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少女達の白百合籠  作者: すもも 遊
2.道化ぶった少女、又は仮面の受難
12/19

7話 逃げられず負け、逃がさず勝ち

今回も訳がわかりません


い、今までの粗筋

どうやら赤間先輩は死ぬらしい……?


はいどーも。前回から状況は全く変わってないから安心してくれ。いや寧ろ安心できないけどさ。


私の肩をガッチリ掴んで期待に満ちた笑顔でこっちを見てる先輩と、相変わらず手を握ったまま先輩を睨んでる雪乃と、遠巻きに見てる生徒。

野次馬共め覚えとけよ。毛根を根絶させてやるからな畜生。


まぁ今回ばかりは私もひたすら目を白黒させるしかないんだが。


……あれ、周りがざわつき始めた……。



「あの子だれ?」

「あ、知ってる知ってる。内部入試満点のぶっちぎりトップで入った子だよ」

「マジで!?」

「暗そう……、あんな子に赤間は何やってんだかわいそうに……」

「あ、ねぇねぇ知ってる?あの子前髪上げるとめっちゃ美人らしいよ」

「それ見たことあるよ私!」

「え、嘘!?どんなカンジ?」

「ザ・美人!ってカンジ?」

「いやこっちに聞かれても……」

「神宮寺凛音、だったか……。一体、何者……?」

「隣の子もかわいい~」

「見た事ないなぁ……、編入生かな」

「あれ、雪乃じゃん。何してんだろ」

「また神宮寺と一緒にいるよ……」



モブうるさいぞ!しかも変なの混ざってるし!

私がかわいそうって言った人には同意見だがな、暗そうってとこも含めて!そして同級生お前らどっか行け!



「てか赤間のあんな顔初めて見たぞ……」

「まさに喜色満面、ってカンジだけど……」

「アイツさっき何て言ってたっけ?俺と一緒に死んでくれ、だっけ?」

「いや、それをあんなに笑って言う人いないでしょ……。たしか、俺を看取ってくれ!とか言ってなかった?」

「そーそーそれそれ!……ん?何それ意味わかんない」

「何が言いたかったんだろうあの人……」

「ほんとに、何お前死ぬのって言いくなるよね、わかるわ……」

「マジで意味不明だよね」

「赤間さんって頭悪かったっけ?」

「そりゃあんだけサボってりゃなぁ……」

「俺アイツと二年間同じクラスだけど、まともに授業受けてたのなんて片手で数えられるくらいだぞ」



ざわ……ざわ…… 的 な ?

……ここって名門校だよな?若干疑わしいんだが……。

てか先輩ってそんなにバカだったのか。バカだとは思ってたけどそこまでだとは思わなかったよ。


そして先輩、あんたが言った言葉は私に伝わってない上に誰にも理解不能だって事にさっさと気付け。


あーもうマジで何なのこの状況。周りを見ても何にもならないし、雪乃は……、うん、ダメだ。人の多さに萎縮してて使い物にならないだろうな。何とかしてくれよ誰か。自分で何とかしろって……そんな事言われても……。

とりあえずもう一回睨みあげてみた。……うわっ、バッチリ目が合った。

しかし、さっきまでの笑顔ではなく若干キョドってる。どうやら周りの声が聞こえない程、バカではないらしい。

……いやでもね。だからといってそんな捨てられた犬みたいな眼差しで見られても私にはどうにも出来ない訳ですよ先輩。自分で言ったんだから自分でこの状況を収拾してくださいよ。

そんな顔でこっち見んじゃねぇよ。私にはもうどうにもできねぇよ。そもそも今どういう状況なのかすらまだわかってないんだよ。マジで、ほんとに勘弁して――


キーンコーンカーンコーン


…………突然響いた、これだけ何故か普通の学校と同じ普通のチャイムの音。なんとなく間の抜けた音だ。


ああ、そういえばここ学校だったな……。


全員、一瞬だけ呆けたような顔をした後、口々に「やべ、遅刻寸前!」「ナイスチャイム!」とかなんとか言いながら校舎に入っていった。

いっつも雪乃に絡んでる同級生も、少しの間は何とも言えない表情でこっちを見ていたがすぐに駆け出した。

残ったのは私達3人。



「……えーっと、赤間先輩。とりあえず、HR終わったら話聞きますから」

「お、おう!」

「……行こうか、雪乃」

「……うん」



……一言だけ言いたい。

なんて日だ!!(某芸人風)



