不思議な幻影
不思議な幻影
学校からの帰り道、僕は不思議な幻影に後をつけられていた。
これはいったいどうしたことなのか?
家に帰ると、その幻影は消えていた。
いったいなんだったのだろう?
次の日もまた幻影に後をつけられていた。
僕は、頭がおかしくなったのかもしれない。
次の日、僕は精神病院に行った。
検査の結果、異常なしだった。
*
それから毎日のように幻影は後をつけてきた。
よく見ると幻影が何かを訴えてるように見えた。
僕は興味が湧いたので、幻影に近づく。
ジェスチャーをしてるようだ。
家を指差して、手を上に持ち上げる。
「家が、ボーン?」
僕が幻影に答えると、幻影はこくこくうなずいた。
なんだろう?この感じ…なんだか解らないが会話を続けてみる。
*
「僕が質問するから君は、イエスなら首を立てにふってくれ、ノーなら横だ」
とういう具合に、質問を浴びせていった。
僕が想像力だけで質問をして解ったことだが、どうやらこの幻影は僕自身らしい。
何かの危機を訴えているようだ。
「家が爆発するのかい?」
まあジェスチャーから、想像したことだが聞いてみた。
幻影はうなずく。
僕は、わかる限りの情報を手に入れたかったが…どうやら身振り手振りでは意思の疎通は難しい。
そこで僕は手振りの信号を彼に教えた。
*
どうも彼の話によると、僕はガス爆発に巻き込まれて死んでしまうらしい。
それを防ぐ為に天国から、死んだ僕がここにきてるというわけだ。
しかし、天国にいけるなら死んでもいいや。
幸いこの世に何の未練もない僕は、彼の言うことを一切聞かないことにした。
そして僕は死んだ。
*天国*
天国にきてどのくらいたったろうか?
始めは、すばらしいところだと思ったが、刺激になるものが一切ないところだった。
これなら地獄のほうがましなのでは?
お花畑で、なんの毒もない絵本を読んでもらってきゃっきゃと喜ぶ子供達。
あいにく僕は、カフェインぬきのコーヒーみたいなのに興味はない。
なるほど…彼、つまり僕が、僕を助けにきた理由がわかった。
だがしかし、僕がここにいるということは、僕が過去に行って僕を救ってもまったく同じことになるのではないだろうか?
つまり、このことは決められていたことなのである。
じゃあ、僕の番で無限ループはおしまいにしよう。
そのとき天使が僕に言った。
「あきらめるの?」
むだなことだよ…
しかし天使はしつこくチャレンジするようにすすめてくる。
しかたない…いくか…。
こうしていつ終わるとも知れない無限ループがつづくのであった。
**
天国の会話。
「もし彼が、自分を助けに行かなければ、彼の存在は宇宙から消えるとこだった」
「神様…では?」
「ふむ、パラレルワールドに残ってる彼の命はあと一つしかない…」
「じゃあ、今回のチャレンジがラストということですね…」