地の文で自分の方がしーくんより後だったから拗ねてますよ」

「毎回思うんだが君は何故そんなに二人の思考に対する分析がそうも的確なんだね?それと地の文とかヤメロ」



双子の喋らない方は梨音。そして通訳は零夜かよく喋る方の紫音。零夜は何故わかるんだろう。しかもかなり具体的に。

コイツは訳のわからない所で異様な才能を発揮するからなぁ。

というかその呼び方はどうかと思う。カップルかよ。



「えー違う違う。凛姉が僕たちの前でもその喋り方だから嫌なんだよ」

「……どっち?」

「どっちも」

「そうか。ごめんごめん。それと地の文とかはマジでやめて」



それにしても、他人が考えている事なんてよくわかるな。いや紫音は双子だからわからなくもないけど。

コイツ等の謎の以心伝心は今に始まった事じゃないから気にしないけど、未だに釈然としないのも事実だ。


いつまでも校門前でぐだぐだやってる意味も無く、誰からでもなく歩き出す。家が近いから方向はみんな同じ。

……懐かし……くはない。最近までこうやって帰ってたし。

しかしまぁ、楽ではあるし気心は知れているな。零夜も驚くほど溶け込んでるし。何故か。

梨音も紫音も、そう簡単に他人に心を開く子じゃなかったから余計に不思議でならない。

……何したんだ、零夜……。



「……で、結局お前らのどっちかが零夜に何か言ったんだろ?」

「ぴんぽーん。今回は僕だよ。だって凛姉が他の奴と帰ってるのなんて見たくなかったんだもん」

「聞いてもない言い訳までどうも。一言くらいくれればどうにかしたかもしれないのに……」

「いやいや僕は零夜君に、凛姉が他の人と帰ってるのってやだねって言っただけだよ」

「……情報収集は零夜君が勝手にやっただけ。紫音は凛ちゃんを誘ってきてって言っただけ」

「……零夜の情報は誰からの情報だ?最近はストーキングされてるような気配も無かったけど」

「それは秘密ですよぉ」

「……何故頬を染めるし……」



頬に手を当ててもじもじ……。様になってるから余計に腹立つ。


ああそういえば、すっかり忘れていたけど明日は雪乃がいるんだったな。赤間先輩バカも寄ってくるだろうし……。コイツ等とアイツ等が対面したら十中八九面倒な展開になるよなぁ……。でもどうにかしようとするとまたこじれる……というよりはさらに面倒になるだけだろうしなぁ。もういいや。もし対面したら自分だけ逃げよう。私は自分が一番大事だからな。周りの被害なんて知らん知らん。


あれ、これもしかしたらフラグじゃね?自分で立ててね?反省してねぇな自分。

まぁいいや。いやよくないけどいい。



「そーいえばさー、母さんが零夜君に今晩ご飯食べにおいでって言ってたよ」

「何で早く言ってくれなかったのしーくん!え、どうしようどうしよう、僕ってば何も準備してないよ!」

「いやごめんごめん忘れてたよ」

「……そもそも飯食うのに準備も何もないだろ」

「え、ありますよ?例えば例えば、カメラとかICレコーダーとか」

「おい何に使うんだソレ。食事中に使わねーよそんなもん」

「…………言っちゃった!」

「説明しよう。零夜君は家に食事に来る度にこっそり凛ちゃんの声とか姿とかをカメラその他諸々の機器に収めていたのであーる」

「言ってる時点でこっそり出来ないけどな。ていうか友達がそれでいいのか梨音。冷静に解説してる場合じゃないんだけど」



ちなみにというかなんというか、梨音は口数は少ないもののテンションはおかしい。


……いやそうじゃなくて。これは姉として友達くらい選んで欲しかった。どこぞのママみたいに「黒木さん家の子と遊んじゃダメよ!」とか言いたい程度には選んで欲しかった。何で自分の姉を盗撮しようとするのを止めなかったんだ。



「いいの。零夜君はいつも撮ったやつくれるから」

「助長してんじゃねぇよ。そもそも撮った物の用途がわからないんだけど。撮ってどうする」

「用途って……そりゃあ使う為に決まってるじゃないですか先輩!」

「何に使うんだ?」

「何って……それは、その……ナニですよ……」

「おい紫音梨音、お前らの友達これでいいのか?零夜も頬を染めるな気色悪い」

「大丈夫、問題ない」

「んーまぁ別にいいんじゃなーい?僕も困ってないし」

「…………」



ナニが……いや何がコイツらをこうしてしまったのか。そもそも盗撮は犯罪なんだけど。普通なら訴えられてる筈の状況なんだけど。まぁこれも例に漏れずいつもの事、いつものやり取りだからあまり気にしていない。実際問題、零夜が撮ったブツをどう使おうがヤツの自由だしそれをどうこう言うつもりもない。……いや、まさか食事中まで盗撮、盗聴されてるとは思わなかったけどな……。


おっと、そうこうしているうちに到着だ。時間を忘れるほど話し込んでいた訳じゃないと思うが、まぁ学校からそう離れた場所に家があるんじゃないし。どっちかっつーと近いし。



「で、どうすんだ零夜?このまま家に来るか?」

「いえ、機材の準備があるから一旦帰ってからまた来ますね!15分くらいで来ますから!」

「うん、まぁいつでもいいんだが。そんなに急がなくてもいいからな」

「いえいえ!先輩を一分一秒でも長く眺めたいのでかなり急ぎます!では!」

「お、おう……」

「「ばいばーい」」



騒がしいヤツだな相変わらず……。まぁいいか。静かなストーカーよりも自分の存在を主張しまくってくるストーカーの方がいい。静かなストーカーとか怖いからな。マジ洒落にならん。



いつも私の周りにいたこの三人。

数少ない私の愛しい少年少女。







大変遅くなりました。

いえ、ネタが無かった訳じゃないですよ?話が思いつかなかった訳じゃないですよ?

いやマジです。


そして忘れていましたが、活動報告の方に更新予定とか設定とか上げてたりするので暇があれば見てやってください。すっかり忘れていました。


誤字脱字、不自然な箇所等あればご指摘ください。




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