†   †   †   †



「……それで、何であんな奇行に走ったのか聞いてあげようじゃないですか」



場面変わって、現在屋上。

先輩、私、雪乃で輪になって座って、事情聴取をしようとしている。何だこの状況。

まぁ、雪乃はついてくるとは思ってたけどな……。


さて、ここからは特に動きもないだろうから会話のみでお送りしよう。



「いや、実はな……、お前に嫁に来いって言おうとしたんだ!」

「…………まずどうしてそうなったか説明して頂きたい」

「凛音ちゃんは私のお婿さんなんだからダメです」

「雪乃はちょっと喋らないでくれないかな……」

「昨日のことを母さんに話したらな、是非嫁に来てもらえ!って言われたんだ」

「……うわぁ、昨日の事を話したんだ……」

「……はぁ。で、先輩としてはどうなんですか……」

「何がだ?」

「結婚」

「お前の強さに惚れたぜ!どんと来いだ!」

「……さいですか。私は嫌ですがね。で、何ですかあの意味不明な台詞は……」

「アレか?アレは父さんのプロポーズの言葉らしくてな。母さんにこれさえ言えば一発で落ちるってよ」

「そっすか……。もう一回言いますが、意味不明ですね……。貴方の御母堂はよくそんな言葉で……」

「あぁ、アレはな、死ぬ時までずっと傍に居てくれ!って意味らしい!」

「最初からそう言えばあんな事態にはならなかったかも……しれなくはないですが、まぁ、はい。お断りします」

「だよな!俺も断られると思ってたぞ!」

「はぁ、それはそれは。ではもう戻りますね。もう関わりたくないのでそのつもりでよろしくお願いします」

「ざまぁです。私の凛音ちゃんに手出ししないでください」

「……余計な事言わなくていいと何度言えば……」

「よし、じゃあ俺を舎弟にしてくれ!」

「……いや、話聞いてましたかあんた。よしじゃないですよ。関わりたくないって言いましたよね私」

「よろしくな姉御!」

「了承してません。勝手に変な呼び方しないでください。しかも私の方が年下じゃないですか」

「お前の強さに惚れたんだ!」

「さっき聞きました。強さに惚れたなら私が通ってた道場の師範を紹介しますんで勘弁してくださいよマジで」

「俺はお前の舎弟になると決めたんだ!」

「勝手に決めんな」

「姉御……確かに、俺の方が上だしなぁ。よろしくな凛音!」

「何でいきなり名前呼びなんですか!普通は苗字からでしょ!馴れ馴れし過ぎです!」

「そこじゃないだろう雪乃……。もしかしなくても私の周りには話を聞かない人間しか集まらないようだな……。どうしたもんか……」

「苗字呼びなんてよそよそしいだろうが!」

「よそよそしくしてって言ってるんです!」

「……そうだ、転校しよう……」

「「ダメ!!」」

「五月蠅い。いいですか先輩、私は断りましたからね。今後一切私に干渉しないで頂きたい」



こいつ等、よくある「都合のいい事しか耳に入らない」タイプの人種だろ。めんどくせぇなオイ。


ああもう疲れた。学校ってのはこんなに疲れるもんだったか?

何がどうしてこうなった……。



凛音は普段、喋りたがらないだけでわりと饒舌な方。

喋り方もわざとやってるから結構崩れたりもする。

という設定(後付感が否めない……。言い訳させてもらっていいなら、書いてないだけで最初からあったんですよ……w)


やっと男子が登場……。次回から逆ハーターンに入れ……たらいいな。


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