1話 私立フラフィー学園
「うわぁ~!遅刻するー!!」
どうも。
コハクと申します。
え?あなたは誰ですかって?
本編では登場予定はない番外編のみのキャラクターです!
今年の四月から私立フラフィー学園に転校することになった高校生です!
え?キツネの尻尾?
わたしは妖狐族ですから、尻尾があるのは当たり前だよ?
ってそれよりも、このままじゃ転校初日から遅刻だー!
急いでいると、曲がり角で人影が見えて……
ビュンっ!!!
「ぎゃあああ!!!??」
あっ、やっちゃった!
オーラしまい忘れてたから吹き飛ばしちゃった!
妖狐族の絶大なオーラには人を吹き飛ばしちゃうくらいの力があるんだよねぇ……。
しっかりオーラしまって……よし!
学園へ急ごう!
ーーーーー
な、なんとか間に合った……。
つーかあれなんだよ!?
曲がり角で女子にぶつかりかけてふっとばされるって!
それにしても……あの女子、うちの制服着てたよな?
転校生か?
「よー、レイ。……なんかボロボロじゃね?」
しばらくして、友達のユウが声をかけてきた。
「それがさぁ、聞いてくれよユウ。今朝女の子とぶつかりそうになって、でも気づいたら学校にふっとばされてたんだよ」
「寝ぼけてんの?」
「実際にあったことなの!」
くっそ。ぜんぜん信じてくれないじゃん。
まぁ、俺もいまだに信じられないけどな。
「俺、お前のことが心配。帰り病院よる?」
「よらんわ!」
ユウにツッコミを入れる。
それからしばらく雑談をしていると、チャイムがなり、担任のルナ先生が教室へ入ってきた。
「はーい。みんないるー?」
ルナ先生は家庭科の教師で、料理も上手く、優しいと人気だ。
「今日はみんなに嬉しい知らせ!なんと転校生が来ます!」
「「「おお!!」」」
みんなの歓声が教室内に響く。
「じゃあ、入っておいで~」
扉を開けて入ってきたのは女の子。
キツネの耳と大きな尻尾がゆらゆらと揺れている。
「えっと……はじめまして。コハクです。よろしくお願いします」
にっこりと笑うその姿に男子内で歓声が起きる。
そして俺は小さく驚きの声を上げる。
「あ」
「え」
あの子は……今朝俺を吹き飛ばした女子。
「吹き飛ばしちゃった男の子!!」
彼女の大きな声が教室内に響いた。