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終わりへの始まり
『開業が最終目的だなんて思わなくていい。まだ、わたしには進む道があるのだと信じたい』
そう考えた時があった。
けど、いつしかそんな思いも忘れていた。
それは忙しいから?
以前だったら、そーだったかも。
じゃぁ、今はどうなの?
きっと、この日常の怖さのせい。
今まで大丈夫だったことに押し潰されそうになってる。
そんなにも苦しいなら、ここから抜け出せばいいよ。
新しい道を信じて。
・・・。
なぜしないの?
わかってるよ。色々な不満を抱きながらも、今の状況を抜け出すのが億劫なんでしょ?
わたしの中のわたしはわたし自身を追い詰める。
ここがどんなにつらく感じる場所でも、ここをきっぱりと捨てるにはわたしはあまりに弱く、その弱さ故に新たな世界の不安よりもここの居心地を選んでしまうのだ。
だから、進む道が見えない・・・。