目次 次へ PR 1/41 notice 冷ややかな静寂が室内を支配している。 澱んだ空気は、汽水の底へ滞留した海水のように重い。 時間の停止した世界。 永遠が支配する暗闇の中、ポツンと赤いLEDライトが点灯する。 同時に、無機質な機械の作動音が聞こえ始めた。モーターが唸り、金属同士が擦れる耳障りな高周波の音が空気を震わせた。 やがて音は消え、再び静寂が支配し始める。しかし、その静寂は過去のそれとは違い、既に温度を伴っていた。 赤いLEDライトは点灯したまま。