8話 異常も慣れれば日常
これは話の大筋にあんまり関係ないですが、一応。
……ああ、こんにちは諸君。
今日は月曜日。アレから一週間程経った。学校に行くのが憂鬱で仕方ないよ。
私は疲れ果てている。最近は本気で転校も考えている。
何故って?……面倒事が増えたからに決まってんだろ。
ここ最近を振り返ってみよう。
朝、雪乃が迎えに来る。そのまま学校へ。
登校直後、校門にて赤間先輩の待ち伏せ。大声で挨拶される。
授業中、休み時間問わずこちらを見る雪乃。お前はそんなんだから成績が悪いんだ。
昼休み、何処へ逃げても見つける雪乃と捕獲する先輩。捕獲され、人目につかない場所で3人で食事。
午後もまたこっちを見てる雪乃。怖い。せめて授業に参加しろよ。
放課後、去年までは帰宅時間ギリギリまで読書をしていたが、このところ雪乃と一緒に帰らされている。最近は帰宅時は赤間先輩が途中までついてくる。途中から方向が違うらしい。
これを毎日繰り返してる。
幸い、既視感を感じる事はないけど。けど。けど!
目立ちたくなくて人と関わりたくなくて一人でいたい私にこの状況は辛すぎる。
まぁ雪乃はいつもの事だからいいとして、朝一から校門前で大声で先輩に挨拶される1年生の心境を察して欲しい。しかも「おはようございます!」だ。何故に敬語。やめろと言ってるのに聞きゃしねぇ。
そして下の名前呼び捨て。関係性を疑われるだろうが。
私は「赤間に付き纏われてる可哀相な秀才女子」で2、3年――というか、殆ど2年――の中で定着してしまったらしく、すれ違う度に「ああ……」みたいな顔をされる。同情するなら助けてくれ。金は要らないから私の身代わりになってくれよ。
ああ、だから嫌なんだ。他人なんて面倒事の種でしかない。
† † † †
やぁやぁ諸君。更に一週間経った。
相変わらず状況は殆ど変わっちゃくれない。
変わった事といえば、そうだな……。まず、赤間先輩の挨拶が「おはようございます」から「おはよう」になった。説得という名の実力行使の賜物だな。
そして登校時も赤間先輩が出現するようになった。これは本気でやめて欲しい。雪乃の機嫌が毎度悪くなる。
雪乃は機嫌が悪くなると私にひっつく。何故だ。お蔭で近頃は歩きにくくてしょうがない。
だがまぁ……。他の生徒共も毎日繰り返してる内に飽きたのか、もう誰もおかしな視線を寄越さない。こればっかりは嬉しいな。
あのバカ二人にはもう馴れたよ。放っておいても何しても寄ってくるんだ。害虫かよ。
……おい、誰だよ絆され始めてるとか言った奴。
お前ら街灯に群がる蛾をどうにかしようと思うか?思わないだろ?
それと同じで、もうどうにもならない事を改善しようとすると更に事が拗れるから放っておいてるんだよ。
……あぁ、あの二人に蛾って例えは失礼だったか?そこは謝るよ。
兎に角、だ。
あの二人に関わりたくないのは事実だし絆されてもない事を忘れるなよ。
おい今ツンデレとか素直じゃないとか思った奴表出ろ。格闘技段持ちの実力見せてやる。
…………冗談だ。しかし冗談でも私の事をそんな萌えキャラにのみ適用が許される言葉で形容するなよ?不本意だ。
……ああもう。疲れた。寝よう。
ちなみに今は授業中だ。寝ても全く問題ない。
おやすみ諸君。しばしの休息を思いっきり堪能してやる。
…………zzZ
男子は一切絡まなくなりました。百合わっしょい。
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